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    maple

    趣味100%のらくがき垢。小説もかけたらいいな。色々なCPぽいぽいする予定なので注意して見てください!特別表記しない限りCPごとに世界線が違います。

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    トレジェイ。ツイステ二次小説。トレイ視点。
    どんな手を使ってもお前とまだ一緒にいたい【前編】の続き。

    #トレジェイ
    Trey Clover/Jade Leech
    #二次小説
    secondaryNovel
    ##ツイステ

    どんな手を使ってもお前とまだ一緒にいたい【中編】「俺のユニーク魔法なら…ジェイドにドゥードゥルスートをかけて呪いを打ち消します!」

    俺は気づいたら学園長にそう提案していた。

    「確かにクローバー君のユニーク魔法なら、ローズハート君のオーバーブロット事件のときのように能力に上書きをして無効化できるかもしれません。しかしこれは強力な呪いです。一時的に無効化できたとしても魔法が解けてしまう。」
    「じゃあ俺が何度でも繰り返しジェイドに魔法をっ…!」
    「生徒にオーバーブロットをさせるわけにはいきません!……私は少し席を離れます。先生方にもこの状況を相談しなくてはなりません。ジェイド君の件は私達大人が別の方法を探しますから、くれぐれも私がいない間、ジェイド君にユニーク魔法をかけるなんてことしないように。いいですねクローバー君。」
    「………はい。学園長。」

    ○●○

    学園長が部屋を出たあともアズールとフロイドと一緒にジェイドの側にいた。

    「それにしても…そんなに騒ぎになっていたとしたら、どうして俺のところまでジェイドの情報が流れてこなかったんだ?うちの寮生もモストロラウンジを利用してるやつがいると思うんだが?」

    俺の疑問に2人は答えた。

    「その時間帯は一般のお客様だけだったんです。昨日は特に一般の方も学園の生徒も多くご来店していた為、一般のお客様と学園の生徒が半々になるよう整理券を配りラウンジの利用時間を1時間ごとの時間制にしました。最後の1時間を一般のお客様だけにして。」
    「その最後の1時間に来たのがアイツだよねぇ〜。でぇ〜一番最後まで1人ぼっちで残って他に誰も客がいなくなってからジェイドを席に呼んだんだよねぇアイツ〜。あはっ!あの時締めておけばよかった。」

    先程まで落ち込んでいたフロイドがいつもの口調に戻ったかと思えば、だんだん声を低くし怒りをあらわにして話した。

    「フロイド。気持ちは分かりますが殺気を抑えなさい。それでは話し合いができないでしょう。」
    「わかってる。」
    「全く。…ジェイドが倒れたことを知っているのは昨日モストロラウンジのシフトに入っていたうちの寮生のみ。何が起こっているのか事実確認が終わるまでその場にいた者の全員に口止めをしたんですよ。口外したり、情報を漏らした愚か者にはそれ相応の対応をさせていただきますとね。もちろん。マジカメにアップするなんて言語道断です。」
    「ウミガメくんにはジェイドのこと伝えなきゃって思ったからオレが行ったんだぁ。もっと早く伝えたかったんだけど、警察の聞き取りとか寮生のこととかあってさ。直接言いに行ったほうが情報が漏れる可能性ないし。遅くなってごめんね。」
    「いやっ、教えに来てくれてありがとな。フロイド。……なぁ、俺に考えがあるんだが2人共聞いてくれるか?」

    それを実行できる確信はなかったが、2人に俺の考えた計画を伝えると賛同して協力すると言ってくれた。
    《過去の時間軸へ行きあの犯人が取引した店の店員にユニーク魔法をかけ、別の呪いの絵を犯人に渡させる。そして俺達は元の時間軸に戻る》 
    という計画に。

    “ジェイドにはユニーク魔法を使えない”なら、別のやつに使えばいい。もし過去に行けるのだとしたら、そもそもこんな事件を起こさせないように犯人の元恋人にユニーク魔法をかけ感情の上書きをしてお互い好きなままでいさせる手もあるが、ジェイドを痴話喧嘩に巻き込んだ奴らにハッピーエンドを送るつもりはない。それに呪いの絵を使って人を殺めようとしたやつだ。警察に捕まるという事実は変えたくない。ジェイドを手にかけた奴を許すつもりはない。…俺も怒っている。アズールとフロイドと同じように。

