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    pagupagu14

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    pagupagu14

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    過保護/キスディノ(🍺🍕)
    前のワンドロで過保護書きたかったけど書けなかったから今更書きました。少しシリアス?かもしれん…

    #キスディノ
    kissdino

    過保護 キスディノ

      『イクリプス反応確認。近くにいるヒーロー直ちに現場に急行して下サイーー』
    そんな通信が聞こえ俺は急いで向かう。今日は俺はパトロールはお休みに休日…ではなく月イチ行われる検査の日だった。念のための検査であるのだが今日は何故かヴィクターさんに『出来るだけサブスタンスを使わないように』と言われていて、だからこそ本来なら向かうのはいけないことないのだと分かっていた。けれど、そこに困っている人がいて、敵がいる。ならばヒーローとして駆けつけないわけにはいかなかった。例えサブスタンス能力が使えないにしてもそれによって向上された肉体能力もある。
    「よし、急ごう」
    そう決意を固めた俺は現場へと急いだ。
    ***
     「危ないっ!」
    市民の子供助け、逃すと俺は苦笑いを向ける。一般イクリプスと変わらない犬型兵士と人型兵士達。今、サブスタンスを使うことができない俺が相手にするには多すぎる数だった。
    (って、言ってもやるしかないか…)
    にひ、と笑う顔はきっと空元気でしかなかっただろうが。
    ***
     地を蹴り、人型兵士の顔面を潰す。機械オ音と煙を上げながら膝をつく兵士を横目に犬型兵士の腹部を踏みつけるようにして穴を開ける。何体倒したかは、もう忘れてしまった。能力さえ使うことが許されたのならば一瞬でこんな敵、片付けられたのだろうが今の俺にはそれができない。増援も一向に来ない。
    (このままじゃ、俺がやられるな)
    一度距離を取ろうとした判断が悪かったのか、隙を突かれ鳩尾に蹴りが入れられる。
    「うぐっ…」
    一瞬の隙を叩くように群がるイクリプス達。だからってやられるわけには行かず、地面を蹴り砂をかける。が、そんなのも一人では全員を目眩しさせるには至らず背後から叩かれてしまう。
    「ガッ……う、ゲホッ……」
    口から血が吐き出される。血の味がした。それでも負けられない。俺が負けたらきっと市民達がーー、そう考えるとゾッとして何度でも立ち上がろうと思う。そう、した時だった。聞き馴染みのある、そして切羽詰まったような…殺気立った声が聞こえた。
    「ディノ!」
    「キー…スぅ…?!」
    ぐいっと、キースの力によりキースがいるところよりも後ろに引っ張られる。
    「あぶな、大丈夫?ディノ」
    俺を受け止めたのはフェイスでホッと息を吐く。
    「はは、まあ…大丈夫かな?」
    「もう…おチビちゃん、キースのとこ行って。俺はここでディノを見てる」
    「言われなくても行くっつーの!」
    キースはサイコキネシスで次々と敵を捻り潰していき、ジュニアはそれを補助するような形で雷を打っていく。いいチームだな、と思いながら俺はフェイスに支えられながら息をするのがやっとだった。
    ***
     「キースにジュニア!それにフェイスもお疲れ様。そしてありがとう!いや〜実は検査の後サブスタンスを使うなって言われててさ〜」
    困った困った、と笑うとあのなぁ…と言ってジュニアが顔を顰める。フェイスもやれやれと言ったように息を吐いているがキースだけが視線を逸らし煙草を吸いながらうんともすんとも言わなかった。
    「……キース、報告書。俺が書いておくからさディノの付き添いしてきなよ」
    「え?」
    「心配なんでしょ、バレバレ。ほらおチビちゃんも行くよ」
    「あ、おいっ、待てよ!」
