僕が愛を知る物語"俺様"の最後の記憶は俺様に杖を向けるあの憎たらしいポッターの顔だった。
「リリー逃げるんだ!奴が」
「ジェームズ」
俺様基"僕"が記憶を思い出した時、隣には見た事のある顔。そして目の前には母親らしき人物。目の前で死の呪文をくらい死んでしまった。この時僕には何か分からない気持ちが芽生えた。そして僕達に近づいて来たのはかつての俺様だった。
俺様は僕たちに死の呪文をかけたが母親の魔法のおかげか俺様は散り散りになってしまった。
それが僕リゲル・ポッターの最初の記憶。
目を覚ませば先程の家ではなくどこかの家の玄関だった。
なぜ、このようなことが起きているのか僕にはわからなかった。しかしにくきポッターが近くにいることを好機に僕は彼を殺そうと呪文を唱えようとした。
しかし...
「う!」
今にも殺されそうなのにも関わらずハリーは僕の手を握りしめニコリと笑った。その笑顔を見たら...どうしてだか殺そうと思った気持ちが消えたのだ。
全くかつての僕ならありえないことだ。そう自分に呆れながら僕はキーキーうるさいおばさんといとこの家で暮らしている。
正直マグルと暮らすのは嫌だった。しかし、今殺しても誰も僕らを育ててくれるやつがいなくなる。せめて自分で歩くことが出来るくらいまでは待ってやろうと思った。
ここに暮らして約4年。結論から言おう、ハリーはめちゃくちゃ可愛い。なぜだ?!前世ではめちゃくちゃ憎んだのに、ハイハイしながら僕の後ろへついて行ったり、にーちゃ?なんて可愛い声出して...胸がキュンとなる。この感情にはなんて言葉をつけたらいいのか分からないあぁ、あれだ!蛇を見ていると同じような気持ちになった!これも同じことなのか!?
(それを世間では尊いというのですよマイロードBy作者)
そんなことを思いながら、僕はハリーをいとこの豚基ダドリーから守っていた。本当に何度も殺そうかと思ったことか...あとあの巨人基バーノンあいつは許さない。なんてったってハリーの胸に蹴りを入れたのだ。おかげでハリーは肋骨を折っていた。まぁ、エピスキーで直したが...
そもそも、ここの家は魔法という存在自体を嫌い、僕たちを化け物だと扱い蹴りを入れる。ハリーの魔力暴走が出てきてからこれは酷くなっていった。もう我慢の限界だ。よし、あいつら殺そう...死の呪文なんて生ぬるい、弟であるハリーに手を出した時点で貴様らの命運は尽きているのだ。
そうだ、夜にでも!と計画に手をかけようとした時ピンポーンと呼び鈴がなった。
ペチュニアが出迎えると驚いた声が聞こえそして彼女のないている声が聞こえた。
しばらくして、ペチュニアとともに来たのは1人の女だった。
「お前たちに話があるそうよ」
そう青ざめた顔でペチュニアはリビングの奥へと行ってしまった。
とりあえず座ろうかと言われテーブルに座る女と僕たち。
この女は何が目的なのだろうか、ハリーに何をするつもりなのか。リゲルは前世のこの頃でもよく孤児院のガキともにかけていた開心術をかけたが女はしっかりと閉心術をかけており記憶を見ることは出来なかった。
「おっと、もうこの年で開心術をかけられるのか」
「「開心術?」」
ハリーと同時に答える。あくまで僕の設定は魔法を知らない一般人の子供だ。
「そう、人の心を覗ける術さ。でもこの術は使い方によっては善にもなるし悪にもなる。」
「......」
「?」
「ふふ、難しかったかな?このことはおいおい話そう。自己紹介が遅れたね。私の名前は、ハリエット・ポッター。君たちの父さんジェームズ・ポッターの妹。君らのおばさんだよ。」
「おば...さん?」
「......」
リゲルは頭の中でずっと考えていた。前の世界ではこのようなやつはいなかったからだ。
(何を考えているんだ?死食いにんか?でもこんなやつはいなかったはずだ。ましてやポッターなんて...)
