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    wakame__d

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    CPP2期11話

    CPP2期 第11話「多分ET星人はきっと私達をまた襲ってくると思うの」
    その時が本当の戦い。
    そうセレナーデが瞳を開ける。

    光の消えない街。眠らない街。
    その東京には珍しい手入れのあまりされてない寂れた街灯が夜道を点滅させる。
    「共ポ」
    「わかってるネ」

    「e~~~~t~~」
    わかめだと共ポジの前に現れたのは小さなその背に不釣り合いな長い腕をこちらに突き出し笑顔向ける不気味なその茶色い姿。

    『Let’s共産主義』
    『鮮やか緑を届けちゃう』

    1つの呼吸の間を置いて2人がプリキュアに変身する。

    ーーーーーーーーー
    「それなら我とわねかだが囮になるアル」
    セレナーデの呟きに共ポジが言葉を返す。
    「そんなのだめだよ!みんなで戦わないと!」

    「話は最後まで聞くアル。攻撃をする術がなくてもわねかだの魔法を使えば攻撃を直接受けることはない、それが間に合わない時は我がサポートする」
    「セレナーデお前がこの戦いの要になるネ。」

    「だから……」


    伸ばした腕からの攻撃を必死に防ぐ。
    「うっ!」
    攻撃が逸れ横の塀に当たり、大きく窪みができる。
    「こんなの直接当たったらたまったもんじゃないっての」
    「わねかだ!次が来るネ!」
    共ポジの攻撃に頼れない今、相手の攻撃を受け流すのが精一杯。やっぱり強い。
    でも私達の役目は違う。
    「共ポ!頼んだ」
    風のような速さで共ポがクレソンの首元を掴む。
    「うぇっ…!」
    「も、もっと優しく持って欲しいんだけど!」
    「こんな時にわがまま言うなアル」

    そのままクレソンを米俵のように雑に肩の上に担ぎ共ポジが走る。

    雨が降る日が連日続いていた中
    河川の水はいつも以上に多く、その流れは激しいものとなっている。
    走る共ポジ達を追いかけET星人も河川付近へと近づく。

    「こんなとこまでご丁寧に着いてきてくれてどうもありがと」
    「錠前!!」

    共ポジが錠前の名前を呼ぶ。

    『あなたの心ア~ンロック!』
    『あなたに愛のめぐみるく!』

    「ここであったが100年目!あの時の借り!返しに来たわ!!」
    「なしなさんそれ絶対悪役のセリフですよ?」

    キュア錠前が片手を腰に片手をET星人へと指先を向ける。
    キュアユーロにツッコまれながら。

    ET星人がずっと続けていた不気味な笑みを不機嫌そうに止める。
    「e~t~?」

    「私だって…!」
    みんなと戦う覚悟を決めた。開いた瞳に直接あの姿が映る。やっぱり…やっぱりあの時の怖さが蘇ってしまう。
    そう震えそうになる指先に小さな温かさが触れる。
    「ポコも……フガも!ちゃんと隣にいるんだポコ!」

    あの日の喧嘩をした日からポコとフガはあまり言葉を交わしていない。それでも今はただ、2人が私のそばに居てくれる。
    「そうだったね!もう私ったら忘れっぽいんだから~!」
    小さな2つの手を優しく握り返す。
    さあ、戦おう!プリキュアとしてみんなの友達として!

    『今宵も聞こえる波の音。あなたの心もセレナ~デ!』

    ーーーーーーーーー
    「錠前~~パ~「錠前!だめアル!」

    「!そうだったちょっとズルくないーー?」

    ET星人の攻撃を防ぐ、カウンターで直接的な攻撃を仕掛ける。ただそれができない。今までの敵とは違うその戦い方にプリキュア達が苦戦を強いられる。

    急な視点の転換。
    サポートに回るユーロに狙いを定めET星人が腕を振り回す。
    「わっっ!」
    衝撃によりユーロが後ろへ大きく飛ばされる。
    「ユーロ!」
    「ユーロさん!」


    「私は大丈夫です!でも…わかちゃんが」
    砂煙が消えたその先ではユーロが壁に打ち付けられないよう自分の身をもってユーロを衝撃から守るクレソンが。

    「うぅっ……」

    ET星人が笑う。
    疲れる様子を見せることの無いET星人に消耗戦を続けていればプリキュア達が不利になるのは目に見えている。
    「わかめちゃん!」
    「みんなお願い!あと少し私に時間をちょうだい!」

