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    🌸忘羨二次創作垢🌸

    @purinrin17_1

    忘羨専門二次創作する人

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    POIPOI 65

    アニそし最終話終了直後の世界線。 
    藍忘機と仲直りをしたいと思っていた魏無羨。白い包みが目に入る。中身を開いて驚いたが、これが藍忘機の趣味ならと意を決して着てみることにした。

    #忘羨
    WangXian

    チャイナドレス天天***********
    アニそし最終話終了直後の世界線
    チャイナドレスを着た魏無羨と藍忘機のとあるお話。
    生ぬるいですがどうぞお楽しみください。

    ***********



    「あぁいいさ!俺は頑固ものの相手ばっかしてきたからな、そっちがその気なら俺は全然かまわないけど!」

    両腕を組んで魏無羨はぷいと藍忘機とは反対の方を向いて頬を膨らませた。魏無羨の大きな声にロバは耳をパタパタと動かす。魏無羨がちらりと藍忘機の様子を伺うと、やはりまったく表情は動いておらず、涼しい顔をしている。


    * * *


    ゆったりと何日もかけて徒歩で移動し、色んな景色や食べ物を楽しみながらのんびりと姑蘇へ帰っていた。もうすぐ姑蘇へ到着するという所で、魏無羨が林檎ちゃんから降りて藍忘機の進む道を阻める。

    「魏嬰?」
    「藍湛はどうしてそんなに俺に良くしてくれるんだ?」
    「普通だ」
    「普通かなぁ?他の人には冷たい対応じゃないか。どう見たって、俺の事を特別扱いしてる」
    「‥‥‥くだらない」

    ふう、と藍忘機が首を振って言った。

    「くだらなくなんかない!それにお前、背中にそんな傷を作っちゃって‥‥沢蕪君から聞いたんだからな」
    「君が気にする必要はない」
    「まったく‥‥‥鈍感な男だな。俺が言いたいのは‥‥」

    ぎゅっと藍忘機に抱き着いた。

    「俺がその背中、責任を取ってやるって言ってるんだ」

    魏無羨はとうに気づいていた。藍忘機の自分に対する態度と言葉の端々の全てが、好きな相手に対するものだと。

    最初のうちは「もしかして‥‥‥?」という程度だったが、今は核心を得ている。

    なぜなら事件がひと段落つき、緊張感を取り払った藍忘機はわかりやすく魏無羨に優しかったからだ。林檎ちゃんから降りる時は必ず腰を支えてくれ、食事は全て辛い物ばかり頼もうとする。

    そして藍忘機にぎゅっと腕を巻き付けたり、一緒に寝ようよと誘った時、藍忘機は顔を冷たい顔をさらに硬直させ、耳を赤くするのだ。こんなにもわかりやすいのに、いっこうに手を出そうとしないまま姑蘇の一歩手前まで来てしまった。いい加減口づけの一つくらいあってもいいんじゃないかと、待ちくたびれた魏無羨は行動に出たのだ。

    「責任は君には無い。全て私がした事だ」

    魏無羨がぴっとり側に寄ると、藍忘機は身を一瞬固くし、やはり耳を赤くさせた。

    「責任はあるよ…‥‥‥そうだな、俺は貧乏だし、料理や洗濯もてんでダメだ。何があるかな?あっ、そうだ!俺の体で責任を取るっていうのはどうだ?」
    「体?」
    「そうだよ。‥‥夜、おまえを気持ちよくさせてやる、とか」

    体で責任をとるつもりだと主張する魏無羨に、藍忘機は一瞬、怒りから眩暈を感じた。

    「くだらない!」
    「‥‥こ、これはくだらなくはないだろ!」

    藍忘機は少し怒ったようにズンズンと林檎ちゃんの手綱を引いて先へ行ってしまう。魏無羨はぽかんと藍忘機の真っ白な背中を見ていた。思っていた結果と全然ちがう。「自分もいつしか藍忘機を好いてしまった。だから早く俺を食べて」という気持ちをこめ、魏無羨は言っただけだ。

    怒らせるつもりは微塵もなかった。自分から色恋について積極的になるのは初めてで、実はけっこうな勇気をふりしぼって林檎ちゃんから降りていたのだ。魏無羨は頬を膨らませる。

