モブ銀からの土銀日が傾き始め、赤く染る空を反射させた大きな窓ガラスのある洋館を、銀時は目を細めて少し離れた場所で眺めていた。
目の前には雨ざらしにより錆び付いた肩の高さ程ある白い門が訪問者を歓迎するかのように開かれており、誘われるように銀時は敷地内へ足を踏み入れる。
門をくぐると玄関まではレンガ調の道が続き、それを一歩でも踏み外そうものなら連日降り続いた雨によってぬかるんだ土で靴が汚れてしまう。
道に沿って慎重に歩くと、両開きの玄関扉まで辿り着き、改めて近くで建物を見上げてみる。
築約20年はあるだろう物件は二階建てで、外国の家をモチーフに建てられた今どき珍しい洋風な外観。
建てたばかりの時は綺麗だったろう薄黄色の外壁には雨だれが滲み、緑色のオシャレな瓦屋根は老朽化により一部が剥がれ落ち、地面に転がっている。
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