    さっさと歩いて行ってしまうフェイスとジュニアに心の中で感謝しながらキースの方を見る。
    「キース!」
    「…いくか」
    「…ああ」
    未だ表情は読み取れない。怒っているのか、それとも泣きそうな顔をしているのか。それがきっと俺のせいだと分かるからますます胸を俺は痛めてしまうのだ。
    ***
     あの後、医務室に寄って暫しの検査の後、キースと馴染みのピザ屋によって夕食を取って部屋に戻った。キースの後にシャワーをもらった俺は部屋に戻ると未だ意気消沈しているように見えるキースを声かける。
    「キース」
    名前を呼んでキースが座るベッドの隣に腰掛けるとゆっくりキースの顔が上げられた。
    「ディノ…」
    泣きそう、いやきっと泣いたのだろう。目を赤くして、縋るような顔をしたキースに何も言えなくなってしまう。
    「…大丈夫、なんだよな?今はどこも…」
    「ああ、異常なしって出たのキースもこの目で見たし聞いただろ?」
    「ああ、けど…」
    ひとつ、ふたつとキースの瞳から涙が零れ落ちる。
    「怖かった、怖かったんだよ…また、お前のことを失うのかって思うと…オレは……オレ…」
    「うん、ごめん…ごめんな…」
    頭を撫でても涙は止まりそうにない。
    「…お前に謝ってほしいわけじゃねぇんだ。ただ、自分の不甲斐なさに…嫌気が差しただけで」
    「…俺はお前にそう思ってもらえるだけで嬉しいよ。出来るだけ心配はかけないようにするけど、絶対怪我しないとか心配かけない、とかは職業柄言えないしな」
    「ハハ、そうだな…互いにな」
    弱々しい瞳にいつもの光は未だ戻らない。
    「ーーよし!キース、小指を出してくれ」
    「小指?何すんだよ…」
    「まあまあ、見てろって」
    不思議そうに小指を差し出すキースに自分の小指を絡める。驚いたように目を丸くさせるキースに以前、ブラッドに教えてもらった歌を歌う。
    「キース。俺は約束するよ、お前のそばから離れないってことを改めてさ」
    「…何を、突然」
    「ゆーびきりげーんまん、うそついたらはりせんぼんのーます!ゆびきった!」
    突然の歌に驚いたのか、キースは数回瞬きをした後息を吐いた。
    「何だよその物騒な歌は…」
    「ブラッドに教えてもらったんだ。ジャパンで昔から歌われてる歌なんだって、約束する時に歌うんだとか…」
    「へぇ…」
    「だから約束!」
    にひ、と笑うときゅっとキースはさらに指を絡めてくる。
    「なんか、いいな…これ」
    「ん?」
    「俺の指とお前の指が絡まって、繋がってるみたいだ。ま、赤い糸は薬指だけどよ」
    ふわ、と笑う顔に元気が戻ったように思える。
    「ほんと、キースは過保護だな〜」
    わしゃわしゃ、と髪を撫でると恥ずかしそうにキースは顔を赤くさせた。
    「誰のせいだよ、誰の…」
    「うーん…誰だろ?」
    「ラブアンドピース星人でピザ大好きマンのお前しかいないだろうが、ディノ」
    「はは、困ったな〜俺ってば愛されてる?」
    「愛してないわけないだろうが」
    珍しい言葉に口を閉ざしてしまうと笑ったキースに唇を塞がれる。少し辛く、涙の味がする。
    「もう一回、約束させろ。俺も、お前といることを。そこがどんな場所だってお前といて…お前を守るって約束する」
    指を絡め、もう一度約束の歌を歌う。
    俺は思う。
    小指だって、薬指だってきっと俺たちの赤い糸は繋がってると。俺たちの運命は繋がっていると。そうじゃないときっと俺は今、ここにはいないだろうから。
    -Fin-
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    pagupagu14

    DONE居ていいと、言ってくれる人。 キスディノ(🍺🍕)
    ワンピのアーロン戦の地味なパロ。キースvsシリウスです。前後は特に考えてません
    居ていいと、言ってくれる人。 キスディノ

