CPP2期 第4話〜ジンジンジンジンジンギスカン、ジンジンジンギスカーン〜♪
休みの日だというのに目覚ましの音が聞こえ…目覚まし?異音が聞こえ目を覚ます。
見覚えのない部屋を見渡し違和感に気づく。
「ここどこ?ワタシの部屋じゃないんだけど…」
昨日の夜はプリキュアとして仲間と協力し敵と戦いいつも通り自分の家へ帰りベッドに入ったはず
混乱しながらも1度落ち着こうと朝の習慣として顔を洗いに洗面所らしき場所へ向かう
「えっ!!!!!わかめだ?!!」
そう鏡に映るのはいつも整った髪とは違い寝癖がぴょんと飛び跳ねてはいるが、なしなの飲み友であり一緒にプリキュアとなり戦う仲間である間違うことなくわかめだの姿である
鏡の中のわかめだは自分が動かすままに同じ形に姿を変える
「もしかしてワタシわかめだに…なってる??!」
「えぇ〜〜〜〜〜!!!!」
早朝にマンションの一室から大きな声が弾ける
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「…ってコト……なんだけどみんなも?」
「……認めたくないけど錠前が話した通りアル」
そう言って悔しそうにぷかぷかと体を浮かばせるのはポコの姿をした共ポジ
横には目をキラキラと輝かせ
「…背がっ、高いぽこ!」
と呟くユーロの姿をしたポコ、そのポコをにこやかに眺めいつものおさげを下ろした共ポジの姿をした(おそらく?フガ)
「どうしよう、この身体でもご飯ちゃんと作れる…かな?」
そして小さく頭をかかえるフガ(ユーロ)
「わかめだとセレナーデも呼んだからもう少しで来るはずだけど多分……」
「セレナーデ!ちょっとなにこの服!センスのセの字もない…っ!」
「セレナーデのセはセンスのセ〜〜♪わかめちゃん!大丈夫!ちゃんとかわいいよ!」
NATTOと大きく書かれ、中心にはドーンとカニのイラストが描かれたTシャツを着て早歩きで近づいてくるのは
セレナーデと錠前自身の姿をしたわかめだとセレナーデである
「やっぱりみんな、入れ替わってる!」
~~~~~~~~~~~
問題なのはこの入れ替わりがどこまで影響をしているか。プリキュアへの変身はどうなるのか。こんな時に敵が現れたら…考えることはたくさんある。
でも今は。
「おっっいし~~!!来たかったの!ここのスペシャルデラックスレインボーパフェ!!!」
デザートスプーンを持ち、30センチをも大きく超える、カラフルなアイスとフルーツそしてドレスのような生クリームに彩られた大きなパフェを前にわかめだ(なしな)が満面の笑みを浮かべる。
ユーロ(ポコ)が不思議そうになしなに聞く。
「?……どうしていままで食べなかったポコ?」
「それはね…ポコ大人になると…次の日がとてもおそろしいものになるからよ!」
でも今は大丈夫!何を食べてもカロリーゼロ!(ワタシは!)
「ユーロさんもポコもはいあーん!」
「もぐもぐ…妖精さんも味覚は一緒なんですねとっても美味しいです!」
「でもなしなさん絶対後でわかちゃんに怒られますよ?」
そうポコ(ユーロ)が目を細くする。
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「もしかしたら敵の魔法かもしれないわ!だからみんなで手分けして戻る方法を探そう!」
なんだか白々しいような物言いでなしなが提案をしてそれぞれ別れ一時的に解散をした後。
「なんか寒気してきた。」
Tシャツの前面隠すように鞄を前に持ちつつセレナーデ(わかめだ)と錠前(セレナーデ)が2人道を歩く。
「わかめちゃん寒いの?1回私のお家帰って上着持ってくる?!」
「ううん、いい。」
セレナーデのクローゼットそれはわかめだにとって未知だった。宇宙がそこにはあったのだ。
「なんでこのカニ隠してんのに飛び出てくんのよ……」
「みてて!わかめちゃん!あなたの心あ~んろっく!」
腰に手を当て片手をピースと笑顔で顔へ向ける。
錠前のセリフを真似てみたがプリキュアへの変身はできない。
「う~んやっぱりなしなちゃんじゃないと変身できないみたい!」
「……。セレナーデ行くよ。」
「あ、待ってよ~~!」
~~~~~~
「全員呑気するぎるんだアル。」
「でもフガはなんだか楽しいフガ!」
プンプンと擬音が聞こえてきそうなポコ(共ポジ)を両手で包み込むように抱え、共ポジ(フガ)が歩く。
「こんな時に敵が現れたら大変ネ!」
ぷにっ。
フガが共ポジの頬をつつく。
「共ポジの髪は太陽の色なんだフガね!フガの大好きな夕焼けの色なんだフガ!」
歩く度に揺れるそのオレンジの髪がをふわりと顔をくすぐる。
あれあの夕焼けはいつ見たんだっけ。
そう思考を止めたまま歩みを進めると
いつもならぶつからない大きな木の横へ飛び出だ一部分が顔へあたる。
「あ、いた!…くない?」
「そんな木で傷つくほどやわな体はしてないネ。」
(ポコがドヤ顔してるフガ……!)
