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    星明かりの交響曲展示物置き場。
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    【鷲上源一郎×朝日奈唯】
    診断メーカー想像して…ほらかわいい…のお題より
    【陽に当たるとすぐ赤くなっちゃう源唯 日焼け止めクリーム塗ろうね 帽子もかぶろうか 倒れると大変だから水分と塩飴も持っていこうね】

    #源唯
    yuanwei
    #鷲上源一郎
    genichiroWashigami
    #朝日奈唯
    asahiNayoi

    おだいじに鷲上源一郎×朝日奈唯



     それは梅雨明け間近の横浜が、今年の最高気温を更新した週末の出来事だった。
    「源一郎君、大丈夫?!」
     外れかかった木蓮館の二階の窓枠を修繕した源一郎が脚立を片付けて談話室に戻って来ると、
    タオルを持って待っていた唯は半ば悲鳴のような声を上げた。
    強い日差しの中で作業をしていた源一郎の白かった襟首は、痛々しく真っ赤に日焼けをしている。
    「毎年の事だ、大した事はない」
    「いやいや、大した事あるって!ちょっと待ってて!!」
     パタパタとスリッパを鳴らして唯は談話室を飛び出した。
    東北生まれの源一郎は子供の頃から、日に焼けても黒くならず、いつも赤く炎症を起こしてしまう体質だ。
    これまではさほど気にした事もなかったが、唯がまるで我が身の様に心配するのは存外悪い気はしなかった。
    「はいこれ、とにかくまず冷やして」
    「ああ、ありがとう」
     戻って来た唯に濡れたタオルを押し付けられて、源一郎は素直にそのタオルを赤くなった襟首に当てる。
    火照った部分に冷たいタオルが当たるのは気持ちが良い。
    「とりあえず、これ私のだけど使って!」
     そう言って唯が源一郎に差し出したのは自分が普段使っている日焼け止めクリームだった。
    「あまりこう言うものは慣れないんだが……」
     何だか化粧をしている様で少し気恥ずかしさを覚えながらも、唯の好意を無下にする事も出来ず
    源一郎は手のひらの上の白い日焼け止めクリームを顔に塗り広げる。
    「ふふ、源一郎君眉毛に日焼け止めがついてるよ」
     唯が指先で源一郎の眉を拭う。
    先程、濡れたタオルを絞ったせいかひんやりと冷たい手が源一郎に触れる。
    「ああ、コンミスの手は気持ち良いな」
    「げ、源一郎君?」
     思わずその手を掴むと、源一郎は自分の頬に押し当てる。
    柔らかくて冷たい手が、火照る頬の熱を散らしていく。
    「……大丈夫かコンミス、顔が赤いようだが」
     心配そうな顔で唯を覗き込んだ源一郎の大きな手が、その額に触れる。
    節くれ立った源一郎の手のひらの温度に、唯の顔はますます赤みを帯びていく。
    「わ、私は大丈夫だからッ……それより源一郎君、これから暑くなるから外に出る時はちゃんと帽子をかぶるんだよ」
    「ああ、気を付けるよ」
    「あと水分もちゃんと取ってね……あ、夏は塩分も必要だから塩飴とか舐めると良いらしいよ」
     まるで母親の様に甲斐甲斐しく自分の心配をする唯の姿に、源一郎は目を細めて口元を綻ばせた。





    ─了─
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