CPP 節分回「なしな、お願いたすけて」
「わかめだ?どうしたの」
普段そんな事を言ってくることのないわかめだからの急なSOSの電話を受け焦りからわずかに声が上擦る
もしかして敵が?
「のり」
「のり?」
「海苔買ってきて!」
「……は?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「パシらされたうえに当の本人がいないってどーゆーこと!!」
「なしなさん、ごめんね
節分だしわかちゃんと恵方巻き作りをする予定だったんだけど、海苔を買い忘れちゃって
……わかちゃんもほんとはお休みなんだけど仕事で急用ができちゃったみたいで」
わかめだも用事が終われば急いで帰ってくる予定だと話しコトコト鍋を煮込みつつ、料理をしながら謝罪といらっしゃいを口にするユーロの姿
「ううん、ユーロさんはいいの!ばかめだは怒るつもりだけど
それよりいいの?私も夕飯ご馳走になっちゃって」
「もちろんだよ!なしなさんのおかげで恵方巻きもちゃんと用意できそうだし!本当にありがとうね、もうすぐ準備もできるから座ってて!」
「邪魔するアル」
「こんばんわ〜〜!」
定休日となっているお店の扉を開ける先には共ポジとセレナーデの姿
「あれ2人も呼ばれたの?」
「うん!わかめちゃんがなしなちゃんもいるから時間あるなら来なって!」
「呼んだ本人はいないみたいだけどナ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「お米がいつもよりツヤツヤしてるポコ!、これが魔法だポコ?!」
「これがユーロの魔法だフガ?」
「ふふ、これはね酢飯って言って炊いたお米に酢や砂糖をいれて混ぜるんだよ〜良かったら味見してみる?」
「「!!」」
「すっぱいのにあまいフガ!」
「おいしいポコ〜〜!!」
ぱちぱちと目を瞬かせスメシに釘付けになる妖精達
酢飯も作り終え、全ての準備も終わりいよいよみんなで恵方巻き作りを始めようとした時
「ただいま」
「わかちゃん、おかえり!」
「うん」
「うん、じゃないわよっ、よくもあんな紛らわしい言い方でワタシをパシってくれたわね!」
「恵方巻き作るでしょ、海苔は必要、それに何かあったら相談しろってなしなが言ったんでしょ?」
したり顔でなしなへ1度笑顔を向け手を洗いに台所へ向かうわかめだ
(ばかめだ〜〜!!!)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「よしっと、みんな揃ったし恵方巻き作りを始めます!セレナーデさん共ポジさんはもし作り方がわからなかったらいくらでも私に聞いてくださいね!」
テーブルの上に並べられた酢飯、海苔、様々な具材の数々
「えほーまきはよくわからないけど海苔巻きのことでしょ?任せて私実はみんなの分もいっぱい持ってきたの!」
いつから持っていたのかドンッと机に出されたのは大量の納豆パック
「うっ、」
「え?」
「セレナーデ、ごめん実はゆーちゃん納豆苦手なの……だからあっちへGO」
ユーロから1番遠い席へ場所がかわり、いじいじと納豆をかき混ぜるセレナーデの姿
「なっとうまきはおいしいよぉ〜〜」
「セレナーデさんごめんねーー、よ、よし気を取り直して共ポジさん、もし良かったらこれ」
共ポジを前に置かれたのはユーロが焼いた恵方巻き用の卵焼き
「共ポジさん卵焼き…好きだって聞いたからちょっと多めに焼いたの、甘めだからお口に合うかわからないけど」
照れくさそうにユーロがはにかむ
「!」
「ありがとうアル」
口頭では素っ気なく返事をするものの自分のことを考えて作ってくれた卵焼きが嬉しかったのか、米をしいた海苔の上へ卵焼きを何個も重ねていく共ポジ
(喜んでくれたの…かな?)
チラリと1番初めに恵方巻きの作り方を教えたポコとフガを見る
「できたポコー!!スメシたくさんたくさん入れたポコ!」
「フガ、も!ポコとおそろい!なんだか可愛く見えてきたフガ」
できた恵方巻きを嬉しそうに愛おしそうに見つめる2人の妖精に微笑みを向け
最後は……
「ちょっとなしなあんたの大きすぎるでしょ、どれだけ具材入れたの」
「だって美味しいそうなものばっかりあるんだもの!!いっぱい入れた方が美味しいに決まってる!」
「絶対食べきれないって」
そこにはこれまで作られてきた恵方巻きとは一回りもサイズが違うものを抱えたなしなと、一見すると普通の恵方巻きを持ち会話をするなしなとわかめだの姿
「ユーロさん聞いてよ!わかめだサーモンとツナしか入れてないの!野菜ぜろよ!?」
「あっ、なしな言うなっていったのに!」
「わかちゃん……?お野菜はちゃんと食べないとだめでしょ!」
「(なしなのせいで怒られた)」
「(自業自得ですぅ〜)」
「そこ目で会話しない!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「みんな自分の恵方巻きは持った?北北西はあっちだよ」
「よーし、いただきま…」
「ポコ!」「フガ!」
「良くない気配がするポコ!」
「みんなプリキュアになって戦って欲しいフガ」
「もーーー!こんなタイミングで〜〜!
みんな!悪い鬼を急いで倒して美味しい恵方巻き食べるわよ!!」
『あなたの心アンロック!!』
end