含光君は〇〇がお好き?「いや、阿湛の方が可愛い!」
きみこそ、いやお前こそ、と何度か言い合い、二人は顔を見合わせて笑った。その笑顔があまりにも可愛くて、小さな体を抱き締めてやれば、苦しいのか何度か胸を叩かれる。幼子の力はそう強くない、と思いきや、予想より強い力で叩かれて咳き込んだ。藍氏特有?の馬鹿力は健在らしい。
慌てて腕を解くと、阿湛はそれはもう完全に拗ねていた。幼い彼は感情がよく分かるから、つい揶揄ってしまうのだ。
「このからだはふべんだ。きみをだきしめられない」
「藍湛はいつも俺を甘やかしてくれるからな。たまには哥哥に甘えてくれよ、阿湛」
袖からほっそりした腕を出し、魏無羨の背に回そうとするが届かない。三歳の体は大人と勝手が違うからだろうが、そんなところも微笑ましかった。
藍忘機も魏無羨も人々が思い描く『幸せな家族』の形をぼんやりとしか知らない。幼い頃に両親を亡くした自分とは違い、彼には父がいたが、環境故に甘えることすら出来なかったはず。藍忘機を可愛がっていた母も若くして他界している。
魏無羨を甘やかすのは得意でも、甘えるのは慣れていないに違いない。
何を思ったのか、阿湛は魏無羨の襟を寛げ、胸元を露わにするとぱくりと赤く尖るそれを口に含んだ。飴のようにしゃぶられると堪らなく気持ちがいい。無意識に背を反らせたことで小さな唇に強く食まれ、抑えきれず嬌声が漏れた。
舌で転がされ、やわく嚙まれると目の前が真っ白になり、何も考えられない。その上、膝に乗った阿湛の足が衣の上からやわやわと魏無羨自身を刺激する。
「うぇいいん、きもちいい?」
「あ……そのまま喋るな。三十五歳の阿湛は……ん、乳が欲しいのか?」
「うん、ほしい」
阿湛が喋ると当たる歯の角度が変わり、吐息が濡れた乳首をくすぐった。ぬるま湯に浸かり、とろ火で炙られたかのように体が弛緩する。
毎夜愛された体は快楽に従順だった。そして彼自身も恥知らずであったので、道侶から与えられる愛撫を全身で享受する。
びくびくと体が震え、触れられていない後ろが疼いた。堪らず尻を動かせば、こちらに集中しろとばかりに残る片方の胸の飾りをねぶられ、小さな手で抓られる。幼子に吸い付かれたそれは赤く腫れあがり、唾液で濡れててらてらと光っていた。
まだ朝も早いのに色事に耽り、幼子の姿をした藍忘機に胸を弄られて感じている。夢中で魏無羨の胸を揉み、吸い付く姿はあまりに淫靡だった。
赤ん坊が母の乳を求めるのとは違う。緩急自在に動き回る舌は、どうすれば魏無羨が啼くのか知り尽くしている。