     「ここは…」
    辛うじての生活用品はあるが質素すぎる人が暮らしていたことなど思わせない部屋にキースが声を漏らすと目の前のこの世のものとは思えないほど儚げで人間離れした男は口元に弧を描いた。
    「ああ、ここはディノの部屋だよ。かつて、彼が起きて寝るを繰り返していた部屋」
    「な!」
    淡々と言われた事実にキースは呆然としてしまう。だって、キースの思い描くディノと結びつかないほど何もないのだ。ベッドと冷蔵庫とランプ、着替えが入っているのだろうクローゼット、そのような生活必需品以外何もない。信じられない、と言うように口を開けたままのキースにシリウスは笑みを返した。
    「本当に残念でならないな。ディノは良い働きをしてくれたーー良い、【道具】だったのに」
    「……ーーは?」
    ドスの効いた声がキースの口から漏れ出た。それと同時にミシミシと家具が、壁が床が音を立て壊れていく。
    「…驚いたな、君にそんな力があったなんて」
    「…何て言った?」
    「うん?」
    「【道具】、だと…?」
    洗脳されていたとは言えディノが仲間がそんな風に思われるのはキースには耐えられなかった。ま 1498

    pagupagu14

    DONE #キスディノ版ワンドロライ報告会
    @KD_1drwr
    お花見(桜)/誕生日 で書きました!
    ※ブラオスのブラッドとキースが会話するシーンがあります
    Will you marry me ? キスディノ


    誕生日に結婚うんぬんかんぬんの話書いてしまうのが私の性癖というか好きなシチュエーションだよなって書きながら気づきを得ました。
    Will you marry me  キスディノ

     (楽しそうだなぁ…)
    安っぽい缶ビールを飲みながらキースの口元は弧を描いていた。
    今日はディノの誕生日、最初はジュニアの提案でサプライズで祝おうかなんて案も出ていたのだがそれを下げさせたのはキースだった。ディノはサプライズをするのは好きだがされるのは苦手とする人間だった。それこそ上手に隠し通せたのなら問題はないのだがジュニアやキースと言ったメンツがいるなら上手く隠すことは不可能で、それで変に避けられてディノが傷つくことが目に見えていた。だからこそサプライズをやめ、ディノにどんな誕生日パーティがいいのか聞くことにしたのだった。するとディノは「お花見パーティーがしたい!」なんて言うものだから今日がディノの髪と同じような薄ピンク色をした花びらを散らせる木の下、集めるものだけ集まってパーティーを行なっている。ディノが好きなピザと少しのサイドメニューと共に。視線の先にいるディノは多くの仲間たちに囲まれて楽しそうに見えた。
    「そばに行かなくていいのか」
    「…ブラッド」
    キースの横に座り同じようにビールを飲む姿を似合わない、と思いつつキースは少 2200

    pagupagu14

    DONEHERO/キスディノ(🍺🍕)
    あんまキスディノ要素ないけどキスディノオタクが書いてるのでキスディノです。ワンピースの映画ストロングワールドの地味なパロ。ディノを助けに行くキースの話です。
    キスディノにおいてルフィはキースでナミはディノやと思ってる節ある。結構関係性は反対するけどね
    書きたい所を書きたかったシリーズなので突然始まって突然終わる。
    HERO キスディノ
     ガッ、ゴスッと蹴る音と共に桜色の髪が揺れ床に転がされた。けれど空色の瞳は諦めなど微塵も感じさせない色をさせ敵を睨みつけていた。
    「…あの子達を解放しろ」
    「ま〜だそんなこと言ってんのか?自分と似たような能力を植え付けられたからって親近感でも湧いてんのかぁ?それで巻き込まれてこんな目に遭ってるなんて世話ねぇよなぁ」
    下品に笑う男たち。ディノは歯軋りをするしかなかった。自分と同じような動物化のイクリプスを幼いながらに植え付けられた子供たち。自分の環境がいかに運が良かったかを知り、人身売買されそうになっている子供たちを放ってなどおけなかった。ヒーローとしても、ディノ・アルバーニ個人としても。しかし色々と誤算が重なり、サブスタンス能力を使えないようにする枷を嵌められ今はいたぶられることしかできなかった。
    頭の片隅で考えるのは子供達のことと、自分の隠した言葉を親友は、相棒は聞いてくれただろうかという不安ばかりだった。
    (いいや、信じよう。だって、あいつは…キースはーー)
    と、突然建物の入り口…扉が前兆などなくへこみ出す。
    ベコ、ベコ、ベコベコッ!
    そんな不吉な音を立て次に 1781