「私はある事情でついこの前まで厄介な病気にかかってね、ついこの間医者に外に出ていいと言われたんだ。ジェームズ達がなくなってから君たちのことは気がかりだったんだ。」
「病気?」
「.........」(ますます怪しい......)
「そうなんだよ...それでね今日、チュニーにあっ、ペチュニア義姉さんに君たちのことを相談しに来たわけさ」
「相談?」
「......?」
「ハリー、それにリゲル。君たち私と一緒に住んでみないかい?」
「「えっ?」」
「これは私の提案なんだけど...あの狸ヴヴン
ちょっと知り合いのおじいちゃんがねここにね強力な守りの魔法をかけたの」
「魔法?」
「魔法はねさっきの開心術もそうなんだけどこの世にはね魔法を使える人間がいるんだよ。」
君たちもね?そう言ってハリエットは花を手のひらに咲かせた。ハリーはそれを見て目をキラキラと輝かせていた。
(忌々しい、あのじじいの結界かこれは...
待てよ?こいつ、今あのじじいをたぬきとか言おうとしのか?ポッターの癖に?)
リゲルは気づいていた。マグルのくせになぜこのような結界がはられているのかを...
「話を戻そうか、そのおじいちゃんがね君たちを守る魔法をこの家にかけたのさ、この魔法は血縁者ならば発動するようになっている。私はこの体だったからわ・ざ・わ・ざ気を使ってあなたをチュニーの家に置いたらしいのよ。でも、私の病気はもう治ったから君らを預かることにしようかなと思ってここにね来たのだけれど...どうかな?」
「.........」
(なぜだか、わざわざのところ悪意が籠ってた気がする。この女に何したんだ?あのじじい)
そう思っていてもこれは好機だ。この女が何の目的で僕たちを連れ出そうとしているのか分からないが万が一あれば殺して逃げればいいこと。早くこの家から出てハリーに物を食べさせないと痩せて死んでしまう。
「僕はハリーがいいならいいけど」
「......僕...」
「ゆっくりでいいよ?」
そう言って女はハリーの頭を優しく撫でる。
頬を赤く染めながら彼は答えた。
あなたの元に行きたいと......
それからというもの行動は早かった。早急に荷物をまとめ、巨人や豚に別れを告げた。女基ハリエットはおばさんに二言三言行ってから僕たちの腕を掴んだ。
「少しよってしまうかもしれないけど我慢してね?」
そう言ってハリエットは姿くらましをした。
着いたのはとても大きな豪邸。
「ようこそ、私のお家へ」
「「.........」」
あまりの大きさにハリーは口をパカーッと開けて目をきらきらとしていた。
「まずは、お風呂に入りましょうか」
そうハリエットは提言してきた。
まぁ、見た目は少し小汚いボサボサ頭の少年2人が並んでいるように見えるだろう。ハリーはお風呂であまりいい思い出がないので(ダドリー関係で)あまり好きではない。
「えっと...あの」
「ハリー、僕と一緒に入れば大丈夫だろ?」
「...うん」
「ふふ、もしかしてお風呂怖かった?」
コクっとハリーは返事をする。
「じゃあ、一緒に入りましょうか」
「えっ?」
「......」(まてまてまて生娘が、簡単に裸を見せていいのか!?)
「大丈夫、何もしないよ」
そう言って彼女はハリーを抱き上げ、僕に向かって手を差し出した。
「リゲルも一緒に行こう?」
「......」
僕は諦めて素直に手を握った。
(もし、ハリーに何かあればたまったもんじゃないからな。この女の動向も気になるし...)
リゲルは用心深く彼女を見ていた。しかし、彼女が僕に向ける目がとても優しくて時々目を奪われるようになってしまった。そして同時に疑問が浮かんだ。
(なぜ、このように優しくしてくれるのか...)
僕の容姿はおそらく母譲りの赤髪となんの因果なのか赤い目をしていた。そのせいで前世同様化け物だと扱われた。ハリーも魔力を暴走させることがあったので同様に扱われた。
(そうか、あのポッターもこのような身の上だったのか...)
