Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    palco_WT

    @tsunapal

    ぱるこさんだよー
    Pixiv https://www.pixiv.net/users/3373730/novels
    お題箱 https://odaibako.net/u/palco87

    ☆quiet follow Yell with Emoji 🎵 🍆 🍇 💘
    POIPOI 79

    palco_WT

    ☆quiet follow

    樫尾を自隊に悪戯っぽく誘おうとする加古と待ったかける海。https://poipiku.com/397262/5634266.html のワンシーン。

    #樫海

    「ダメだよ、A級の加古さんが連れてっちゃったら、ランク戦で当たれなくなっちゃうじゃん」
    「でも生駒隊ならいつ何時A級に上がってもおかしくないと思うけど?」
     うふ、とほくろが添えられた唇で微笑むさまが、五つ下の樫尾からすればとんでもなくおとなっぽく感じる。
    「カゲ先輩と二宮さんだけでもうざかったのに、カゲ先輩ンとこが降格おちてきたばっかじゃん! すぐは無理!」
    (すぐじゃなきゃ行けるって思ってるんだ)
     その、呑気そうで無邪気な笑みの下に隠された海の覇気。自分はもし同じ問いを投げかけられたとしたら、彼のようにためらいなくA級に上がれると言い切れるだろうか。
     それはそうねえ、と勧誘がどこまで本気なのか、樫尾をホールドする力を、わざと海に見せつけるように強くしてみせた。
    「か、加古隊長っ! 離してください」
     背中に、ふくらんでる何かが当たって、樫尾はひたすらに泡を食う。
    「加古隊長だなんて他人行儀。さん付が言いづらいなら、私だって六頴館高校出身なんだから、加古先輩でもいいのよ? 望さんでも構わないけど」
    「そんなんもっと無理でしょー」
     真っ赤になってじたばたしてる樫尾を代弁するように、海が告げる。すると、加古は、そう言えば、ときらりと瞳を輝かせた。
    「そう言えば南沢くんも名字じゃないけど名前が海だから、Kね。だったらふたりともうちに来る? ちょうど部隊の残り枠枠ふたつだし。杏だったら五人くらいさばけるわよ」
    「加古さん、やめてくれへん、お眼鏡にかなったのは光栄やねんけど、それでもうちの秘蔵っ子なんやから」
    「あら生駒くん」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    palco_WT

    MAIKING
    ぼくとあなたの一番大事 初めてのエッチの男子の平均年齢は二十歳とは言うけれど、経験済の高校生の初めてセックスした年齢の過半数が十五、六歳だという。
     となると、このクラスの何割かは既に体験済、ってことか。
     樫尾は保健体育の教科書を揃えている手を止めて、ちらりと教室を見渡した。当然ながら、とつけてしまうといささか忸怩たるものはあるが、樫尾自身はまだ境界線のこちら側の人間だ。
     だが清童である樫尾がついそんなことを考えてしまうのは、うっかり昨日見てしまった光景のせいだった。
     いや、見るよりも先にまず聞こえてしまったのだ。
     ふたりの間で交わされているとおぼしき含み笑い交じりの囁き、いや睦言は、樫尾にとってもとてもとても聞き覚えのある声でありながら、一度たりとも耳にしたことのない甘く誘い、惑わせるような響きをたたえていた。反射的に足を止め、薄く開いた作戦室の扉の狭間から目の当たりにしてしまったのは、自隊の先輩と、上位を争うライバルである他隊の隊員であるふたりによる、例えばおふざけでなどとはとても思えないような、真摯で熱のこもった口づけとその先に交わされる行為を予感させるような乱れた着衣だった。
    3203

    recommended works

    水鳥の

    MOURNING初のイコプリSS。大半が十九歳。関西弁は空気で読んでください。 付き合ってからと言うもの、王子は事あるごとに生駒に好きを伝えたがる。
    「好きだよ、イコさん」
     時も場所関係なく伝えられる言葉に、生駒は不思議そうに尋ねたことがある。
    「なんや、王子、どないしたん?」
    「うーん、何でもないよ。ただ言いたいだけ」
    「それなら、ええ」
     にこにこといつもと変わらない笑顔を張り付けて、王子は生駒に言う。生駒は、本当にそうなら問題ないな、と頷いた。
     
    「で、今も続いてる、と」
     生駒から経緯を聞いていた弓場は、片眉を器用に持ち上げて嫌そうな表情をした。
    「そうや」
     生駒はいつもと変わらない表情で弓場の問いに答えた。
     日差しの気持ちよい午後、ボーダーのラウンジの一角に何故か十九歳組が集まり、何故か近況はどうなのかと言う事になり、何故か、王子と付き合っている生駒の悩み相談が開始された。
    「王子も可愛いところあるじゃないか」
     嵐山が、どこが悩みなんだ? と不思議そうに言う。
    「いや、何回も続くと生駒も鬱陶しいんじゃないのか?」
     嵐山の問いに柿崎が答える。
    「いや、そんなんないな」
     生駒は、当たり前だと言うように柿崎の言葉を否定した。
    「ないのかよ」
    1089

    palco_WT

    PROGRESS冬コミ新刊の水王の、水上の過去の捏造設定こんな感じ。
    まあそれでも入会金十万円+月一万余出してくれるんだからありがてえよな……(ワが2013年設定だとたぶんんぐが小学生で奨励会にあがったとしてギリギリこの制度になってるはず。その前はまとめて払ってダメだったら返金されるシステム)
    実際、活躍してるプロ棋士のご両親、弁護士だったり両親ともに大学教授だったり老舗の板前だったりするもんね……
    「ん、これ、天然モンやで」
     黄昏を溶かしこんだような色合いの、ふさふさした髪の毛の先を引っ張りながら告げる。
     A5サイズのその雑誌の、カラーページには長机に並べられた将棋盤を前に、誇らしげに、或いは照れくさそうに賞状を掲げた小学生らしき年頃の少年少女が何人か映っていた。第〇〇回ブルースター杯小学生名人戦、とアオリの文字も晴れやかな特集の、最後の写真には丸めた賞状らしき紙とトロフィーを抱えた三白眼気味の、ひょろりと背の高い男の子と、優勝:みずかみさとしくん(大阪府代表/唐綿小学校・五年生)との注釈があった。
    「でも黒いやん、こん時」と生駒が指摘する。
     彼の言葉通り、もっさりとボリュームたっぷりの髪の毛は今のような赤毛ではなく、この国にあってはまずまずありがちな黒い色をしていた。
    1983