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    むんさんは腐っている早すぎたんだ

    @nakaimun

    基本的にときメモGS4のBがLな感じのらくがき置き場
    がっつりR18なやつとかワンライとかおいてます
    ある程度集まったらpixivにまとめてます

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    #七風七版深夜の真剣60分一本勝負
    ※七風

    ただのバカップルですね(いつものこと

    「………えっ?!」
     
     窓を叩く水音に俺は声を上げた。慌てて包丁を置いて掃き出し窓へ駆け寄る。日差し対策のレースカーテンを開けるとつい先ほどまで痛いぐらいの日差しを降り注がせていた空は真っ暗になっていて、大粒の雨が地面に叩きつけられていた。
     
    「……うっそだろ」
     
     呟いて、サンダルをひっかけて駆け出して庭に干していた洗濯物をかき集める。朝から洗濯して干していたシーツはせっかく乾いていたはずなのに、すでに半分ぐらいは雨を吸い取っていて。思わず崩れ落ちそうになるが、干してある洗濯物はまだ残っている。ため息をつきながら少しずつ雨を吸っていく洗濯物を回収し終えて、そこでようやく思い出した。
     ……七ツ森あいつ、傘持ってないよな。
     ポケットからスマホを取り出してメッセージアプリを起動し、『傘持っていこうか?』とメッセージを送っておく。今日はいつものスタジオでインタビューの仕事だと聞いている。予定の時間はまだ先の話だけど、迎えにいくなら早めのほうがいいだろう。……そう思ってはいたが、メッセージには既読表示はつかない。
    (……仕事が押してるのか?)
     仕事中なら仕方ないか。そう思いながらスマホをポケットにしまったところで、インターフォンが突然鳴った。
     ……この豪雨の中誰だ?
     インターフォンを確認した俺は、取り込んだばかりの洗濯物の中からバスタオルをつかんで足早に玄関へ向かい、扉を開けた。
     
    「七ツ森、大丈夫か」
    「……モロに食らった……」
    「ほら、入れ。これタオルな」
    「ん、サンキュ」
     
     バスタオルを頭からかけてやると水滴だらけの眼鏡を外した七ツ森が乱暴にタオルで顔を拭った。ぽたぽたと水滴を髪や服から滴らせながら玄関に入ってきた七ツ森は眼鏡を俺に押し付けて、その場で服を脱ぎだした。
     
    「な、七ツ森」
    「いやもうこのまま入っちゃうと床濡れちゃうからさ」
    「ああ……いやそれでも玄関閉めてからにしろよ」
     
     苦笑して玄関の扉を閉めると、七ツ森は笑ってたしかにな、とつぶやいてTシャツも脱いで上半身裸になった。髪を乱暴に拭って粗方水分を吸い取ると、そのまま七ツ森は俺をぎゅっと抱き寄せた。
     
    「わ?!」
    「たっだいまー」
    「……あー」
     
     なるほど。まあ確かにいつも帰ったらキスしてぎゅってしてくるもんな。突然で驚いたけれど理解したら納得する。……というか。
     俺は七ツ森の頬に手を当てて目を見つめる。俺の視線を受けた七ツ森は小首をかしげた。
     
    「ナニ?」
    「七ツ森。肌冷たい」
    「あーそうね、冷えたもんなー」
     
     濡れた衣服を脱いだ七ツ森の素肌は夏だというのに冷えていて、何ならほんの少し鳥肌が立っている。ばか、寒いんじゃないか。
     
    「寒いならシャワー浴びてこい」
    「ナニ、そういうとき恋人なら『俺があっためてあげる♡』っていうもんじゃないの」
    「そんなことしてる間に風邪ひくだろ」
    「現実的ですこと……」
     
     苦笑する七ツ森。俺はその七ツ森の唇に自分の唇を押し付けた。……あー。唇も冷えてる。バカなこと言ってないで本当に早く風呂場に押し込めてやらないと。
     ……そう、思っていても。
     
    「……ん……」
     
     俺を抱き寄せる腕の力は緩まない。唇は深く、触れたときは冷たいと思ったそれは徐々に俺の熱が移ったのかいつしか唇の冷たさは感じなくなっていた。唇から漏れる吐息は熱を持って、少しずつ荒くなっていく。
     ……だめだ、こんなとこで。
     そう思っていても七ツ森の腕は緩まない。俺にも逃げるつもりはなくて。回した腕が感じる七ツ森の体温はさっきのような冷たさは感じない。下駄箱の扉に背中を押し付けられ、徐々に力が抜けていくのを感じる。
     
    「……は……」
     
     押し付けられる身体の中心の熱を感じ、自分の中にも熱を感じた。
    (……だめ……だ、って、これ以上……)
     戻れなくなる。そう、思った瞬間。
     
    「……ッ」
     
     呻いた七ツ森が俺から唇を離し、デニムのポケットからスマホを取り出した。手に持っていたそれは小さくバイブ音が鳴っていて、液晶画面には事務所からの着信を示す画面が表示されていた。七ツ森は肩を竦め、スマホを操作して通話を開始した。
     
    「はい、七ツ森です。……はい、……そうです、もう終わって帰宅しています。……え? ……はい、……ああ、すみません」
     
     キスの余韻から抜け出そうと息を整えていた俺の肩を、七ツ森は通話しながら柔らかく抱き寄せた。七ツ森の胸に顔を埋め、愛おしい体温を感じて俺は我知らず頬が緩んだ。
     
    「そうなんですね。……ああ、それってメールで回答でもいいですか? ……はい。すみません、ちょっと別件でもう戻れなくて。……はい、はい。……じゃあ送っていただければ明日までには返信します。……はい。よろしくお願いします。お疲れ様です」
     
     通話を終え、画面をスリープにした七ツ森が苦笑してスマホをポケットに入れる。俺の頭を撫でながら髪に顔を埋めた七ツ森に、俺は気になったことを聞いた。
     
    「どうかしたのか?」
    「ん? んー、今日のインタビューで質問がいくつか抜けてたらしくて、戻ってきてくれないか、ってさ」
    「なんだ。メールで回答するってそういうことか。……別件、って?」
    「おまえといちゃいちゃする時間は邪魔されたくないじゃん。……もう邪魔されちゃったけど」
     
     こともなげに言う七ツ森に俺は笑う。七ツ森も俺の髪に顔を埋めたままくすくすと笑う。先ほど火照った身体はいつの間にか熱を失っていて、上半身裸のままの七ツ森の身体は徐々にまた冷えてきていた。俺は顔を上げて、七ツ森に笑いかけた。
     
    「じゃあとりあえずシャワー浴びよーぜ。……実」
    「そーだな。一緒に浴びよ、玲太」
    「何言ってんだばーか」
     
     くすくすと笑いながら俺は実から身体を離す。そしてTシャツを少しまくり上げて、囁いた。
     
     「当たり前だろ」
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