前世で俺様を殺したにくきポッター、まさか彼もこのような状況で暮らしていたとは誰も思わないだろう。だから私は、この子をハリーを守ろうと思ったのだ。
「ゲル...リゲル?」
「はっ!」
「どうしての?大丈夫?」
「う、うん」
どうやらずい分考え込んでいたようだった。
お風呂に向かっている間、ハリーは初めて抱っこされたのでとても嬉しそうだった。
ダドリーのお下がりの服を脱ぎ3人はお風呂に入った。
「まずは、ハリーから洗いましょうか」
その前に、そうハリエット入って杖なし無言呪文でハリーの傷を消し去った。一瞬にして消えた傷を見てハリーはとても驚いていた。
「すごい!これも魔法なの!?」
「そうだよ。詳しい話は後でね?ほら、リゲルもおいで」
そう言って彼女は僕をこちらに呼んだ。なぜだか抗えることも出来ずおずおずと近寄ると彼女は傷を癒した。このぐらい僕でもできるが豚と巨人にバレないためにも残して置く必要があったのだ。
ハリエットはハリーから順に体と頭を洗った。初めは拒んでいたハリーだが優しく洗っていることに気が落ち着いたのか今ではハリエットに寄りかかっている。
「どう?気持ちいい?」
「うん!」
「それは良かった。...よしハリーは終わりだね。リゲルおいで」
またもやおずおずとちかずくと彼女は慣れた手つきで体と頭を洗い始めた。
初めての感覚だった。誰かに洗ってもらえるなんて1度もなかったから...
「痛くない?」
「...ぅん」
この気持ちはなんというのだろうか......
リゲルも洗い終わりだだっ広い浴槽に3人は入った。
ハリーは初めての暖かいお風呂にとても驚いていた。無理もないダーズリー家では水風呂がほとんどだったからだ。
ハリーはハリエットの膝の上に座り彼女に寄り添っている。僕は少し離れたところで湯につかった。
「ハリエットさん...」
「ハリエットでいいわよ。それに好きに呼んでくれても構わない。」
「じゃあ...ママって呼んでいい?」
ハリーは少し顔を赤らめながら言った。
(おいおい、急にあった女の人にいきなりママはないだろ、それにこいつはどんなやつなのか分からないんだぞ!?)
リゲルはハリーの危機感の無さに頭を悩ませた。
一方、ハリエットは目をキョトンとさせ次の瞬間あの優しい目をハリーに向けた。
「えぇ、いいわよ。...リゲルも気軽に呼んでくれていいからね?」
「......」コクッ
「あのね、ママ。お腹の怪我痛くないの?」
ハリーが指を刺したのは彼女のお腹にある大きな傷跡だ。
(ハリィー、女性に傷のことを聞くのはイギリス紳士としてなってないぞ!?)
またもやリゲルは頭を悩ませる。
「ふふ、心配してくれてありがと。もう何年も前の怪我だからね痛くはないよ。」
そう言いながらなぜだか僕の頭を撫でた。
「強いて言うなら、立派な勲章かな?」
「「?」」
「ふふ、でもハリー?女性に傷のことを聞くのは紳士としてはダメな事だよ?気をつけなきゃね?」
「ビクッ!......ごめんなさい」
ハリーは怒られたかと思い体を強ばらせた。
「あぁ、ごめんなさい。怒ってはいないのよハリー。ハリーが知らないことを教えただけなの。泣かないで...」
ポロポロと涙を流すハリーの涙をハリエットはすくった。それでも耐えきれず、少し離れた兄の所へと抱きついた。
「にいちゃーん」
「なんだよ。急に...」
「ふふ、ごめんなさいね。」
僕はじろりと彼女を見た。
彼女はあらあらと可笑しそうに口元を抑えて笑った。
「本当にごめんなさいハリー。怖い思いさせたね。」
「エッグ、いえ、...あの...こちらこそ...泣いて...ごめんなさい......」
リゲルは顔を曇らせた。ダーズリー家では泣いてでも怒られていたからだ。
「あら?なんで謝るの?」
ハリエットは不思議そうにこちらを見た。
