CPP 第3話カラフルPOP★プリキュア
第3話「私達の信念」
「疲れたあ〜〜!」
「ほんと、敵も倒したしはやく帰ろう」
「お腹ぺこぺこ!!わかめだ今何食べたい?!ワタシあつあつの小籠包!!」
プリキュアとして今夜の役目を果たし軽い談笑を始める錠前とクレソン
敵との戦闘も終わり変身を解こうとしたその時
目の前に立つのは赤い中華服のようなワンピースをまとい、淡い水色のリボンを飾りにつけこちらを睨みつけるよう見つめる女性の姿
「だ、だれ?」
気配を感じることもなく突然現れたその姿に困惑を隠せずにいる錠前達へ赤い人物はこちらへ走り寄り
そしてそのまま拳を握り錠前へ襲いかかってくる、そのあまりの速さに足が動くことはなく
「なしな!!」
赤い服の人物の拳は錠前の数歩後ろ、まだ存命していたのか隙を狙い攻撃を仕掛けようとしていた先程まで戦闘していた敵へと直撃する
「最後まで気を抜くな、戦いの基本アル」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ポコ!紹介するポコ!キュア共ポジポコ!」
「共ポジはこれまで中国で長くプリキュアとして平和を守ってくれていた錠前とクレソンのプリキュアの先輩なんだフガ!」
「プリキュアって世界にいるんだ…」
「共ポジさん?さっきは助けてくれてありがとう!ワタシなしなっていうのよろしくね!」
錠前が共ポジへ握手をしようと手を差し出す
パシッ
「ヘラヘラしてプリキュアは遊びじゃないアル。オマエらみたいな信念のないプリキュア、我はプリキュアと認めないネ」
錠前とクレソンの2人を睨みつけ差し出された手をはじく
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「も〜〜〜なにあいつ!カンジ悪いっ!ポコは仲間だから仲良くしてって言ってたけどワタシあいつと一緒に戦うなんてぜっったいむり!!」
「…なんだかあのリボン」
「なに、わかめだなんか言った?」
「ううん、なんでもない。たしかにあんまりいい雰囲気ではなかったけど、でもあの子は、私達より長い間プリキュアになって戦ってるんだよね。」
「…それは。」
「信念。」
2人の会話が止まる
「私達の信念ってなんだろうね。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「共ポジ!待つフガ!あっちは敵がいっぱいいるの、他のプリキュアと協力しないとだめフガ!」
「他のプリキュア、アイツらのことか?あんなやつらの助けなんていらない我1人で十分アル」
フガの制止も聞かず1人道を進む共ポジ
『自分のために力を使わない。全ての人が平等であれるよう信念を持ち戦う』
自分はこれまでの人生の大半をプリキュアとして人々を守るために費やしてきたどんな辛いことがあったとしてもその生き方に後悔はない。
それが自分の産まれた理由だと思っているから、ただ自分と同じであるべき他のプリキュアが時折笑顔を見せながら戦うその姿に、その眩しさに自分のこれまでを否定されたような気がした
『Let's 共産主義』
「オマエらの相手はこの我ネ、全員潰す」
いったい何体の敵を倒しただろう、強さとしては共ポジの圧倒的有利だがいくら倒しても沸いてくる敵に多少なりとも体力を削られ息が荒くなる
考えろ、常に冷静さを持って対応しろ
コイツらだって無尽蔵にいるわけじゃない
どこかに仕掛けがあるはず
そう思考を巡らせた視線の先にはフガとポコが助けを呼んだのかあの2人の姿
「我1人で大丈夫って言ったはずアル!」
クールダウンさせようとした頭に血が上る
その隙を見つけた敵に足をとられ、次の攻撃を避ける術が無くなる
しくじった、大丈夫、急所を庇え
目を閉じ来るはずの衝撃に身を備える
しかし衝撃が実際に共ポジ自身にくることはなく
共ポジを守るよう庇い抱きしめる姿で共ポジと向かい合う錠前、錠前と共ポジを守るべくプリキュアとして防御の力を使うクレソンの姿
「なんで……我はオマエらのこと」
「なんでじゃないよワタシ達だってプリキュアなんだから!」
「共ポ私もなしなも信念なんてちゃんとしたものわかんないよ、ただね」
「ワタシはワタシらしく在りたい!」
「私は大切な人を守りたい。」
「「先輩なら先輩らしくお手本見せてよ(ね)!」」
もう一度錠前とクレソンに手を差し出される
「錠前、わねかだ」
2人の手を掴み立ち上がる
敵へと視線を向け3人同じ方向を向く
「生意気な後輩ネ!」
淡い水色のリボンが少し寂しそうに揺れた。