二時間だけのvacances 喫茶店で、二人でアッサムティーを飲み終わってから外へ出た後、腕時計を見るとアルバイトの時間迄まだ3時間ほどあった。
「恵君、今日アルバイトなの?」
「あっ、うん。鈴さんの方は?」
「今日はこの後は何も。ずーっと試験の課題をこなすのに寝不足だったから、ゆっくり過ごすつもり。ふあっ……あっ!」
彼女があくび混じりの返事をしたと同時に、目の前にあったビルの街頭モニターから、先日始まったばかりの映画の予告が流れ出した。
興味深々な様子で足を止めて見上げているので、一緒になって見上げた。
「鈴さん、この映画見たいの?」
「うん、気になってて」
「ふーん……。なら、今から見に行く?」
「えっ!?」
スマフォで検索をかけると、15分後に近くの映画館で上映が始まる回があった。今から見れば、バイトにも間に合う。
1368