酔っ払いにはご用心!イエローウエストで開店したての小さなバーに、初めてキースと訪れ、お酒を飲んでいるときだった。もうそろそろストッパーをかけた方がいいかな、そう考えた瞬間。
「のみすぎた……はぁあ……あついな……」
と隣の男が急に服を脱ぎ始める。
「ちょ!キース!!脱がないで!?まって!」
と慌ててやめさせようとするも、間に合わなかった。
よく鍛えられた上半身が顕になり、それがバーの暗い照明に引き立てられ、自分の頭の中で勝手にフラッシュバックする情事の面影。
1人で顔を真っ赤にしながらキースに服を着せ、このままじゃまずいと咄嗟に判断し、そのまま腕を引っ張り外に出る。恐らくこの出来事は自分だけが覚えていることになるのだろう。そう考えたら恥ずかしくて、キースの顔がまともに見れない。
「でぃのー?おい、ちょっとまてよ、」
と後ろから声がかかるけど、聞かなかったことにして、そのまま共同生活しているウエストの部屋に向かう。
静かにドアを開け、部屋に入った瞬間。
急に腕が引っ張られ、その次に体が傾く感覚。気づけば後ろにいた男の顔が目の前にあり、ようやく押し倒されたことに気づく。
「へ……?キース?」
と間抜けな声で相手を呼ぶと、静かにそのままの格好で優しく抱きしめられる。
え、これってまさか、また……
「ちょっと、キース!!ここで寝ないで!?
おーい……?あ、、もう爆睡してる……」
はぁ…今日もまたお預けかぁと思いながらも、2人でいれることがやっぱり嬉しくて。
でも、今日のはさすがに恥ずかしかったから覚えてないキースが起きたら仕返しにドッキリでも仕掛けてやろう。
そう思い、静かに目を閉じた。