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    Okoze

    @jkanaemill

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    Okoze

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    3かきょいんは石鹸の香りがしそう。4の頃にはどんなかな?夕暮れ街歩き。日常にも綺麗な風景を一緒に見てほしいな。

    ※Twitter挙げ作品。徹頭徹尾、承花です。

    「匂いがきつい」


    そう言って顔をしかめたJ太朗にふり返ると電柱二つ先の軒先にクチナシの花が見えた。白い。
    死を連想させる色。
    これだけ離れても匂って来るのだからそれはそうだろう。ふむ。

    「それじゃあこっち」
    手を引いていつもと違う横道にそれた。人気が無いのを良いことに手を握ったままどんどん進む。いつもと違ってJ太朗の手のひらは冷たい。随分前にひとりこの辺りを歩いて廻ったことがあった。高級住宅街の路地は迷路のように入り組んでいるのが楽しくて…。

    眉間に皺を寄せたまま戸惑ったように黙って腕を引かれているJ太朗が可笑しくて、でも早く辿り着きたくて、早足を止められない。

    ふわりと匂ってきた金木犀の香。

    ここだよ。
    振り向くと ん…? 表情が変わった。古くて大きな敷地の家。壁越しに庭の金木犀が揺れている。樹木の背は随分と高い。見上げた彼の横でにっこり笑う。
    「すごいだろ」
    「…ああ」
    毒気を抜かれたJ太朗の呆けた顔を見ながら、僕は満足感でいっぱいになった。こんな住宅街の路地裏で。
    最後の夕陽が一瞬照り返して、日が落ちた。

    「今日の夕飯は鰤の照り焼きだよ」
    「悪くねぇな」
    曲がり角を抜けて一本道を違えて、漂ってきた夕餉の香りに一気に日常感が戻ってくる。

    僕らの家まであと少し。
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