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「えっと、どうしよっか?」
あはは~と錠前が笑みを向ける。
「一旦帰る?」
「どこに~?」
ポコポコポコー!
敵を知らせるアラームが鳴り響く。
「もう!こんな時に!」
「さっき変身……できなかったよ!」
セレナーデが不安そうに先程あった出来事を口にする。
「みんな!敵が近づいてきてるんだポコ。」
一体どうすれば……プリキュア達が表情を暗くする。
「待って、もしかしたら!みんな!もう一度やってみてほしいフガ!」
今から言う方法で!フガがヒラメキを口にする。
「ほんとに大丈夫なの」
「わかんない!でもやるしかないよ!だってワタシ達プリキュアだから!」
「フガが考えたんだもの!きっと大丈夫~!」
もしもの時はワタシにはこの拳がある。
最近共ポジに鍛えられているその姿をわかめだに見せびらかすよう手を振る。
「皆さん!頑張って!!」
ユーロの声を背に聞く。
『あなたの心アンロック!』
『鮮やか緑を、届けちゃう!』
『あなたの心もセレナーデ♪』
「変身……できた!」
黄色い明るいドレスに身を包むクレソン。
燕尾服風の緑の衣装に着替えるセレナーデ。
王冠をつけたミントブルーのプリキュアへ変身をする錠前。
「いつも着てる服のはずなのになんか新鮮かも。」
「セレナーデパンツスタイルも似合うじゃん。カニより」
「えっ?!」
「さっさと戦うアル!」
後ろから赤い帽子を被ったポコの姿をした共ポジから激が飛ぶ。
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「ちょっと結局戻らないだけど!!」
慣れない体で苦戦しながらも敵との戦闘を終えたなしなが声を大きくする。
「今日はみんなでお泊まり会なんだポコ!!」
戻らないなら仕方ない。もしかしたら明日の朝には元に戻ってるかもしれない。
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「うちは絶対にむり。」
「あぁわかめだの部屋、どろぼー入ったみた…」
「それ以上喋ったら殴る。」
「あんたの顔なんですけど?!」
「わかちゃん……また今度行くからね。」
「くるっぽーちゃんかわいい!いつもかわいいけど今日もかわいい!」
「自分が妖精じゃないからって!やめ、やめろ!撫で回すなアル!」
「クレ……なしな!寝る前の絵本を読んで欲しいポコ!」
「フガも~~!」
「えっ」
眠る前、フガとポコに読み聞かせをねだられるのはめずらしい事ではない。
ただ今の状況はどうなのだろうか。
いつものようになしなと同じベッドへ入ろうとするのはユーロの姿をしたフガ、共ポジの姿をするフガ。
「3人入れるかしら……。」
「大丈夫フガ!ギュッてするフガ!」
「ぎゅー!なんだポコ!」
そう言ってポコとフガが体をより近くする。
「う~んいけるならいっか!うん、じゃあ今日の絵本はね……」
「ど、どう゛し゛てなんだポコ~~~!」
「泡になんてならないでポコ~~!!!」
綺麗で美しくてそして少し悲しい物語。人魚姫を読み終えたポコがそのユーロの顔を涙でべしゃべしゃにする。
「よしよし、ポコは泣き虫なんだフガ!」
朝日が差し込む時間。
1つのベッドで抱き合う3つの影に、共ポジが驚きと恥ずかしさで飛び跳ね、わかめだが胃を抑え、ユーロが目の腫れに違和感を持つのはあと数時間後のお話。
錠→クレソン
クレソン→セレナーデ
共ポ→ポコ
セレナーデ→錠
ユーロ→フガ
ポコ→ユーロ
フガ→共ポ