夏バテなんて蒼汰はまだ本調子でなくもとから弱い体にこの酷暑となれば油断するとすぐになってしまうものだが、サトリはまるでそれとは無縁とばかりに太陽の照りつけが酷かろうとより高い場所に登り作業していたから油断していた。
まさか夏バテとなるとは。
妙な戦隊もののパジャマ姿で湯だって頭を抱えている姿より、よほどサトリらしいのはアイスクリームやかき氷で痛めた頭を抱えている姿だろうに、このだるそうな姿は落ち着けない。
サトリらしい?
らしいと言い切れてしまうほどながく彼女を知っているのだとおもうと、寝転がっているサトリの額に氷嚢がいま自分にも必要になるほど顔が熱くなった。
終