Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    森野れな

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 🐣 🌻 🍤
    POIPOI 6

    森野れな

    ☆quiet follow

    🏊旭郁Webオンリー展示用の、真ん中バースデーお祝い小話です。

    #旭郁

    【旭郁】真ん中バースデー 九月二十四日。
     どうやら世間では三連休の真っ最中らしい。が、アスリートである自分達には関係のないことだ。今日も今日とて泳ぎ込み、ようやく旭に会えたのは日も暮れたあと。
     練習を終えた旭がうちに来てくれて、今はソファでふたり、のんびりしている。
     部屋の中がやけにしんとしているのは、旭が寝落ちてしまったからだ。規則正しい寝息だけが、そばで心地よく漂っている。
     疲れてる日はわざわざ来なくていいよ。と、付き合い始めた頃は気を遣ったりもしていたのだけれど、今は「郁弥に会えねーほうが無理!」と拗ねられることが分かっているので、余計な発言はしない。それに、僕も旭に会いたいし。
     肩口にかかる重みが愛おしくて自分も頭を寄せてみたら、自然とやわらかい笑みがこぼれた。あたたかい気持ちに包まれていく。
     
    「ねえ。今日、僕たちの真ん中バースデーなんだって」

     ふと声が漏れた。それはさっき日和から聞いた情報で、特に旭と共有するつもりもなかったのだが、思い出した瞬間口から出てしまっていた。

    「え……マジ?」

     旭がもぞ、と動き、肩のあたりがくすぐったい。

    「あ、起こしちゃった。ごめん」
    「いや、それはいいんだけど、そっか、真ん中バースデー……」

     寝ぼけた瞳が何度か瞬き、少しずついつもの輝きが戻ってくる。そして完全に覚醒した直後、旭は嬉しそうに声を弾ませた。

    「その響きいいな! カップルっぽくて」
    「ぽい、っていうか、カップルでしょ?」

     指摘すれば、旭の顔がほんのり赤くなる。

    「お、おう……」
    「なんで照れてるの」
    「うるせー!」

     叫んでからぎゅっと唇を引き絞った旭と、睨み合うようにみつめあう。
     明らかに形勢有利。なのにありえないほどドキドキしている。こちらのほうが照れているということに、気付かないでいてほしい。

    「なー。せっかくの真ん中バースデーだし、何かする?」

     旭は目を据わらせたまま、けれど好きオーラをだだ漏れさせた状態で、顔を近づけながら訊いてくる。

    「何か、って、なに」
    「んー、とりあえずキスとか?」
    「キスは……いつもしてるじゃん」
    「じゃあしねーの?」
    「……するけど」

     一言交わすごとに迫ってくる唇に捕らえられる。いつもしていることなのに、毎回、涙が出そうなほど幸せだ。
     旭とキスをするたび、好きが膨らんでいくような気がする。心の中でもう何度「大好き」と叫んだかわからないし、いまもずっと叫んでいる。


     その後、真ん中バースデーの後祝いとしてデートに誘われた。誕生日当日でもないのにわざわざ祝わなくてもよくない? と訊いてみたが、旭は笑ってこう言った。

    「郁弥との記念日はたくさんあったほうが楽しいだろ!?」

     心の隅々を照らしてくれる笑顔だ。
     そんな旭といると、僕も、すごく楽しい。


    ~旭&郁弥真ん中バースデーおめでとう!!!!~
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💒😭👏👏👏💓💓💓💓💓💕💕🙏🐰👍💕💕💕💒💗💗💗💗💗
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works