無配僕の家系は昔から魔力が存在していた。
原因は分からないけれど、ご先祖さまが魔族だったのかもしれない、らしい。
父さんも母さんも魔力があること以外は普通の人間で、とても研究熱心だった。かがく、の力と、魔力を合わせて、よく色々な道具を生み出していた。
「いい?類。この森の外には出たらダメだからね。魔族に襲われてしまうかもしれないから」
これが、母さんの口癖だった。
でも、その時まだ幼かった僕でも、町の人達に嫌われていて、森に追いやられていることは察していた。
魔力を持つから。普通では無いから。
ただそれだけの理由で、僕たち家族は孤立していた。
本音をいうなら、僕も町で堂々と住み、堂々と研究に没頭したり、三人で不自由なく暮らしたかった。
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