もしもジュディットさんとグリットちゃんの支援会話的なものがあったら(現在支援C、B、Aまで)支援C(翠風の章:アリルで合流直後)
ガルグ=マク訓練場
ジュディットとダフネルの兵士達の訓練風景を柱の陰から見ているイングリット
「あの方が、ダフネル家のジュディット様……噂に違わず気風の良い方ね。お話してみたいものだけど果たして私がお声がけしていいものか……。あっ!ジュディット様がこちらに」
「ふーっ、いい汗かいたね、ん?あんたは……」
「あっ!えーっと、その……私は」
「ガラテアの嬢ちゃんか、イングリットだったね」
「えっ!?私のことをご存じなのですか!?」
「アリルでルーンを手にあれだけ派手な立ち回りをしていたんだ。知らない方がおかしいだろう」
「!……私の戦いをご覧になられていたのですね」
***
(クロードとイングリットの支援C済みの場合)
「それに坊やのことを、随分こっ酷く叱ってるのを見かけてね。私が来たからには少し喝を入れてやらないとと思ってたんだけど、その必要はなかったようだね」
「坊や……?あっ、クロードのことですね……って、見ていらっしゃったんですか!?」
***
「腕っぷしも胆力も申し分ない。兵力に乏しい同盟軍からすると、あんたが来てくれたのは有難いよ」
「い、いえ!私なんかでお役に立てるのならぜひ……あの、よければ今度……」
(ダフネルの兵士)「ジュディット様!すこしご相談したいことが」
「ん?なんだい、今行くよ。あっ、イングリット、それじゃあこれからよろしく頼むよ」
「あっ……はい!こちらこそよろしくお願いいたします!」
ジュディットが行ってしまった方向を見ながらイングリットため息。
「……今度ゆっくり食事をしながらお話でも、と思ったのだけど、お忙しそうね……」
***
支援B
「ジュディット様、今日はお食事にお付き合いいただきありがとうございました」
「いや、私もあんたとは色々と話したいと思っていたからね。いい時間を過ごせた、礼を言うよ」
「えっ!?そんなお礼を言われることは何も。私こそ有意義なお話をたくさん聞かせていただけましたし……」
「ちょっと、いつまでそんなにかしこまっているんだい。共に戦う仲間だろ、そして私とあんたは同じダフネルの血をひく者同士だ、もっと気兼ねなく接してもらっていいんだよ」
「!ジュディット様……いいのですか」
「……もしかして、ダフネル家とガラテア家の関係を気にしているのかい?」
(イングリット、はっとした表情を浮かべ目を伏せる)
「昔、ダフネル家の紋章持ちの双子の兄弟の間で家督争いが起こった。結果、1人が英雄の遺産と領地の半分を引っ提げて、同盟から王国へと鞍替えをした。その時に出来たのがガラテア家……あんたの実家だ、イングリット」
「はい、それ以来、ガラテア家とダフネル家は表立って争いごとをすることはないものの付かず離れずの関係が続いている。そう父からは聞いています」
「そうだね、相当揉めた末の家の分裂だったというからね、長い時間が経っているとはいえ両家仲良くやっていこうってことには、なかなかならないだろう」
「……」
「私、個人の考えは違うけどね。私は、イングリット、あんたのことが好きだよ」
「はっ!?えっ、えーっと、ジュディット様、一体何を?」
「はははっ、何を慌てているんだい。家のことは関係ない、あんたの気概と威勢の良さを私は気に入っているんだ。あんたはどうだい、どうして私に声をかけてくれたんだ?」
「それは……同盟で裂女と名高いジュディット様のお噂を耳にして、ぜひお会いしてみたいと……その、ずっと憧れていたのです」
「嬉しいことを言ってくれるじゃないか。私がダフネルの人間だとか関係なく私自身に会いたいと思ってくれていたんだろう」
「……はい」
(ジュディット、小声で、呟くように)
「これも何かの巡りあわせなのかもしれないね」
「えっ?」
「いや、なんでもないよ。少なくとも私達の今の関係は良好だ。ダフネルだ、ガラテアだとか関係なくこれからも力を合わせてやっていこうじゃないか」
「は、はい!勿論です。ジュディット様、これからもよろしくお願いします!」
***
支援A (アンヴァル宮城戦以降)
「おや、イングリット、浮かない顔だね。どうしたんだい?」
「ジュディット様……実は、この戦いが終わった後のことを考えていたのです」
「戦いの後、か。ガラテアに戻るんじゃないのかい?」
「それはまだ……わかりません」
「ガラテア伯もあんたの帰りを待っていると思うけどね。娘はあんた1人だろう。目に入れても痛くない程、あんたのことを可愛く思っているはずだよ」
「そうでしょうか。父は元々、私が同盟軍に加わることに反対していたのです。それを押し切って、袂を分かつような形で家を出て来てしまいましたので、今更、戻るのも……」
「だが、最終的に同盟軍が勝利をおさめれば、あんたのしたことは正しかったということになるんじゃないかい」
「それはそうかもしれませんが……。それでも、私が一時でも領地を捨てて出て行ったという事実に変わりはありません。しかも一番大変な時期に。両親、兄達、領民達……皆、紋章を持つ私を「希望」と言い、期待してくれていました。きっと許してもらえないと思います」
「……」
「あっ、すみません、ジュディット様。まだ戦いが終わっていないのに関わらず、このような話……」
「いや、謝ることはない。戦いの後にどうするかってことは皆も考えていることだよ。そうだね、イングリット、あんたは真面目すぎるんだよ、まあそこがいいところでもあるんだが。まだ考える時間はあるんだ、この際、親や家のためとか、紋章があるからとか、そういう考えは取っ払ってあんた自身はどうしたいのかってことを考えてみたらどうだい?」
「私自身がどうしたいか……」
「勿論、ガラテアに戻って領主になりたいなら、そうするべきだ。あんたはガラテア家のれっきとした嫡子なんだ。文句を言う奴がいるなら私から言ってやってもいい。盟主殿にも一筆貰っておくかね、イングリットがいかに同盟軍で重要な役割を果たしてくれたか、それが結果的にフォドラの……そしてガラテアを救うことにもつながったかをね」
「ジュ……ジュディット様、何もそこまで……」
「いーや、私は本気で言っているよ。これでもダフネル家の当主だ、ガラテア伯だって無下には出来ないだろうさ」
「……」
イングリットしばし呆気に取られた顔をした後、笑顔に。
「ありがとうございます。ジュディット様、そう言っていただけて、なんだか少し気が楽になりました」
「それなら良かったよ。とりあえず、じっくり考えて結論を出すことだ。盟主殿が言うには、身分、人種、紋章に捉われずに皆が自由に生きられる世界にしてやるんだってことだからね。本当に実現するかは別として、その世界であんた自身がどうしたいのかってことを考えてみな」
「はい!そうしてみます」
「考えるだけなら自由だからね。騎士になるのもいいし、惚れた奴と一緒になるのもいい、駆け落ちや、フォドラの外に出るってのも面白いかもしれないね」
「ジュディット様、ちょっと話が飛躍しすぎのような……」
「ははっ、例えばの話だよ!」