【玲マリ】エイプリル・ベア朝、目が覚めた時に起き上がれないときがたまにある。
体の不調とかではなく、俺の腕にしがみついて離れない存在があるせいだ。
今日もまた、愛しい彼女(で奥さん)のあかりがスヤスヤ眠ったままくっついていた。
幸せそうな寝顔に癒される気分になりつつ、これをじっと見ているだけであっと言う間に時間が過ぎてしまうことが分かってるから、今回も断腸の思いでそっとその腕から静かに離れる。
「朝ごはん、用意してくるから」
まだ夢の中の耳元にそう言い置くけど、愛しい寝顔は少し寂しげになったように見えてしまう。
どうにかしてやりたくて、代替として側にあった大き目のぬいぐるみを抱かせてやった。
以前、動物園のショップで見かけて買ったクマのぬいぐるみ。
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