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    とろろ昆布.

    @hitorigo10roro

    SS、短編、供養の置き場

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    とろろ昆布.

    MOURNING【月鯉♀】現パロ
    モブ視点。🈷️しまの秘密を知ってしまう話
    Get married quickly!「月島課長って恋人いるんですか」
     明け透けな質問に月島は分かりやすく眉を寄せた。それを見て踏み込みすぎたかなと思ったが、聞いてしまったものは仕方がない。
     束の間の休憩時間、隣のデスクで携帯を触っている月島を見てふと過った。月島は自分にとって尊敬する上司だ。真面目で厳しいが、案外情に厚いところがあったりする。入社してから一年以上経ったが、新入社員の頃は随分と助けられた。
    「なんだ突然……」
    「いや、課長って見た目が怖いけどモテそうじゃないですか。女性社員にも優しいし、人気ありますもん」
    「見た目が怖いは余計だ。そういうお前はどうなんだ」
    「……現在募集中です」
     態とらしくがっくりと肩を落とせば、月島は、お前は良い奴だからすぐに見つかるさ、と平然と言ってのける。励まされて悪い気はせず無意識に頬を緩めていると携帯のアラームが鳴った。さて業務に戻らねばとパソコンと向き合い、はたと手を止める。そういえば本題の恋人の有無について分からなかった。上手く躱されてしまったなと思いつつ、また別の機会にでも聞いてみようと頭の片隅に仕舞って目の前の仕事に集中した。
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    とろろ昆布.

    MOURNING【月鯉】社会人🈷️しま×大学生🎏
    些細なことで喧嘩をして仲直りする話

    🈷️しまの愛の重さが分かっていない🎏と分からせる🈷️しまが好きです
    取るに足りない「月島の馬鹿すったれ!もう知らん!」
     
     傍らに置いていたバッグを引っ掴んで、振り返らずに部屋を飛び出した。そして月島の住んでいるアパートから出た後、追いかけてきてはくれないだろうか、とほんの少しだけ期待を込めて見上げてみたものの扉が開かれることは無かった。当たり前だ、私が悪い。言葉の代わりに、じわりと涙が滲みそれを袖口で拭った。

     喧嘩のきっかけは些細なことだった。月島と恋人同士になってから半年。告白したのは鯉登からだった。月島は社会人で、鯉登は大学生。時間の許す限り鯉登は月島のアパートに入り浸った。月島は当初それに渋い顔をしたものの、満更でも無い様子でいつの間にか合鍵を渡されるまでになった。卒業したら同棲することも考えてくれているのだろうか、と待望していたが今回のことを踏まえれば望みは薄いかもしれない。嫌われている訳ではない、好かれている。それはきちんと理解している。それでも、鯉登から月島に向ける感情と、月島から向けられるものとは差があるように思えた。
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