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    満ツ雪

    @32_yu_u

    相出しか書けません

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    満ツ雪

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    👀🥦SS、タイトルのとおり

    #相出
    phaseOut

    寝込みを襲うひとりでベッドに潜り込んでからもう二時間以上経ってしまった。その間僕は何度も寝返りを打ち、何度もスマホで時間を確認し、何度も寝室のドアとにらめっこした。そんなことばかりしていたので眠気が訪れるどころかどんどん遠ざかっていく。
    ……だって久しぶりに今夜、その……、できるかなって、期待してて……それなのに先生は仕事が終わらないってパソコンの前から全然動いてくれなくて……。
    先に寝ますねって言っても「そうしてくれ」ってしか言ってくれない。本当の本当に寝ちゃいますよって念を押したら返事すら返ってこなかった。
    (怒らせちゃったかな)
    じわりと涙が浮かぶ。先生忙しいのに僕邪魔だったかな。期待してたの、僕だけだったかな。会いたかったのも、僕だけだったのかな。
    どんどん悪い方向に思考が落ちて目が冴えてゆく。今更先生が来たってきっと寝るだけだから、先に眠ってしまいたいのに。先生が隣りに来たら、苦しくて益々眠れなくなってしまう。
    (あ、)
    ぺたり、ぺたりと。こちらに向かって歩いてくる先生の足音が聞こえてきた。心臓がぎゅっと縮む。僕はきつく目を閉じて必死に寝たフリをした。
    静かに寝室のドアが開き、足音がベッド脇で止まる。先生が呼吸する音まで聞こえた。どうやらしばらくそこで立ち止まっているらしい。どうしたんだろう。
    ギイ、とスプリングが軋む音にまた心臓が跳ねる。布団の中に入ってきた先生は案の定僕を後ろから抱き締めた。寝る時のいつもの態勢だ。嬉しさと悲しさがないまぜになる。やっぱりこのまま寝るだけなんだ。先生の身体がいつもより温かい。よほど眠いんだろう。
    けれどここで予想していないことが起こった。先生の膝が僕の足と足の間に割り込んできた。それから内腿を先生の手の平にぐっと持ち上げられる。おしりに先生の股間が押し当てられた時には思わず声を上げそうになってしまった。先生のは勃っていなかったけど、でも、そこに確かにあるものをまざまざと僕に思い起こさせた。
    これは、その、そう。どう考えたって寝るための態勢ではなくてもっと、その、……つまり、えっちな、アレで。
    「緑谷、……もう寝たか」
    いっそう僕の身体を強く抱き寄せながら相澤先生がそう低く囁いた。僕を起こしたい気持ちと起こしたくない気持ちがせめぎ合っているような珍しい声色に動揺する。
    先生は僕の後頭部にすっと通った鼻先をぐりぐりと押し付けてはすんすんと僕の頭の匂いを嗅いだ。甘えられているようで嬉しいけど、汗臭くないか心配になる。そのへんもっと念入りに洗っておけば良かったな、なんて後悔の念が押し寄せた。
    「寝込みを襲ったら怒るよな。……いや、おまえは優しいからそれすらも受け入れちまうのかな」
    そう言って拘束を解こうとする先生の手を慌てて引き留める。僕の後ろで先生が身を固くするのが分かった。僕が起きているなんてちっとも思っていなかったんだろう。
    「い、嫌な時は僕だってちゃんと言います……!」
    自分の顔が見えなくて本当に良かった。多分いま、見せられないような顔をしている。それに、いつも恥ずかしくて言えない本音も、顔が見えない今ならきっと言える、から。
    「だから……っ。つ、続けて、欲しいです……っ」
    (ちゃんと言えた……!)
    そう思ったのも束の間、苦しいくらい強く抱き締められて。
    「……じゃあ遠慮なく寝込み襲うから」
    「!……どう、ぞ?」
    (あれ?それって今夜だけの話、だよね?)
    ふと疑問に思ったけれど、その後僕が質問を口にできるような時間は全くもって存在しなかった。なぜってそれは────ちょっと恥ずかしいのでないしょにしておきます。
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    満ツ雪

    DONE俳優澤×ドル出勝手に書きました。すみません。え、ドル出が鈍すぎて俳優澤はいつまでも出くんとくっつくことができないんですか?ごめんなさい、もうくっつけちゃいました…ごめんなさい。
    俳優澤とドル出のお話『テレビ局の地下駐車場にいるよ』

    そんなメッセージをもらって僕は私物のパーカーを引っ掴んで慌てて走り出した。派手なステージ衣装のままだし、髪も瞼もキラキラしたままだけど、とにかく時間が惜しくて全力で走った。でもテレビ局は騒々しいから誰も僕のことなんか気にも留めない。おはようございます、お疲れ様ですって笑って挨拶しながら人の波をくぐり抜ける。もう1ヶ月も会っていないあの人の元へ急ぐため。

    ハア、ハアって息が上がる。
    さすがに駐車場だと真っ青な衣装の僕は悪目立ちする。荷物を搬入しようとしているスタッフさんたちがチラチラとこっちを見てくるから、パーカーの前を掻き合わせながら足早にその場を後にした。
    相澤さんの車は、柱の影になって一段と暗い一角に停まっていた。黒い二人乗りの、車種に詳しくない僕でも名前を聞いたことがある車。壁に向かって前向きに駐車されているから車内が見えなくて、何度もナンバープレートを確認してから助手席の窓をそっと覗き込んだ。
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