別れを惜しむそぶりを見せたつもりはなかったけれど。
　同じ現場の仕事の後、各々の家まで送り届けられる車内でのこと。あと数分で凛月宅に着くという頃、いいものあげる、と不意に司へ差し出されたものは、凛月の写真――今度のライブツアーで販売するグッズのブロマイドだった。
「ス～ちゃんだけ特別だよ？　夢の中でも俺に会える権利」
　真っ白なスタジオでただスツールに腰かけている、とてもシンプルな画だ。だからこそ凛月の佇まいが際立って目を引く。タイトなセットアップをさらりと着こなし、わずかに細められた紅いひとみは、どこか余裕に満ちた表情にも見える。今、司の目の前で柔らかく夜を囁く先輩とは、ちょっぴり遠い凛々しい騎士の姿。

　これってもしかして、キスとかしてもいい雰囲気かな。
　気づいた瞬間はすごく静かだった。俺とス～ちゃんはただ並んでお話をしていただけ、そのはずなのに、いつの間にか肩も触れ合う距離にいて。ふと隣に視線をやったら偶然ス～ちゃんもこっちを見ていたものだから、顔がやけに近くなった。不意に流れた透明な沈黙が、こぼしたガムシロップみたいに二人を濡らす。とろりと気泡で綴じて世界を遠ざける。俺が頭を傾けながら近づくとス～ちゃんもきゅっと顎を引いた。
　ス～ちゃんの手を拾うと、ゆびさきまで温かかった。俺はそれをうやうやしく顔の前まで持ち上げて、なかゆびの付け根の辺りに、ちゅ、と音を立ててくちづけた。
　伏せた視線を持ち上げてス～ちゃんに向けると、俺の一挙一動を熱心に見つめていたのがわかった。

　ぱきんっ。ふたりの吐息の間で、甘く苦い香りが割れてはじける。
　ゆっくり離れていった顔の真ん中、紅いひとみがゆらり、と弧を描く。司が今まさに食べようと口に含んだチョコレートを、凛月は半分かじりとり、咥えたままうっすらと笑みを湛えた。
「ふふ。隙あり」
　二月半ば、春めいているのは暦ばかりで、学内の空気はまだどこかきんと冴えている。それはこの、司たちの占拠するスタジオも例外ではない――部屋の人口がたった二人なのもあってか、こたつに体を入れてもなお肌寒かった。そんな折、予期せぬタイミングで近づいてきた体温は司を驚かせ、そして、触れないまま離れていったことでもう一度驚かせたのだった。
　どうせなら、キスまでしてくれたっていいものを。

【纯日和R】去VR世界是什么日和？“日和君，生日快乐！”在COSPRO举办的生日会上，一座精致壮观的巧克力蛋糕旁，青叶纺笑容满面地送给了巴日和一个礼物。

“嗯嗯！你的礼物我收到了呢，希望会是一份适合我的礼物！”巴日和微笑着，收下了礼物。


因为礼物收到的礼物太多，所以负责搬运的人必然是涟纯。

“嘿咻……”他刚把最后一大摞的礼物盒放在地上，巴日和就兴致冲冲地拆了起来。

香水、发箍、衣服、甚至连章鱼抱枕也有，当拆到青叶纺的礼物时，巴日和把刚喝完水正在喘气的涟纯叫了过来。

“纯君！快看快看！是你之前感兴趣的某款游戏呢！”

盒子里是两个科技感很强的眼罩装备，涟纯一下子就认出，“啊！居然是这个东西。嗯……严格意义上来说也不知道能不能算作游戏，这是NEWDI事务所研发的那款SSVRS，阿日前辈知道吗？”