おきたさん曰く。 まぁ、実質私が紹介したようなものですが……。
沖田ちゃーん、と私を呼ぶ斎藤さんの声は弾んでいます。今日は月曜日の第二外国語の授業。斎藤さんがなぜ私を呼ぶのか、わかりすぎるほどわかります。
「まーた土方さんの話ですか」
「なんで分かるの 沖田ちゃん異能持ち?」
「毎週毎週聞かされてれば嫌でもわかりますよ」
「僕、そんなに土方さんの話してるかな」
どうやら本人には自覚がなかったようです。
私にとって土方さんは、『歳上の幼馴染み』です。
私の両親と土方さんのお兄さんの仲がよく、両親や姉が多忙な時、時折土方さんに預かってもらいました。愛され末っ子だった土方さんは、歳の離れた妹ができたみたいに感じていたようです。
1765