    いつもの力では駄目だ。あの敵を倒すためには私の全ての力を超える魔法を込めないと。

    気持ちを。力を。想いを。全てを1つに。

    「セレナーデが頑張ってるアル」
    「ワタシ達も頑張らないとね!」
    「わかちゃんをよくも!私仇をうちます!」
    「ま…まだしんでないって」

    ET星人は強かった。だからこんなに長い時間戦い続けることは幽閉される前の期間にも存在しなかった。
    どうせ今回も勝つのは自分だ。ただそこに少しの驚きと焦りがないとは言いきれなかった。

    だから気づけなかった。自分を取り囲むその球体の正体に。

    「et?」

    「私たちの勝ち!!」

    「シャボン・ナ・バブル!」

    セレナーデが大きく声を上げステッキを振り上げる。
    光に反射し虹色に輝いた大小のシャボン玉達が大きく弾ける。

    「e~~~~tっ~~~!!!!」

    ET星人が爆発の渦にのまれる。


    「は、はぁ、はぁ、私やったよ!ET星人を、倒したんだ!」
    セレナーデの笑顔と共に瞳から涙が零れる。
    「セレナーデだめだポコ!」
    ポコが私の名前を呼ぶ。

    ET星人が最期の力をセレナーデへ向ける。
    そうそのはずだった。
    フガが大きく体を走らせET星人へ体を強くぶつけた。

    「et」
    「みんなありがとうなんだフガ」

    バシャン
    大きな飛沫を上げてET星人とフガが水の中へ沈む。

    「フガ!!!!!」

    ーーーーーーーーーーー

    「ねえポコ、もし記憶が戻ったら今のフガはやっぱり消えちゃうのかな」
    「それでもフガはポコと居られて本当に嬉しかった」
    「今までありがとう」

    色の消えた黒い影のような姿が
    ポコとセレナーデと共に歩いた砂浜の
    懐かしい故郷をおもわせる水の暗い底へと沈んでいく。
    だいじょうぶ、きっと次に目を覚ました時ポコの、みんなの隣には記憶を取り戻した本物のフガがいるはずだから。
    後は泡になって消えるだけ。あの絵本の、人魚姫のように。

    「そんなスペースジョーク全く面白くないんだポコ!!」


    沈みかけた体を許さないというように誰かの声に導かれ強く手を引かれる



    「フガは頭がいいのにバカなんだポコ!」
    (ポコ……?)
    「ポコだってフガのこと大好きなんだポコ!」
    「一緒に初めてアイスを食べて、地球の絵本を読んで、夏祭りして!遊んで!プリキュアのみんなと戦ったのは今!目の前にいるフガなんだポコ!
    だからお願いもう二度とポコからフガをとらないで」

    拭うこともせず涙で溢れた瞳を向け強く声を上げる

    今すぐ声をかけてその涙を拭いたいのに今の自分にはかける声も姿もなにもない。
    そんな影の前に、光に反射して栗毛色にも茶色にも見える柔らかそうなふわふわの長い髪を誰かが揺らす。

    「なんだか大きくなったと思ったけどポコはやっぱり泣き虫なんだフガね」

    そしてそのままフガの額にキスをする。

    「本当は王子様の役目なんだけど、こんなのもたまには悪くないと思うんだフガ」
    「おはよう、フガ」
    「はやく泣き虫さんの隣に行ってあげて」
    「大丈夫フガ(あなた)はフガ(私)だから」

    フガの黒く影に染まった姿が鮮やかに綺麗な元の色に染まる

    「ポコー!!」
    「フガ?本当にフガなんだポコ?」
    「うん、うん、、フガだフガ!実はUFOキャッチャーの妖精のフガなんだフガ!」
    「フガ〜〜!!!」
    抱き合うポコとフガ
    「ねえポコお願いがあるんだフガ。」
    「ポコ!」

    「ぽんぽこぽーん!ポコだポコ!」
    「ふわふわふわりんフガだフガ!」
    やっと一緒にアイサツができた。
    2人笑い合う。

    大きな声でセレナーデが言う。
    「フガ!おかえり!!」
    「ただいま!おはようなんだフガ!」


    ーーーーーーーーー
    暗い暗いお城の中
    キラキラ小さな光の粒がウヅゥを優しく照らす。
    いつもとなにも変わらないはずの目覚め。
    あれ 違う わたしは
    「パリン?」


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