スターチスを求めて① 期末試験も終わって、後はダンスパーティーが残るばかりのモーンストロム魔法学校。僕は、この魔法学校に所属する4年生だ。寮は、黄寮なんて呼ばれるオウィス・フラーウム寮。成績だって平均程度で、特に目立つこともないような、一般的な生徒だ。
そんな僕は何故か、寮長会議の場に呼び出されていた。一体、何が原因で呼び出されたんだか、僕には全く見当がついていなかった。
どぎまぎしながら、コンコンコンとノックをする。
「入れ」
中から聞えたこの高圧的な声は、赤寮のラディム・バルトシーク寮長だろうな。思いながら、ドアを開ける。
「失礼します」
扉を閉めて、言ってから一礼。なんだか普段よりも、寮長達から注がれる視線が鋭い気がして心臓が痛い。
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