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    かろん

    @ka_rongbf

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    主にパーエル。ネタの切れはしとか。勢いに任せたものとか。

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    かろん

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    パーエル。書きたいとこだけ。
    イチャついてる。

    ##パーエル

    熱烈「ソイツ、返してくんねェかな?」
    長い爪の指先が捕らわれた紅い騎士を指す。
    「貴方のそれは″愛″じゃなくて″執着″だわ」
    笑みを含んだ声が歌うように告げる。
    「生憎と─」
    アーソンの纏う炎が温度を上げ、紅から蒼へと色を変えていく。
    「区別がつくほど″ソレ″を知らねェもんでなァ」
    ゴウと音をたてて何本もの火柱があがり、その全てを従える様にしなやかな指が陣を描く。
    「どっちにしろ、テメェにくれてやる義理もねェ」
    ギザギザの歯を覗かせながらニヤリと笑い、炎の勢いにたじろぐ敵を見据える。
    「この男も無事じゃすまないわよ?!」
    女の姿を模したそれは慌てて奪った騎士を盾にする。
    「─それなら」
    ゆらゆらと踊る炎の陰で金色の目を光らせ笑みを深めたエルモートは迷うことなく狙いを定め
    「ソコまでの男ってコトだ」
    そう言い切って全てを焼き付くした。


    「愛されてるねパーシヴァル」
    やれやれとため息をつきながらグランが何故か誇らしげな様子の騎士に目をやる。
    流石というか当然というか、あれほどの炎であっても少しの火傷すら負っていない。
    もちろん炎を操りきった術士の手腕もあるが
    「そうだろう?」
    何一つ疑うことなくその炎を信じ身を委ねたこの騎士も凄まじい。
    「なんでアンタがドヤ顔なンだよ」
    気軽に捕まりやがって、と件の術士。
    「反省しろ、反省ェ」
    エルモートは不貞腐れたような顔でべちりとパーシヴァルの背をたたく。
    「そうだな…」
    軽い無体は気にもとめずにふむ、と思案顔で顎に手をあて
    「惑わされたとはいえお前以外にうつつを抜かしてすまなかったな?」
    隣に立つ恋人に告げれば
    「ソコじゃねぇ!!」
    的外れな謝罪(?)に怒り半分照れ半分で頬を染めたエルモートが声を荒げる。
    「そうだよ、エルモート怒って大変だったんだから」
    グランが思い出すように口を挟み
    「浮気者~って」
    「ンなこと言ってねェ!!」
    思わぬ追撃に慌てたのはエルモートの方だった。


    からかうだけからかって仲間に呼ばれたとグランが2人から離れていく。
    「…俺のは愛じゃなくて執着らしいぜ?」
    その背を眺めたままエルモートが苦笑混じりに溢した。
    紅い大きな耳だけが答えを求めるように揺れる。
    「お前からの想いならどんな形でも構わない」
    そう言い切って、流れるような動作で長い爪の手をとり唇を寄せる。
    「愛の末焼かれるなら本望だ」
    エルモートは一連の行動に少しだけ金色の目を丸くしたあと
    「そぉかよ」
    緩やかに笑い添えられた手を握り返した。
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    DONE■レオマレ■診断
    ベッタ再録
    ■片思いレオマレにしてみた。
    ↓診断結果
    もなかのれおまれさんには「終わりが見えない」で始まって、「君の名前を呼んだ」で終わる物語を書いて欲しいです。季節を感じる話だと嬉しいです。
    #書き出しと終わり #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/828102
    終わりが見えない。
    嫌われているのに、これ以上相手に嫌われるのは・・・・。
    いつからこの思いが自分の胸を甘い痛みとなって身体を蝕んでいるのかもう忘れた。
    自覚なんてしたくなかった。こんなに苦しいなら。
    諦めようと何度もひと目がつかない場所で、静かに涙を流してしまうというのに。
    「それも青春のひとつじゃ」
    リリアに相談したが、楽しそうに微笑まれて何も解決もしなかった。

    月夜が学園に振り注ぐ。
    マレウスは日課である廃墟巡りに向かうため、寮をこっそりと抜け出した。
    静寂に包まれた目的の廃墟までの道のりで、今日も一人物思いに耽る。
    今日こそは、歪み合わずに話をしようと決めていたのに駄目だった。
    どうやったら、普通に話すことが出来るのか。ほんの少しでいいから歪み合わずに話すことはできないか。
    そんな考えが頭を駆け巡り、答えがなかなか出てこない。簡単に相談出来る内容でもない。
    ひとりで考えても答えが出ないとわかっている。気軽に相談出来る友がいないのであれば、相談することも難しいだろう。
    悩んでいるマレウスを嘲笑うかのように、月の光は闇夜を照らす。
    溜息を一つ零すと、目的の廃墟まで向かっていた足が 1215