「子供にとって、泣くということはひとつの感情表現でもあるのよ。嬉しかったり悲しかったり怒ったりした時だって涙が出るもの。ハリーのその涙が出ることはおかしくないのよ。もちろんリゲルもね。」
そう言って彼女はハリーの頭を撫でてから僕たちをいっぺんに抱きしめた。
「「うわっ!」」
「......謝るのはこちらの方よ。ごめんなさいね。私があんな失態をしなければ君達は家族と一緒に暮らせていたのに...」
「えっ?...」
「?」
ハリーには何も聞こえなかったのかキョドりとしていたけど僕にははっきり聞こえた。
『でも、大丈夫。あなた達は絶対に守る。あのたぬき爺の思惑に載せられてたまるものですか。』
今度は心の声が聞こえた。こいつわざと閉心術を解いたな。
でもその声は心の声。本心の声。彼女は僕が口から出る言葉を信じないと知っていて会心術を受け入れた。なぜだか、その言葉には強い思いがあるそのように感じられた。
お風呂にあがり、ハリーと僕は新しい服基彼女の服を着た。
「新しい服は明日買いに行きましょう。」
ハリーはそんなのこれだけで十分ですとキョドりながら言った。
「私からのプレゼントだも思って?ダメかな?」
「っ!...うんん!ダメじゃないありがとうママ」
あぁ、どうやらハリーはすっかり彼女に絆されたようだ。
「もちろん、リゲルの服もね」
そう言って彼女は僕とハリーの頭を撫でてご飯の準備をした。
待っている間ハリーは僕に話しかけてきた。
「ねぇねぇ、兄ちゃん。ママはいい人だね」
「お前はな、そんなに早くあの人のこと気に入るのはいいがもっと警戒心はないのか?」
「えへへ、ごめんなさい。でもね、僕はわかるんだ。ママは嘘をつくような人じゃないって。」
「なぜ?」
「だって、僕たちを優しい目で見てくれるでしょ?僕はなぜだか分からないけど、ママと同じような優しい目をしたおじちゃんが記憶の中にあるんだ。でもそのおじちゃん目は優しいはずなのにちっとも心がこもっていないんだ。でもママの目は違う。僕らを包み込むような暖かい目だよ!」
おじちゃんとはあのじじいのことだろう。まぁ、やつの目には四六時中会心術をかけているだろうからそう見えたのだろうな。でも、ハリーの言うことはわかる気がする。ハリエットの見る目は...自分の中では出てこない言葉のような目をする。悶々と考えていると彼女が器を持ってきた。
「おまたせ!」
出てきたのは、リゾットのようなものだった。
「卵がゆだよ。まずは体に優しいものからとっていかないとね。」
彼女が出てきたのは暖かい粥?というものだった。匂いは食欲をそそるが何が入っているか分からないためリゲルは警戒した。しかし、ここには警戒心がない奴が1人いる。
警戒心がないやつ基ハリーは卵がゆをパクリとひとくち食べた。
「ハリー」
「ヴッ......」
きさまぁっ!と言いかけたところでリゲルの腕は止められた。
「ハリー!?大丈夫か?どくか?毒盛られたのか!?」
「っ!......お」
「お?」
「美味しい」
「......」ズコッ
「そう!あってよかったわ。」
「ねぇねぇリゲル美味しいよ!?」
「.........」
本当に大丈夫なのだろうか...薬でも入ってないだろうか......そう思っているとハリエットは行った。
「心配なら私が食べてから食べさせようか?」
「えっ?」
「急に知り合ったおばさんにご飯渡されても警戒しない人はいないものよ。まぁ、1名は覗いて...」
そう隣を見るとはてなマークを飛ばしながらバクバクとダドリー並に食べているハリーだった。
(くそう、可愛いなちくしょう)
今一度言おう、リゲルはハリーの一つ一つの行動に尊さを感じているのだ。
「まぁ、何も入れてないんだけどね...」
そう言いながら彼女は僕の皿に載せていた粥を一口食べて飲み込んだ。数秒だって異変はない。
「はい、リゲル。アーン」
「えっ?」
「ほらほら、こぼれちゃうよ?」
(うぅ、背に腹はかえられぬ...)