    ○●○

    学園長から聞いた話によれば、犯人が呪いの絵を店で受け取ったのは昨日の夕方。街から離れたところにある店で取引したらしい。
    過去に行くことが本当にできるのか、この計画を考えたのは自分だというのに不安だった。だがアズールが、1日分過去の時間軸に行くことができるユニーク魔法を持つ寮生を知っており、“快く僕にユニーク魔法を貸していただけるでしょう!”と自信満々に話していたためお願いした。するとすぐにアズールは転移魔法で持ち主のところへ行き、10分足らずで戻ってきた。一体どんな取引をしたのか気になったが聞かないほうがよさそうだ。
    アズールによれば、そのユニーク魔法のルールは過去の時間に滞在している間、その時間軸の自分に会うと元の時間軸へ戻されてしまう。魔法は使えるし、周りに認識はされるが、過去の物を持ってくることはできない。1年に1回だけ使えるという制限付き。俺達が行きたいのは昨日。つまりこれが、ジェイドを助ける最初で最後のチャンスだ。

    「ではフロイド、トレイ先輩。行きますよ。」

    俺とフロイドはアズールの側による。
    そしてアズールは、借りてきたばかりのユニーク魔法をつかった。

    ○●○

    過去に来た俺達は過去の自分に会わないよう注意し、犯人が取引した店をなんとか探し出すことができた。“何かあればオレならユニーク魔法で防げるから”とフロイドが、自分から店内の確認をする役に立候補した。あまり無理はするなよと伝え、俺はアズールと店の周りの茂みに隠れて外から見守ることにした。そしてフロイドは黒いパーカーに服装を変えフードを深く被って店に入っていった。



    しばらくして戻ってきたフロイドに店の事を聞いた。

    「どうだった?」
    「うん。あの店で間違いないよ〜。売る人には自分に誤って呪いがかからないように一度だけ呪いを遮断するメガネも必ず商品と一緒に渡してるんだって。で、自分が呪いをかけたいと強く思った人が目の前に現れたときだけに開けられる特別な封筒に入れて売るって言ってた。あっ他の絵も見せてもらったよ〜。」
    「俺たちが望んだ絵もあったのか?」
    「うん。あったよ。」
    「よし。じゃあ犯人が来るまで待とう。」

    そして俺達は茂みの中で犯人を待った。





    夕方。だんだん周りが夕焼け色に染まってきた。

    「来ましたよ。あの男です。」

    アズールが言う方へ視線を向ける。その男の様子を見ると、そいつはどこにでもいるような普通の青年に見えた。だが表情は暗く、鋭い目つきをしていた。

    「よし。じゃあ行こうか。」
    「おっけ〜」
    「水魔法を応用した、姿を一時的に透明化させる魔法です。お気をつけて」

    アズールに魔法をかけてもらい、俺とフロイドは店に向かった。
    お互いの姿が見えない中、店に近づく。見えない中ぶつからずに歩くことができるのはきっとフロイドが俺の気配を察知して動いてくれているおかげなのだろう。何故かそういうことができそうな気がする…。
    窓の外から店内を覗く。

    「ウミガメくん、いるでしょ?」
    小声で俺を呼ぶ声がすぐ横から聞こえた。“いるでしょ?”ということは俺がいる事に確信を持っている。気配が読めるという予想は当たったようだ。小声で俺も答える。店員に聞こえないよう気をつけながら話し合う。

    「あぁ、いるぞ。」
    「店員がいるカウンターの後ろの棚に置いてあるあれ。あれがアイツに渡す予定のやつだって。あっちのショーケースの上から2番目の棚にあるやつが、俺達が望んでる絵。」
    「わかった」

    店内の話を聞くため、バレないように魔法で窓をほんの少し開ける。そして犯人が店に入ってきた。
    店員と犯人の男の声が聞こえてきた。

    「いらっしゃい」
    「…例のものを取りに来た」

    その時、店員がカウンターの後ろにある棚から商品を取り出し犯人に差し出そうとした。


    今だ


    「ドゥードゥルスート」

    小声で唱え、店員の思考を上書きする。

    《準備する絵を間違えてしまった。この客が望んでいるのは【見た人間の命を奪う呪いの絵】ではなく【見ると種族関わらず24時間仮死状態になる呪いの絵】だ!》


    「あっ!」
    「どうした?」
    「こちらは違う絵でした。少々お待ち下さい。」

    店員は渡そうとした絵をカウンターの下にしまったあとショーケースに近づき、上から2番目の棚にある商品に手を伸ばした。

    「こちらの絵でした。注文していただいた際にも伝えましたが、こちらは呪いの絵ですので十分注意して取り扱いください。使用する際は必ず、この呪いを一度だけ遮断するメガネをかけてから封を開けて中身を取り出し対象者に見せて下さい。封はあなたが本当に呪いたい相手が目の前に来たときに開くようになっています。当店と取引終了後はいかなる理由であろうと返品交換は受け付けません。よろしいですか。」
    「…わかった。それでいい。」

