お題「お腹すいたよね」「ねぇ、悠仁。お腹すいたよね」
五条がそう零し、洗い物を済ませた悠仁は「マジ⁉」と声を上げた。
「先生、俺が作った料理めっちゃ食べてたよね⁉」
「うん。大盛ご飯五杯に、お味噌汁は四杯、大根おろしのハンバーグは七個食べて、デザートは悠仁の手づくりプリンを六個食べたよ」
指を折りながら数える五条に、悠仁は腕を組んで頷く。
「だよね! そんだけ食べればもうお腹空いてないっしょ!」
「全部美味しかったよ。まだ物足りないけど」
「あんがと! 先生、今日の任務で呪霊の攻撃受けて……」
「満腹中枢がやられたとか思ってる? 僕がそんなヘマするわけじゃん」
「ですよね! 俺、もう作りたくねぇよぉ~」
「悠仁。今、僕が言ってる『お腹すいた』は胃袋の方じゃないからね」
五条は肩を落として嘆く悠仁の傍に寄ると、彼の腰に腕を回して「それに」と、付け加えた。
「甘党の僕がプリン六個で満足するわけないじゃん。食後のデザートにはならないよ。メインの一部だね」
そう言って五条は服の上から悠仁の腹をそっと撫でる。行為を思わせるようないやらしい手つきに悠仁は体を捩らせるも、腰をがっちりと掴まれていて逃げることはできない。おまけに密着する五条の体が熱くなっていくのを悠仁はまじまじと感じていた。冷や汗が背筋を伝う。
これは本気だ、と理解した悠仁が恐る恐る見上げれば案の定、五条の宙色は爛々と輝いていた。
「あ、もしかして俺を食べるパターン?」
「もちろん♡ 悠仁だってお腹すいたでしょう」
「あ~、空いてないから遠慮しとくわ!」
「遠慮しなくていいから。ほら、早く悠仁も僕のでお腹いっぱいになろうよ」