    pagupagu14

    DONE四年分のラブレター/キスディノ(🍺🍕】
    https://twitter.com/pagupagu14/status/1373273751844843522?s=21の続きです。
    #ディノ・アルバーニ生誕祭2021
    #ディノ・アルバーニ誕生祭2021
    四年分のラブレター キスディノ
     「『桜の木の下には死体が眠っている』」
    「は?なんだそりゃ」
    「ジャパンで言われている言葉だ。だから桜は見事に咲くらしい」
    「へぇ…おかしなこと考える人間もいるもんだな」
    「でも、なんか怖くないか?それって」
    「怖いとか言う柄かよ、お前が」
    「キースひどい!」
    「ふっ…まあ、そうだな。ゾンビが出てきたりでもしたらたまったものではないからな」
    「ブラッドまで…」
    「まあ、そうなった時は守ってやるから安心しろ。ディノ」
    「ブラッド、てめぇ…」
    「なんだキース、言いたいことがあるなら言えばいい」
    「なんでもねぇよ〜」
    ***
    なんて、話をしたのはいつのことだっただろうか。桜が咲きだすといつもディノは花見をしに行こうと言ってじゃあ時期も近いのだからといつもディノの誕生日は花見を行くことが俺たちの間で恒例となっていた。
    それから、ディノが死んだと知らされ桜を見るたびブラッドのあの言葉が思い返されてならなかった。
    桜の木の下に死体が眠っているというのなら、こんなに同じような色の花を咲かせるのだからディノが下に埋まってやしないかと良いに任せて掘り起こそうとしてブ 1628

    pagupagu14

    FUJOSHI SAW #キスディノ版ワンドロライ報告会
    @KD_1drwr
    【煙草】で書かせていただきました!
    ディノの喫煙者描写注意です!
    煙草 キスディノ
     「おわ、驚いた…」
    「あ、キース。お疲れ様!」
    「お、おお…おつかれ…」
    喫煙所に入ったキースはいると思っていなかった人物、ディノがいたことに驚き目をぱちくりとさせた。ディノはスマホを弄りつつ煙草を吸う手を止めずにいてそれがまたキースを驚かせた。
    「お前が煙草吸うなんて知らなかったな」
    「はは、本当はキースにだけは知られたくなかったんだけどな」
    「…どういうことだ?」
    「ええっと、白状するとさ。俺って四年のブランクがあるだろ?記憶も、他にもさ…ブラッドもそうだけど特にキースは俺の知らないところがたくさん出来てて煙草もそうだし、お酒だって、他にも…だから近づきたいと思って始めたーー呆れるか?」
    照れたように笑うディノにキースは何も言えなくなってしまう。そういえばディノの吸ってる銘柄は自分のと同じような気がするし、それが自分のため…いや、せいだというのは酷く落ち着かなく嬉しくなってしまうのだった。
    「…呆れねえし、嫌でもねぇ……むしろ」
    嬉しいという言葉は言わずともわかっているようでニコニコとディノは笑った。
    「むしろ、なんだ?」
    「分かってんだろ…」
    「でもキースの 1204

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