    犯人がその商品を受け取り、小袋を店員に差し出した。

    「はい。これで取引は終了となります。ありがとうございました。」


    犯人が店を出たあと、魔法をかけてそっと窓を閉め鍵をかけた。
    俺達はアズールの元に戻った。

    「どうでした?」
    「だ〜いせいこ〜う!ね〜ウミガメくん♪」
    「そうだな!」
    「よしっ!では戻りましょう!」

    アズールがユニーク魔法を使って、俺達は元の時間軸へ戻る。





    俺達が望んだ絵は、人魚にも効果があり且つ時間制限付きの仮死状態になる呪いの絵だった。そして犯人が受け取った絵は、見ると種族関わらず24時間仮死状態になる呪いの絵。
    そもそも呪いの絵を渡さない方法もあるが、それでは元の時間軸であの男が犯人として逮捕されない。それでは俺の気がすまない。ジェイドには負担をかけてしまい辛い気持ちがあるが、それと同じぐらいあの犯人に怒りを覚えている。ジェイドをこんな目に合わせた犯人を絶対に許さないし、犯人が捕まったという事実を変えたくない。そのためには犯人にあの絵を使わせて“命を奪うことに成功した”とあの場で勘違いをしてもらい警察に連行される必要がある。

    人間と人魚の寿命の差の関係で俺が先に死んでしまい、ジェイドに悲しい思いをさせてしまうだろうと覚悟はしている。死んだら絶対に生まれ変わってジェイドを探し出し、また恋人になりたいと思っている。
    だけどまさか、俺より先にジェイドが…。その覚悟はしていなかったんだ。


    俺はどんな手を使ってもお前とまだ一緒にいたい。

    早く………早くジェイドに会いたい。
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    Replies from the creator

    maple

    DONEルクフロ。生まれ変わり。捏造設定。なんでも許せる人向け。噛めば噛むほど味の出るスルメみたいな物を作りたかった。
    Catch you『早くおいで。オレのところに。』

    暗闇の中、声が聞こえた。甘くて穏やかな口調のそれ。懐かしい。懐かしい?どうして?

    『なんで来てくれねぇの』

    急に空気がピリッとした。また怒らせちゃったみたいだ。……また?頭の中がぐちゃぐちゃだ。声の主に話しかけようとしたが、何故か声が出ない。

    『…会いたい。…っ!会いたいよ!_____!』

    泣きながら訴える誰か。知っているようで知らない誰か。行かなきゃ。会いに行かなきゃ!
    無我夢中で暗闇の中を走り出した。わずかに差し込んでいる光を見つけて、手を伸ばす。

    ○●○●○●



    どすん!
    「−−−−−−−−−−ぅえっ!」
    少年はベッドから落ちて目が覚めた。
    「さっきのは夢だったんだ。」
    夢は儚い。起きた瞬間まではよく覚えているのにも関わらず、しばらくするとおぼろげになって、そして、忘れてしまう。少年が見た今回の夢もそれに当てはまる。エレメンタリースクールが休みなので探検に出かけようと、自分の肩まである金色の髪を整えているうちに、夢のことをすっかり忘れてしまった。少年は探検が大好きだった。
    1926

    maple

    DONEエース→監督生からのエー監。ユウ呼び。
    帰る表現あります。捏造設定あり。エースは関係性的に第三者から見れば親友であるけど自分では親友って呼ばず友達あるいはダチって言うかな?ハロウィンのパソストで「エースゥゥゥーー(泣)」ってなったのは私だけですか。監督生に対して“好きな人”でも“大事なダチ”でも、帰るってなったらめちゃくちゃ悲しむんじゃないかな。エースゥゥゥ😭
    夢物語のその先へ「エース。話があるの。」
    オンボロ寮の談話室。神妙な顔をしているユウに、オレは胸がざわついた。
    「なになにー?この前のテスト赤点だったとか?しょうがねーなぁ。このエース様が教えてやるよ。」
    不安を押し殺して笑って答える。
    だが無言でユウは首を横に振った。
    「元の世界に帰る方法が見つかったの。」
    やっぱり嫌な予感は当たった。“嫌な”なんて…。ユウに悪いよな。こいつが元の世界に帰る方法を一生懸命探しているのを知っている。オレを含めた他の奴が家族の話をしているとき、ふと羨ましそうな顔をするのも。家族に会いたいのだ。ならオレは友達として笑顔で送り出さなきゃいけない。いい友達、として。欲を言えばずっと一緒にいたかった。ずっと一緒にいて、あわよくば恋人になってそして、ユウが求めていた“家族”になりたかった。だけどそれは夢物語に終わった。
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