1998年、宇宙人ナツメが地球にやってきた(こんな星があるなんて)
それがこの星に到着して第一に思った事である。
これほどまでに水が多い星など見た事がなかった。
ナツメの故郷であるエプラー星は約4万光年前に惑星と衝突した。生物はほとんど絶滅し、肉体のまま地上に住むのは非常に困難な環境になってしまったのである。
エプラー人は哺乳類で、肉体を持って人の体から生まれる。しかしエプラー星の大気は二酸化炭素で充満しており、地中で生きていくほかなかった。
エプラー人は13歳を過ぎたころ、二つの道を選ばなければならなくなる。肉体を捨てインターネットの住民になり、永遠とも言われる命を生きるか、それとも二酸化炭素に対応できるよう己の人体を改造し、200年の限られた命を生きるかだ。遺伝子を改造した代償は大きく、自我を失う事もある。
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