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    kura_purple

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    チラシの裏

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    七+五

    振り回されるのは嫌いじゃない+甘え下手

    おきなわ食事を終えてひと心地。食後酒の余韻の中、片付けを済まそうと立ち上がるのを見計らったかのように呼び鈴が鳴った。
    「…どうしたんですか?」
    アイマスクで顔が半分隠れているとはいえ、無表情な五条が黙って立っていた。
    「僕、これから出張なの」
    「はぁ」
    「沖縄」
    沖縄と聞いて胸の奥底が少しだけざわつく。遠いあの日、ガラス越しに見た深い青空と真っ白な綿のような雲。あれ以来、縁もなく行く機会も意欲もなかった。
    …だったらなんだと言うんだ。そんな感傷はもう。
    「そうですか。行ってら——」
    「行こう」
    「は?」
    「沖縄」
    嫌だとすぐに断ろうとして、依然表情のない五条が気にかかる。五条が何を考えているかなど分かった試しがないが、もしかしたら、もしかすると、同種の感傷を抱いているのかもしれない。
    お互いあの空の下で一緒に過ごした人はもう誰もいない。
    「私、明日休みなんです」
    「知ってる。航空券も宿も手配済み」
    「初めから拒否権ないんですね」
    見えている口元は来た時と何ら変わらないのに、その眼はアイマスクで見えないというのに、何となく五条が泣きそうに見えて、ため息と共に部屋に促す。
    「せめて片付けをさせて下さい。食器を洗うところだったんです」
    「…うん」
    大人しく七海に続く五条は呼吸を思い出したかのように息を吐いた。
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    ケイト

    DONE同名の曲の雰囲気が自分の思う五七すぎて書きなぐったまとまりのない完全に自己満足の短文です。
    五七は静かな激情を湛えているふたりだなと感じていて。ふたりとも大人で聡明な人物だから自分たちの状況も行く末も見えていて、その上でお互いを慈しみながら今を過ごしていたのかなって思って。でもそうやって悔いのないように過ごしてきたつもりでもやっぱりそのときが来ると苦しいだろうなあ。
    五七に狂わされる毎日です。
    三文小説海風が気持ちいい。隣を見ると以前より少しくすんだ金髪の男が、風で乱れた前髪を整えている。
    「あ〜優秀な後進をたくさん育てておいてよかったなあ。優秀な元生徒たちのおかげで心置きなく毎日ダラダラできるってもんだよ。きっと最強じゃなくなった僕のことなんかみんな忘れちゃってるね。」
    「あなたもおじさんになりましたもんね。」
    虎杖くんたちに会っても気づいてもらえないかもしれませんね、と七海が笑っている。
    「ひどーい!そんなことないでしょ!だって髪の色は生まれたときからずっと白で変わんないでしょ?イケメンなのもずっとだし?年とっても一発でGLGな五条悟だって分かるでしょ!」
    「そうでしたね。あなたはいつまでたっても子どもですもんね。きっと気づいてもらえますよ。」
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