Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    リラ猫

    @Liyracat_Om
    おべいみーの二次創作で、文字書きをしてます。
    サタン・レヴィ・ベルフェ推し。
    基本的にMCはネームレス・性別不詳となるよう書いています。
    そのためCPのタグで少なくとも片方が性別不詳の作品は「UL」と表記しています。

    Pixiv
    https://www.pixiv.net/users/71932942

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 20

    リラ猫

    ☆quiet follow

    サタン×MC。
    私が不穏が好きであると分かった途端に、不穏絵をぶん投げて来たのでお返ししたSSです。

    #ObeyMe
    ##全年齢
    ##恋愛-UL

    赤い償い 自分はどこで何を間違えたのだろうか。
     そう自問自答するが、答えは見えてこない。
     ひとまず、自分はかなりまずい状況に置かれているということだけは分かる。
     地下墓地で、後ろ手にロープで縛られた自分は、膝をついて頭を下げている。そんな様子を、サタンは楽しそうに見下ろしていた。
    「それで? 君はあの後、どこの馬の骨かも分からない下級悪魔と一緒に、一晩遊んで過ごした、と」
     声こそ楽しそうに聞こえるが、その言葉選びには悪意がある。RADの同級生を「下級悪魔」と呼び、そんな自分を「遊んで過ごした」と貶めている。
     明らかに、サタンは、怒っているのだ。
    「ごめん……な……さい……」
     サタンがこの後、何をするつもりなのかは分からない。それでも、許しを乞う言葉が自然と出てしまうほどに、自分はこの状況に恐怖していた。
    「謝罪をするなら、それ相応の償いが必要だよね?」
     そういってしゃがみ込んだサタンは、自分の顎に手を添えて上を向かせようと持ち上げた。嫌でもサタンと目が合う。
    「そうだろう?」
     同意を求めるように再び問いかける。その問いに、自分は首を縦に振った。
    「それじゃ、俺が欲しいものをいただこうかな」
     そう言ってサタンは笑い、自分の顎から手を離した。
    「いったい、何が欲し……っ!!」
     左胸に、鋭い痛みが走る。
     目の前にいるサタンに、赤い血飛沫がかかった。
     自分の思考が、突然に真っ白になる。
     サタンは嬉しそうに、笑っていた。
     体を支えていられなくなった自分は、そのまま床に倒れ込んだ。
     薄れゆく視界が捉えたサタンは、服も顔も血で汚れていた。そして最も血で濡れている彼の手の中では、赤黒い物体が脈打つように動いていた。それは、まるで、心臓のように。
    「ああ、これで君とずっと一緒にいられる…… 俺は今、幸せだよ」
     そう言って笑うサタン。とても、とても、幸せそうだった。
     サタンが欲しかったのは、自分の心臓だったのか。……それとも、自分自身だったのか。
     今となってはもう分からない。
     それでも最期に見た彼の姿が幸せそうに笑っていて、自分は……自分……は……
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works