ブルームーンキス「場地、俺のこと好きだろ?」
「はぁ?」
歯を見せて無邪気に笑うその笑顔に身体が熱くなった。
優しい夜風に吹かれながら悪態をつくように返事をして月明かりの中空を見上げる。
今が夜で良かった。顔が紅い気がする。
「照れてんのかよ?俺は場地のこと大好きだけど?」
「…そうかよ?」
「うんっ!」
靡く金色の髪に月の明かりが反射して眩しい。
手を伸ばせば届く距離にいるのに、届かない。
「…マイキー」
「んー?」
「月が綺麗だな」
「……………は………?え…?どっかぶつけたんか…?」
「ぶつけてねーわ、つーか、お前こそ意味わかってんのかよ?」
とは言え、自分も意味は先日千冬に聞いたばかりだった。
直接の言葉でなんて気恥ずかしい。
ふと思い出して口にしてみたけれど、やっぱり気恥ずかしいのには変わらなかった。
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