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    以前書きたいところだけ開き直って書くタグで書いた、交通障害によりらぶほ避難するリーマンロドの別√。こっちはロくんの矢印強め。あとこちらも書きたいところだけ書きなぐりました。

    降り積もる雪のため公共交通機関は大打撃を受け、ドラルクとロナルドは新横浜の駅前で為す術なく打ちひしがれていた。タクシーやバスには長蛇の列、駅周辺のホテルは軒並み埋まっているのは年末、更には金曜日の夜のためであろうか。どうしたものか、と考えあぐねたドラルクがピンと来たのは、避難場所として稀に使用することのある施設の利用だった。
    「ラブホテル行ってみようか、ロナルドくん」
    「……はぁ!?」
    ドラルクからの提案に対し、端正な顔を盛大に崩して叫んだロナルドに周囲の視線が集まる。帰宅難民の鋭い殺気をいなしながら、ふたりはどうにかラブホテルを見つけることが出来た。幸か不幸か一室しか空きがなく、ふたりは滑り込むようにしてその部屋へと入室した。しっかりと暖房の効いた暖かな室内に、ふたりは揃って息を吐く。ドラルクはばさりとコートを脱ぎ捨てると、手早く靴下を脱ぎスラックスの裾を捲った。こっちかな、と言いながら開けた扉の先には浴室があり、それを見て大きい湯船だねぇ、と嬉しそうにロナルドに笑いかけた。
    「お風呂溜まるまで時間かかるし、ちょっと暖まろうか。コーヒーとお茶、どっちがいい?」
    どどど、と勢いよく流れ落ちる湯の音が響き渡る中、備え付けのケトルをセットしたドラルクは、ソファに座るでもなくベッドに腰掛けるでもなく所在無げに立ち尽くすロナルドに声をかけた。びく、と跳ねるように大きく肩が跳ね上がり、その様子にしくじったかな、と内心独りごちる。吸血鬼たるドラルクからしてみれば、ラブホテルへの避難というのはごく一般的なものだった。しかし人間であるロナルドにしてみれば、上司であるドラルクからラブホテルに誘われたというのはパワハラとセクハラのダブルコンボになり得るのではないだろうか。挙句風呂の湯を溜めるという大義名分の元とは言え、盛大にコートと靴下とを脱ぎ捨ててしまった。薄着になっていく上司と逃げ場のないラブホテルで一対一になった部下。しかも湯船が広いなどとはしゃいですらいる。……あれっ、もしかしてこれ、私詰んでるんじゃない?たらたらと背筋に冷や汗が流れる。
    「……お、お腹、空いてない?私食べなくても大丈夫だから、ほら、ルームサービスで何でも頼んでいいよ」
    テーブルの上に置いてあったメニュー表を渡してやってから、ドラルクはひとまず脱いだコートをクローゼットに片付けることにした。落ち着いて貰うためにロナルドから距離を取って、一旦視界から消えてみよう。気まずくて仕方がなかったが、だからといって今更ここを後にしたくはない。外はまだまだ雪が降り続くという予報の上、細身のドラルクは寒さが不得手だった。コートと上着とを掛け、脱いだ靴下はくるりと巻き込むようにして纏めてから、とりあえずコートのポケットに詰めておくことにした。ちらりと浴室を覗き見る。まだまだ湯は溜まりそうにない。これだから広々とした湯船は。ドラルクは内心小さく舌を打った。
    「……あの」
    「ファ!?」
    背後から、また予想以上に近いところから声をかけられ、ドラルクは思わず悲鳴に近い声を上げてしまった。距離を置こうとしたはずなのに、ロナルドが真後ろに立っている。どうしたのと振り返れば、どこか切羽詰まった表情の部下がそこにいた。
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