リゲルは目をつぶりながら粥を食べた。
食べた瞬間おもった言葉それは美味しいだった。今まで、どんな食事を食べてもこのような感情にはならなかった。胸の当たりが暖かくなるようなまるでフェリックスフェリシスでも飲んでいるかのような気分。まさか本物が入ってないだろうな!?いや、でもなんだろう?薬とは違うような...それに薬が入っているなら1発でわかるし...
「どう?美味しい?」
「あっ、......」
しばらく顔を下げていたようだった。早く言葉を言わなきゃ......そう思っているのに...何故か言葉は出ない。代わりに瞳からポロリと何がこぼれ落ちた。涙だった。
「あれっ?......なんで?」
何度も涙を擦ってもポロポロとこぼれてくる。
泣くな、ダメだ。僕には罪の記憶がある。そんな簡単に人の前で泣いては......
あぁ、でもこの胸に広がる温かみは...かつての自分が知りえなかった物。
これが"愛"か...
なんとも暖かく、幸せな......
そう思っていると涙は止まらなかった。何度も何度も目元をおおっても涙は止まらない。ハリーもスプーンを持ちながら大粒の涙を流している。
そんな時、2人に抱きついた者がいた。
ハリエットだった。
「辛かったね、よく頑張った。ここには君たちを傷つけるものもいないよ。我慢しなくていいんだ。ほら、聞いている人は私だけしかいない。」
その言葉を聞いてか2人は泣き出した。片方は大声で泣き、片方はなにかに懺悔するようにすすり泣いた。
2人が泣き止むまでハリエットは2人を抱きしめ頭を撫でた。
ハリーは泣き止んで寝てしまった2人をベッドの上に寝かせた。泣いて腫れた目を魔法で治し布団をかけさせた。
ふと、その場を離れようとした時裾が引っ張られた。
「なんで......」
「?」
「なんで、僕を愛してくれるの?」
「それは君だからだよ。リゲル。」
「...でも、僕は数え切れない罪をおかした。なのになんで?」
「それはどういうことかな?」
リゲルは泣いたせいか口が饒舌になっていた。そのため自分には闇の帝王の前世の記憶があることをハリエットに教えた。
「僕は、闇の帝王の前世の記憶がある。それでもあなたは僕を愛せるの?」
彼女はふふっと笑った。
「知っていたよ...」
その言葉を聞いた瞬間僕の耳から音は消えた。
「君が、トム・リドルの記憶があることをね。もとより、"僕"も記憶持ちだから。」
そういった彼女は前世のハリー・ポッターと姿が被った。
「(そうか、あなたがあのハリーだったか)...じゃあなんで殺さないの?」
ハリエットはキョトンとした。そしてニコリと笑って頭を撫でた。
「リゲルはリゲルだろ?私の大事な愛しい甥っ子。そこに闇の帝王の前世の記憶があったとしても今の君はリゲルだ。帝王は君自身ではない。」
だから君はまだ何も罪を犯してない。幸せになっていいんだよ......リゲル。
その言葉を聞いてまたポロポロと涙をこぼした。
「僕は許されていいの?知ってしまったこの感情を受け入れてもいいの?」
「いいんだ。いいんだよ"トム"。君はこの世界で味わうといい。君が得られなかった感情を、そして家族という名の幸せを...」
「ゔん...」
リゲルは、ハリエットのシャツを思いっきり握り締め胸に顔を埋めた。胸の辺りから暑いものが染み渡る。リゲルは終始ハリーを起こさないように静かに泣いていた。
リゲルが泣き疲れ眠りに着いたがハリエットのシャツを離さなかったためハリエットは2人のベッドに入り布団をかけ直し一定のリズムでお腹をポンポンと叩きながらお休みのキスを2人にした。
「Goodnight、リゲル、ハリー。あなた達に祝福がありますように。」
そう言ってハリエットも目を閉じた。