藍啓仁は長く、それはもう抹額ほどの長さもあるのではないかと思うほど長く、息を吐いた。沈鬱な表情で目を閉じる様は、まるで嵐の後の柳である。
藍曦臣はこの叔父に道侶を迎えたいと申し出たところであった。相手の名前も伝えていないが、藍啓仁はその正体を承知しているかのように首を振った。
「とても承知していただける方とは思えぬが、返事はいただいたのか」
藍曦臣は軽い驚きとともに答えた。
「まだです。ですが、叔父上は私の気持ちをご存知でいらっしゃるのですか」
「見ていればわかる。江宗主であろう」
そういうものかと背後に控える藍忘機と魏無羨を振り返ると、二人ともがうなずいた。どうやらそういうものであるらしい。
「それで、お前はどうするつもりだ」
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