良い子 でしょ? 熱い、暑い、あつい。
火照った肌を汗が伝い、身体の内側からは熱杭に苛まれている。
隙あらば下りてしまいそうな瞼を必死に押し上げて、自分の上にのしかかり必死で腰を振る男をこっそり盗み見る。
真っ赤に染まった頬、唇の隙間から吐き出される熱い吐息、時折聞こえる噛み殺しきれなかった喘ぎ声。
ああ、可愛い。
ファンの前で歌って踊っている時のキラキラしたモモも勿論可愛いけれど、僕しか見る事のできない『ダーリンの可愛いハニー』じゃない、僕だけのモモはやっぱり最高だ。
「モモ、待て」
あまりにも可愛いから、こんな意地悪も言いたくなってしまう。
見開かれた大きな瞳に映る少し歪んだ僕は、何だか得意げな表情をしていた。
「へ?」
びっくりするよね。だって僕の中にいるモモ自身は、発射一秒前って感じだったし。
のろのろと腰を動かして引き抜こうとしたところで、やっとモモは僕の言葉の意味が理解できたみたいだった。
零れ落ちてしまうんじゃないか心配になるくらい大きな瞳に、絶望の色が浮かぶ。
内腿に触れたふたつの玉も、パンパンに張り詰めていて、この中のモノを僕の中に出すつもり満々だったんだなと思うと、つい口端が上がってしまう。
「待て、だよ。モモ」
もう一度告げると、飴玉みたいな目にじわりと水の膜が張る。泣きそうな顔をしている癖に、健気にもぴたりと腰の動きを止めたままだ。涎こそ垂らしてないけど、お預けを食らった犬みたい。
いじめ過ぎたかな、とほんの少しだけ反省して、少し湿った髪を撫でてやる。
「ふふ、嘘。いいよ、モモ」
おいで、と声にする代わりに、腰に両脚を巻き付けて引き寄せる。
ぱちゅん、と水気を含んだ音を立てて、最奥を叩かれた。
「ア、んっ」
「ッ、ユキ」
おねだりするみたいな声。そこが突き当りじゃなくて、もっと奥まで銜えられる事を知ってて、全部挿れさせて、って言ってるみたいな声。
「オレ、良い子、でしょ」
ああ、もうほんとに。
「うん、いい子だね、モモ」
かっこいいダーリンはハニーの可愛い我儘くらい聞いてあげなきゃね。