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    無名@本物

    CPPは在ります

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    無名@本物

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    共ポの過去

    #CPP

    重要的人いつも通り朝早くから稽古場に向かった共ポ。しかしそこに師匠の姿は無かった。師匠が共ポより遅く稽古場に来る事などこれまで無かった、共ポが稽古場のドアを開ければいつも「おはよう、共」と迎えてくれた。「珍しいな」と思いながらどれだけ待っても師匠は来ない。流石におかしいと思った共ポは稽古場を飛び出した。
    街中を探し回り気づけば日が暮れ始めていた。
    「ししょ〜どこに行ったアルか〜?」
    道端に転がっている小石を蹴りながら歩いているとボロボロに荒れ果て潰れた工場の前を通り過ぎた時、複数人の声が聞こえた。
    ???①「ったく、手こずらせやがって」
    ???②「老いぼれといえどプリキュアともなれば流石に手強いな」
    ???③「xcrgv)juddxaaetcca」
    咄嗟にもの陰に隠れ息を潜める。そっと声のした方を覗き共ポは目を見開いた。人間のような生物が五体、明らかに人ではない化け物が二十体、これまで共ポが経験したことの無い敵の数だった。
    そして、その中心にはあちこちから血を流し手足を拘束された師匠の姿があった。
    ヒュッと喉がなり頭が怒りで沸騰する。感情のままに飛び出そうとしたその瞬間、師匠の言葉を思い出す。
    「戦場では常に冷静に。相手の動きをよく観察して」
    怒りでグツグツと煮えたぎっていた脳がゆっくりとクールダウンしていく。
    (まだだ、相手が1番油断してる、その隙を狙う)
    人間のような姿をした生物が楽しそうに笑う
    敵①「弟子を殺すために手を組もう、だっけ?みんなを救う正義のヒーローがそ〜んなこと考えちまうなんてなあ〜!」
    敵②「いや〜最高のショーだよ!」
    敵③「敵のことそんなに簡単に信用するなんて、敵ながら心配しちまうぜ、お 前 ら は 両 方 と も 死 ぬ ん だ よ 」

    『プリキュアはね、自分のために力を使っちゃダメなの。いつでも人に優しく、強い信念を持って。それがプリキュアよ』
    師匠の言葉がガンガンと煩いくらいに鳴り響く

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    (師匠side)
    私は中国で最強のプリキュアだった。誰もが私を尊敬し、賞賛し、皆が私を目標に日々努力をし、私のことを知らないものはいなかった。
    ある日、ぃわかち星の使者が小さな少女を連れて私の元を訪れた。話によると事故でプリキュアになってしまったらしい。「キミに師匠になって欲しい...ってコト?!」と頼まれ、面倒だとは思ったが「師匠」という言葉に惹かれ引き受ける事にした。
    少女には、共には、プリキュアとしての才能があった。そして、好奇心旺盛で多くの事を学ぼうとする積極性があった。渋々引き受けた仕事だったが、まるで子犬を飼っているようで可愛らしかった。
    少し教えればすぐに自分のものにし、彼女は驚くべきスピードで成長していった。共の活躍は中国全土に広まり、私への賞賛の言葉は共へと移り変わっていた。
    「プリキュアはね、自分のために力を使っちゃダメなの。いつでも人に優しく、強い信念を持って。それがプリキュアよ」
    綺麗事だった。それでも共は真っ直ぐな瞳で私を見つめる
    「師匠の信念は何アルか?」

    気がつけば、共の強い信念のこもった真っ直ぐな瞳が恐ろしく、憎くなっていった。
    (共を育てたのはこの私よ!この、私のおかげなのよ!)
    共の力が無くなれば、共がプリキュアで無くなれば、私はまたスターになれる。魔法の力を奪うためには、共を殺すしかない。

    「私を襲わない事を条件に今中国で最強と言われているプリキュアを共に排除しないか」
    恥もプライドも、プリキュアとしての信念も捨て、敵のアジトに乗り込んだ

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    師匠は敵の言葉を否定も肯定もしなかった。どんなに敵に罵られても顔を伏せ微動だにしない。
    「師匠今の話、ホントアルか?」
    汚い笑い声で満たされていた廃工場が共ポの声でしんと静まる。師匠はそれまで伏せていた顔をバッと上げ、目の前に立つ弟子を見て大きく目を開けた。突然音も無く現れた赤いワンピースに身を包んだ少女に敵達も反応出来ずにいる。
    共ポは真っ直ぐに師匠の目を見る。

    師匠は、共ポから目を逸らした。

    敵が何か叫んでいる気がするが何も聞こえない。ただ、無我夢中で暴れ回った。
    気がつけば地面は異形の生物で埋め尽くされていた。
    師匠は共ポが見た時と変わらない位置で体を小さく縮こませ震えていた。師匠に近づき、拘束されていた手と足を解放してやる。紐を解こうと手を伸ばした時、師匠が「ヒッ」と小さく声を上げ、恐怖で顔を歪ませたのを見、ズキリと何かに刺されたように心が傷んだ。
    「師匠は我の事嫌いアルか?」
    師匠は何も答えない。
    共ポは彼女のトレードマークともいえるおさげに手を伸ばした。おさげに結ばれた、彼女の中華風の衣装にそぐわないレースのついた淡い水色の可愛らしいリボンをギュッと握り、目の前で力無く項垂れる師匠の腰に視線をやる。ピンク、水色、黄緑、黄色、パステルカラーを基調とし、裾にはレースのあしらわれた可愛らしいドレスには明らかに異質な真っ赤な中華風の帽子がベルトに引っ掛けられぶら下がっていた。
    共ポはリボンを握っていた手をだらんと落とし、師匠の腰に掛かっている自分の帽子を取ると師匠に背を向けた。
    すっかり日が落ち辺りは暗闇で満たされていた。空を見上げるとポツポツと数滴雨粒が顔を打ち、次第に強くなっていく。
    「永别了」
    震える声で共ポはそう言うと廃工場を後にした
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