11/11-12キスディノWebオンリー展示小説② 子供の頃から誕生日なんて日が【特別】だなんて認識は全く無かった。物心ついた時からオレの家は一般的な家とは違うのだと理解していたし、勿論誕生日を祝われた記憶なんて無かった。もしかしたらうんと幼い時はそんな事もあったのかもしれないが、まだ母親が居た頃はそれなりに守られていた父親からの暴力も、オレを置いて逃げる様に去って行ったその日を境に自分に向けられる様になり、何回目かの誕生日の日にいつもより機嫌が悪かった相手に気を失うまで暴力を振るわれ、ああ本来なら生まれて来た日を祝福されるこんな日に自分は死ぬのだ、と思ったあの日からオレにとって【誕生日】という日は生まれて来た事が間違いだったのだと再認識する日になってしまったのだ。
7150