    「あぁいいさ!俺は頑固ものの相手ばっかしてきたからな、そっちがその気なら俺は全然かまわないけど!」

    ――なんだよ藍湛のやつ!俺の勇気を台無しにしやがって――

    姑蘇の市場に着き、二人は蓮花塢を出てから初めて別行動を取った。ちょっとお前と離れて一人で飯を食いたいと魏無羨が言い出したのだ。それは駄目だと藍忘機が反論したが、魏無羨は言う事をきかずに「半時辰後にここで待ち合わせ!」と言って素早く人込みの中へ逃げたのだ。藍忘機も自身の頭を少し冷やすべきかと考え、追うのは諦めた。藍忘機は許せなかったのだ。

    魏無羨が自分の体を軽く見ていることに。できる事なら彼を好きなだけ抱きしめたい。さらに言えば夜は思う存分に触り、彼の反応を楽しんでみたい。しかし言えないのだ。彼は断袖ではない。

    そして、毎日一緒にいて気づいた事がある。魏無羨は子どもが好きなのである。

    男同士では子は成しえない。魏無羨がいつか子どもを育てたいという欲求を持っている事に感づいた藍忘機は告白をする事は無責任な事ではないのかと思うようになった。

    そして聶明玦の左腕の件が片付いてすぐ、決定打になる現場を見てしまったのだ。先に宿を出た魏無羨が一人の婦人と話をしていた。魏無羨は胸に幼児を抱いて、その幼児の母親と談笑を楽しんでいた。

    『子どもはいいわよ、アンタも早くこさえちゃいなさいな』
    『可愛いとは思うんだけどなー』

    うりうりと魏無羨が幼児の頬に自分の頬をくっつける。

    『子どもが嫌いなの?』
    『いや、好きだよ。いつか俺も欲しいなって考えた事くらいはあるし』

    藍忘機はその言葉を聞いて、一寸呼吸が止まった。魏無羨は自分のものだという考えを改めた方が良いのではないかと。しかしそう簡単には呑み込めはしなかった。その時は深く考えず、毎日側で元気に過ごしてくれればそれでいいと思うようにした。雲深不知処で穏やかに過ごしてもらう。

    それ以上の事は求めない。そう決心したというのに、「体で責任を取る」と自分を軽んじるものだから、藍忘機は平静を保てず怒ってしまった。

    仕方なく一人で市を歩いていると、ぐいと力強くひっぱられる。魏無羨かと少し期待して振り返ったが、相手はまったく知らない恰幅の良い女だった。

    「素敵な姑蘇藍氏のお兄さん、どう?この服良いと思わん?良かったら店に寄ってぇな」

    断ろうとしたが、姑蘇なまりの女性の引っ張る力は強く、藍忘機は引かれるまま店の中へ入っていくことになった。

    「母さん!いい男の客つかまえた!かっこいい服見繕ってやってぇ」

    藍忘機を中へ入れ込んだ女はまた他の客も引き込もうとヤンヤと大きな声で「新しくてかっこいい服!かわいい服ありますよー!」と客へ呼びかけ始めていた。

    見渡すと一風変わった服が半分以上を占めている。これは魏無羨が興味を引きそうな店だなというのが藍忘機の感じた店の感想だった。

    「あらいい男だね!どうだい?うちの娘、もらってくれないかい」

    恰幅の良いの女店主は外で男性客とおしゃべりをしている女性を指さす。どうやら娘だったようだ。
    服でなく娘を勧められた事に多少面食らったが、氷のように凍てついた顔のまま答える。

    「もう(好きな)相手はいます」
    「なんだって?童子みたいな顔してるクセに。案外手が早いんだねぇ」

    女店主は勝手に藍忘機に合いそうな服をいくつか身繕い始める。この女店主に姑蘇のなまりはなかった。喋り方からして、北方地域の出身のようだ。

    「相手はどんな子?背は高いのかい。見ての通り、うちの娘もっけこう背が高くてスラっとしてるよ。どうだい、乗り換えたら?」

    「結構です。‥‥‥‥私の(好きな)相手も背が高く、貴方の娘と同じくらいスラっとしている」
    「ふうん。胸は?」
    「ない」
    「へぇ、胸が無くて体がでかくてスラっとして‥‥新しいモノは好きかい?」

    藍忘機は魏無羨の好みについて逡巡した。古い玩具に興味を引かれることもあるが、新しいモノにも強い興味を示す様子の魏無羨を思い出す。

    「好きだと思う」

    女店主は娘と藍忘機の相手を比較することを止め、自分の自信作を藍忘機に買わせる方を選んだ。

    「なら、あんたの相手が喜びそうな服が一着あるんだ」

    魏無羨が喜ぶものなら欲しいと藍忘機は思い、口を開く。

    「買おう」

    即決したその時「きゃあ!スリよ!誰か捕まえて!!」と叫ぶ声が聞こえ、藍忘機はさっと店を出た。あ
    る黒い影がスリを横から飛び蹴りする。よく見知った姿に藍忘機は目を柔らかくする。

