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    満ツ雪

    @32_yu_u

    相出しか書けません

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    満ツ雪

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    「相澤さんちの日常」相出夫婦とその娘・美月の小さなお話。

    相澤さんちの日常小話「んっしょ、んっしょ」

    ダイニングテーブルで書類を書いていると、美月がプープー鳴る椅子を運び出した。自分の体の半分くらいはある赤い椅子を反り返って運ぶ姿は危なっかしくて目が離せない。
    横目で美月の様子を確認していると、テーブルを挟んだ向かい側に椅子を置いている。その上に美月が登ると、ぷーう、と気の抜けた音が鳴った。最近すっかり口達者になってきた娘の顔がテーブル越しにぴょこんと現れる。不器用な緑谷が結んだ髪は左右で高さが違うがそれも可愛く見えてしまうから末期だ。後で結び直してやろうか。けどそうすると緑谷が少し不貞腐れるんだよな……。

    「美月、椅子の上に立つのはいけません」
    「はあい」

    お返事だけは良い。
    テーブルに両肘をつきまあるいほっぺたを小さな手で包んだ美月がにこにことこちらを見上げてくる。緑谷譲りの翠色の瞳がキラキラ輝いていた。

    「遊んで欲しい?」
    「んーん、ちがうの」
    「おやつが欲しい?」
    「ちがう。パパはおしごとつづけるの」

    何だろう……。
    文字に興味があるとか。
    万年筆が珍しいとか。

    後もう少しなので先に書き終わらせてしまおうとペンを走らせるが、その間も美月は何をするでもなくただただにこにこしていた。
    正直とても気になる。

    「美月は何をしているのかな」

    たまらず聞いてみると、うふふ、と楽しそうに美月は笑った。

    「あのね、こうしてるとみつきのかわいいおかお、ずっとみてられるでしょ」




    「え、せんせ、パパ、何があったんですかっ?」

    机に突っ伏している俺とそれをにこにこ眺めている美月を交互に見て、緑谷が驚いている。
    んふー、と気を良くした美月はぴょこんと椅子から飛び降り緑谷のところへ駆けて行った。

    「みつきちゃんがかわいーからなの」

    ぴょんぴょん飛び跳ねる美月を抱き上げた緑谷は、ああ、と合点がいったように眉尻を下げた。

    「何か大体察しがついたような……」
    「さっしってなあに?」
    「わかったっていう意味だよ」
    「美月、ママにもやってあげて」
    「はあーい」

    同じことをされた緑谷もまた可愛い愛娘によって撃沈されたことは言うまでもない。
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    満ツ雪

    DONE♀️装♂子な🥦くんは👀先生のことが大好き。今日も元気に猛烈アタック!
    普通のコーコーの普通のきょーしとせーとな👀🥦の話。👀の担当きょーかとか決めてません。自由に想像してほしい🙆
    がんばれ女装男子🥦くんあいざわせんせい。


    僕の担任の先生。

    僕の大切なひと。


    僕の大好きなひと。



    「失礼します!一年A組緑谷出久です!相澤先生!来ましたっ!」

    昼休み。
    職員室の入口でそう僕が声を上げると、先生方の視線が一斉に相澤先生に注がれた。呆れや羨望の入り交じったその視線を面倒そうな顔で受け止めながら、相澤先生が立ち上がる。

    「良いなあ愛妻弁当」
    「山田そういうこと言うとコイツが調子に乗る」
    「ふふ、相澤先生の愛妻でーす」

    そう言って先生の腕に絡み付くと、こらって軽く頭を叩かれる。優しいからちっとも痛くない。むしろ撫でられてるみたいで嬉しい。

    「良いわねえ相澤くん、かわい~い幼妻がいて」
    「やめてくださいよ香山先生」

    心底辟易した様子で相澤先生が睨みを効かせても、香山先生にはちっとも通用しない。「アオハルいいわ~頑張りなさい」って僕の背中をぐいぐい押してくれる。相澤先生とぴったりくっつく形になって、ぎゅうってその腰に抱き着こうとしたらさすがに相澤先生に本気で押し返された。
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    満ツ雪

    DONE俳優澤×ドル出勝手に書きました。すみません。え、ドル出が鈍すぎて俳優澤はいつまでも出くんとくっつくことができないんですか?ごめんなさい、もうくっつけちゃいました…ごめんなさい。
    俳優澤とドル出のお話『テレビ局の地下駐車場にいるよ』

    そんなメッセージをもらって僕は私物のパーカーを引っ掴んで慌てて走り出した。派手なステージ衣装のままだし、髪も瞼もキラキラしたままだけど、とにかく時間が惜しくて全力で走った。でもテレビ局は騒々しいから誰も僕のことなんか気にも留めない。おはようございます、お疲れ様ですって笑って挨拶しながら人の波をくぐり抜ける。もう1ヶ月も会っていないあの人の元へ急ぐため。

    ハア、ハアって息が上がる。
    さすがに駐車場だと真っ青な衣装の僕は悪目立ちする。荷物を搬入しようとしているスタッフさんたちがチラチラとこっちを見てくるから、パーカーの前を掻き合わせながら足早にその場を後にした。
    相澤さんの車は、柱の影になって一段と暗い一角に停まっていた。黒い二人乗りの、車種に詳しくない僕でも名前を聞いたことがある車。壁に向かって前向きに駐車されているから車内が見えなくて、何度もナンバープレートを確認してから助手席の窓をそっと覗き込んだ。
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