Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    夏月@kzntki0629

    @kzntki0629

    JBのししさめに嵌った。沼が深くて幸せ。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 11

    夏月@kzntki0629

    ☆quiet follow

    お互いを可愛いと思っているししさめです。

    #ししさめ
    lionTurtledove

    可愛いあなた「あなたのせいだ」
    そう呟いた村雨の横顔は髪の毛で隠れてよく見えない。
    「ハ?……なんの話だよ」
    ただソファーに座ってテレビを見ていただけなのに突然オレのせいだと詰られた。しかもいきなり。理由が分からない。
    もしかしたら何か機嫌を損ねるようなことをしたのかとここ一時間ほどの己の言動を思い返してみたが、村雨が好きな肉で飯を作って一緒に食って、ソファーに座って、腹がいっぱいで眠くなったから肩を借りて少し寝て、目が覚めてからは適当に付けたテレビを見ていた、それだけ。特に何かやらかしたことは思い浮かばないから余計に謎が深まる。
    とりあえず機嫌をとるかと握っていた手に指を絡めると、一瞬手を引かれたから隙間を埋めるように手の平をしっかりと合わせて握る。すると「そういうところだ」という呟きがため息とともに聞こえて、村雨の方からも握り返された。
    そういうところって何だよ。
    「あなたが可愛いから、離れがたくなる」
    呆れたように言う村雨だが、オレはそれが理解できない。
    「……可愛いのはお前だろ」
    オレが作った料理を食べると細められる目も、手を握ると緩む頬も、身を寄せるとじわりと赤くなる肌も。
    可愛いと言うと、不服そうに顰められる眉の形も。
    「オレからすれば、お前の方が可愛い」
    村雨の全てが可愛く見えて、これが盲目ってやつかと初めて抱く感情に驚きつつ、それがちっとも嫌じゃないから、その生暖かい感情に身を任せる。
    「けど、離れがたいってのは同意だな……なぁ、今日泊まってけよ。明日、休みなんだろ?」
    握った手を持ち上げて甲に軽く口付けながら強請ると、小さく跳ねる指と聞こえてくる大きなため息。
    「……仕方がないな」
    ふいと顔を背けながら渋々と頷いた村雨だが、揺れた髪の毛の間から薄く色付いた耳が見えるから、そこがまた可愛いなんて言えば、きっと拗ねるんだろうな。
    拗ねるんだろうけど、見てみたい。その欲が勝った。
    拗ねる村雨の機嫌取りを未来の自分に丸投げし、村雨の意識をこちらへ向けるために熱を持った耳にまた囁いた。
    「素直じゃねえのも可愛いぜ、お医者さま」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺💕❤☺☺😍😍😍💖💖💖🙏🙏🌋🌋🙏👏💖❤❤❤☺💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    takamura_lmw

    DONE🎉ししさんお誕生日おめでとうございます🎉
    ししさんお誕生日のさめしし、もしくはししさめです。
    一月に書いたさめせんお誕生日SSの続きです。

    あなたのこれからの人生が、あなたにとって素晴らしいものでありますように。
    できれば長生きしてください…頼む…ギャンブルなんかやめろ…ワンへなんか行くな…
    「誕生日、おめでとう」『村雨、八月二十七日って空いてたりするか』
     恋人の声を聞いた途端、村雨礼二はいざという時の切り札に確保していた上司の弱みを、ここで行使することを決めた。空いた片手で猛然と上司にビジネスチャットを打ちながら、頭の中では担当の患者とそのタスクについて素早くチェックをかける。どうしても村雨でなければならない仕事はないはずだ。あのネタをちらつかせれば上司は確実に休みを寄越すだろう。
    「休みは取れる。どうした」
    『即答だな』
    「偶然ここのところ手が空いていてな」
     嘘だった。所属する医局もいわゆる「バイト」先も相応に多忙だ。だがそれを彼に悟らせるつもりはさらさらなかった。
     村雨がここまで即座に恋人の―――獅子神敬一の、願いとも言えないような言葉に応えたのは、彼の声になにか特別なものを感じたからだった。不安でも、歓喜でもない。怒りでもなく、愉楽でもない。ただどこか尋常でなく、特別なもの。絶対に逃してはならないなにか。ほとんど第六感のようなものだが、村雨はそういった感覚を重視する性質(たち)だった。
    7028