    「はい。これお姉さんの財嚢?」

    ガジガジと菓子を口に挟みこみながら魏無羨が言った。

    「ええ、ありがとう、ありがとう」
    「姑蘇にもスリっているんだな」

    魏無羨が伸びている男を踏みつけながら言った。

    「いえ、珍しいことです。恐らく、他の地域からの流れ者だと思います」

    財嚢を大事そうに懐に納めた女は何度も魏無羨に頭を下げて去っていった。魏無羨も藍忘機を目に入れたが、プイとそっぽを向いて適当な食事処を見つけて一人で入っていった。

    この時藍忘機は魏無羨用の財嚢を買ってやった事を後悔した。もし買っていなければ、今頃上目遣いで「お金ちょーだい」とお願いをされているはずだったのだ。

    藍忘機は少し気を落として先ほどの変わった衣服を売っている店内に戻る。女店主が「包んでおいたよ」と声をかける。藍忘機は「相手が喜ぶ」という言葉で即決したことを思い出し、金を支払って店を出た。

    二人は静室に到着しても、ずっと口をきくことはなかった。

    正確には、魏無羨が途中で沈黙に耐えかねて「なぁ、藍湛、何に怒ってるんだ?なんか変な事言っちゃってた?」と謝り始めるも、藍忘機は何も応えてくれず、その態度にまた魏無羨は腹を立てるという状態だ。

    「君は、自分を大事にする事を学びなさい」

    やっと口を開いたと思ったら、藍忘機は静室を出てどこかへ行ってしまった。

    魏無羨はゴロリと勝手に寝台に背を預け、どうすれば仲直りが出来るのかともんもんと考えた。そもそもどこに問題があったのかさえわからない。

    ― カラダで責任を取るって好きな相手から言われたんだぞ?普通なら喜んで襲ってくるもんじゃないのか?
    自分を大事にするってどういうことだ。俺はお前にいつも大事にされてるから別に今更‥‥‥‥――


    魏無羨は気づいた。体で返す。これが藍忘機が怒った原因だと。魏無羨はバッと立ち上がり、静室の庭や周りを見渡す。どこにも藍忘機の姿は見えない。


    ― ―頼むから、嫌だと思う事は口で言ってくれよ藍兄ちゃん‥‥‥‥‥‥‥‥‥――


    もう二度と藍忘機の前で娼婦のような言葉は口にしない方が無難だなと学び、魏無羨は部屋の中へ戻る。ふと藍忘機が何かを購入していた事を思いだし、白いソレを見る。魏無羨はその包みをガサガサと勝手に開け、中身を広げてみた。


    「なんだこれ?!」

    見たこともない形の着物だった。どこかの民族衣装のようだ。優美で妖艶な見た目の珍しい着物に魏無羨は目が釘付けになる。黒の生地に金の刺繍で梅の花と鳥が小さく至る所に飾られていた。くるぶしに届くほど長い生地で、足の左右は切れている。太ももをあらわにするための切り込みかと魏無羨は理解し、ピラピラと光沢感のある布の表裏をじっくりと観察した。

    「この服の大きさ‥‥‥ぜったい俺用だよな?藍湛はこういうのを俺に着せたいのか?」

    ポリポリと鼻をかいて、着た方がいいのか考える。

    「まぁ、藍湛が着てほしいんなら‥‥‥‥」

    魏無羨は服を脱ぎ、サラリとした肌触りを確かめながら、その服に腕を通した。



    ***************

    藍忘機は叔父に今後の魏無羨の所在を明確にさせるために話をしに行った。良い顔はしなかったが、駄目だとも言われなかった事に安堵させ、静室に戻る。

    藍忘機は驚愕した。表情こそは一切動いていないが、あまりの出来事で藍忘機は微動だにできない。

    「あ、藍湛、もどったか」

    魏無羨は膝立ちになって振り向く。赤い髪紐で結っていたはずの髪を降ろし、さらに後ろにまわした両腕でその髪をかき上げるという事をしていた。鏡の前でとんでもない恰好をしているところを見られたというのに、何も感じないのか、笑ったまま立ち上がってその場でクルリと回った。

    「どう?お前が買ってくれた服。似合う?」

    藍忘機は生唾を呑み込み、ぎこちなく頷いた。とても似合うと思ったのだが、強い衝撃を受けたせいで言葉が出なかった。つい、すべらかな太ももに目がいってしまう。

    「なんだよ、なかなか似合うと思ってたんだけど」

    藍忘機が顔を固くしている様子から、藍忘機の好みじゃなかったかと魏無羨は口を尖らせて勘違いをする。脱ごうとする魏無羨の手を藍忘機は制止した。

    「脱がなくていい」

    魏無羨は顔をにんまりとさせ、藍忘機をのぞき込む。

    「これがお前の趣味なのか?」

    まさかこのような服だとは思いもしなかったのだ。とはいえ買ったのは自分で、何かを喋ればそれは言い訳に聞こえるような気がした。そしてハッキリと魏無羨が脱ぐのを制止してしまっている。もう少し見ていたい、脱ぐなどもったいない、そう思ったのだ。これは抗いようの無い欲だと藍忘機は頭の隅で理解はしていた。

    藍忘機は何も言えない。趣味なのかという問いについては違うと答えられるが、好きなのか嫌いなのかと聞かれると、魏無羨のその姿は好きかもしれないというのが正直なところだったからだ。

    「そーか、好きなんだな?藍兄ちゃん、寝台に座って」

    答えられないという事は、好きなんだろうと魏無羨は解釈してぐいぐいと引っ張る。
    藍忘機は促されるままに寝台に座ると、魏無羨が当たり前のようにポスンと隣に座った。

    「この生地、ツルツル、すべすべしてすごく触り心地が良いんだ。触ってみて?」

    左手を魏無羨の胸に当てられ、藍忘機は緊張した。手を動かしてみると、確かに肌ざわりは良い。

    「どう?」
    「‥‥なかなか」
    「ふふ、食べ物の感想みたいに言うんだな」

    魏無羨はゴロンと仰向けに寝転ぶ。

    「ねぇ藍兄ちゃん‥‥‥‥もっと触ってみない?」

    魏無羨の誘う瞳に抗えなくなった藍忘機はガバリと彼にのしかかった。

    「私は、君の心が欲しい」

    やっと言ってくれたと、魏無羨は微笑んで藍忘機の首に両腕を回した。

    「うん、あげるよ、いくらでも」

    「体だけがほしいと思われるのは嫌だ」

    「さっきの、体で責任を取るってやつがイヤだったんだろう?ちゃんとわかったから、もうヘソを曲げるのはよしてよ」
    「君は体を簡単に‥‥」
    「悪かったって、俺の言い方が間違ってた」

    「君を好いてる‥‥‥‥」
    「うん、俺も‥‥‥‥好き、んっ」

    容赦の無い口づけが始まり、魏無羨は目を閉じてその口づけに応えた。肩と腕を押さえつけられ、乱暴さを感じる。しかし嬉しさの方が勝り、その乱暴な舌の動きすらも喜びに変わっていく。

    藍忘機の唇を吸い、舌をやわらかくして愛撫してやった。すると藍忘機は両手でするすると魏無羨の全身をさすり、何も履いていない魏無羨の足の付け根に手を回す。立ち上がり始めたものを握りこめられ、ヒク、と魏無羨が肩をすくめた。

    「あ、ん‥‥‥っ」

    魏無羨のあけすけな喘ぎに藍忘機はさらに息を荒くさせる。

    「藍湛ったら、意外と大胆だな」
    「君の方が‥‥」

    藍忘機は再度魏無羨の服装を上から下までじっくりと目に入れた。
    魏無羨は藍忘機のうなじに手をかけて引き寄せてから、口が当たりそうなところで囁く。

    「俺、そこは誰にも触らせた事が無いんだ。気持ちよくして?」

    翌日の朝を迎えるまで、魏無羨と藍忘機は一歩も外へ出る事は無かった。
    数日後、見目の良い二人の男が店内にやってきて、女主人は両手を挙げて喜んだ。

    「おやおや、確か以前、あの民族衣装を買ってくれた方じゃないか。どうだった?奥さんは気に入ってくれたかい?」

    藍忘機の背中にいた魏無羨がひょこっと顔を出して笑顔で答えた。

    「ああ!とっても楽しめたよ。また他の変わった服はある?」

    女主人は黙った。魏無羨と藍忘機を何度か見て、ハハアと納得する。

    「あるよ!ちょっと待ってな!」

    女主人は意気揚々と自分の斬新な作品を次々と紹介していったのだった。












    fin.




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