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    壁打ちしてたやつ。途中で終わる。

    #忘羨
    WangXian

    藍湛×にょた羨現代AU。魏無羨は震える人差し指を己の腹にさす。ぷに。続いて人差し指と親指で肉を摘んだ。ぷにゅ。……掴めてしまった。どうしよう。今までこんなことなかったのに。いや、まだ諦めるには早い。ちょっと肉がついた程度、むしろ痩せすぎと言われ続けた魏無羨にとってはいいことだ。
    自分にそう言い聞かせながら床を見下ろす。足元には体重計。これで全てがわかる。太ったか、太ってないか。恐る恐る片足を載せると液晶画面の数字が瞬く間に増えていく。女は度胸。気のせいだったら藍忘機との会話の笑いのタネにすればいい。意気込んで床に着いたままの足も体重計に載せた。
    やがて数字が止まった。
    「………………太った!」
    魏無羨は悲鳴をあげた。
    藍忘機とお付き合いを始め、あれよあれよという間に同棲に踏み込み、二人は付き合いたての頃と変わらず仲睦まじく、睦まじすぎるほど睦みあっている。藍忘機が選んだ防音セキュリティ付きのマンションとはいえ、そろそろお隣さんから騒音の苦情がくるのではと魏無羨は密かに震えている。
    同棲するにあたって男女うんたらという時代にはなったが、やっぱり喜んでもらいたいしという下心満載の気持ちで「俺が料理するよ!」と意気込んだはいいものの、あっという間に新品の鍋底に穴を開け、あわや火災報知器作動というところまで発展させた魏無羨は自主的に料理を諦めた。
    帰宅した藍忘機に台所の惨状を見られたときには流石に怒られ、いや飽きられるかと顔を青くしたが、藍忘機は魏無羨を優しく抱き締め「怪我はない?」「君の気持ちが嬉しい」「鍋は不良品だったのだろう。新しいものを買えばいい」ととことん甘やかしてくるので、つい出来心で錬成した血のように真っ赤な麻婆豆腐を出してみた。超辛党の魏無羨でさえ「ちょっと辛すぎたかも?」というレベルだったのに藍忘機は唇を真っ赤に腫らし、全身から汗を流しながらも「美味しい」と微笑んでくれたので、やはり人並みのものが作れるまでは藍忘機に手料理を出すのはやめようと決心した。藍忘機は魏無羨の作ったものなら何でも「美味しい」と食べてしまうので病院沙汰になるのを防ぐためだ。
    そんな経緯があって、また藍忘機本人も魏無羨同様相手の胃袋を掴みたいという下心があったようで、料理は藍忘機が担当することになった。
    藍忘機の作る料理は比較的薄味だが、魏無羨好みのはっきりした味のものも出してくれるし、何よりも栄養バランスが考えられているので、魏無羨の健康診断の結果はここ数年で良評価になった。医者からも「ようやくまともな食事を摂るようになったんだね」と涙ぐまれたほどである。
    付き合う前から「君は細すぎる」と不満顔だった藍忘機も魏無羨の食べる量が増え、ある日おかわりを強請った日には、ふわりと花の綻ぶような笑みを浮かべた。その笑顔を真正面から受けてしまった魏無羨は、彼氏のあまりの顔の良さにすぐにでもベランダに飛び出して叫びたい気分だった。


    ◇◇



    ある休日の午後、二人でテレビを見ながらソファでイチャイチャしていたとき、たまたま目に入った映像に魏無羨はあっと声を上げた。
    「うわあ!すごい美味しそうなケーキ。食べてみた……たっけえ!なんだその値段!小さいくせに高い!」
    感嘆が悲鳴に移り変わる様を目にした藍忘機も画面を見つめる。
    「あれが食べたいのか」
    「こらこら。藍湛?間違っても買ってきたりするなよ?確かに美味しそうだと思ったけど値段を見ろ。あれだけ払えばお前と楽しむえっちなあれやそれやがいくつ買えると思う?」
    そう言って顎を擽ってやると、耳朶を真っ赤に染めた藍忘機に手首を掴まれ、悪戯好きな指を噛まれた。
    まあ、これで藍忘機も余計な気を回さないだろうと魏無羨は胸の中で安堵したが甘かった。藍忘機はこの日をきっかけにお菓子作りに目覚めたのだ。動機は魏無羨に喜んでもらうため。目標は魏無羨に喜んでもらうこと。それだけで藍忘機はどれだけでも努力するし成長する男だった。数ヶ月も経てば店に出しても恥ずかしくないレベルのケーキを出てきた。
    魏無羨に切り分けたケーキを差し出すときの藍忘機は、緊張で強ばった表情をしていたが、一口食べてその後「美味しい!美味しい!お店のより美味しい!藍湛天才!」と口いっぱいに頬張る魏無羨に「食べるに語らず」と注意しながらも藍忘機は嬉しそうにぽやぽやと花を飛ばしていた。なんなら洗い物をするときも、寝る前に歯磨きをしているときも、ベッドに入っておやすみのキスをしたあともぽやぽやしていた。
    そんな藍忘機がここでお菓子作りをやめるわけがない。暇さえ見つければ凝ったお菓子を作って嬉しそうに魏無羨に差し出すので魏無羨もまた幸せな気持ちで食べ続けた。その結果、どうなるか。太った。
    最近お尻がちょっと大きくなったかな、そういえば胸も。まあ藍湛がよく揉むからなーと呑気に笑っていると、そういえば最近やたらと藍忘機に太腿を噛まれると思い、ふとその太腿を見てみた。あれ、こんな肉付きよかったっけ。あと最近繋がってるときやたらと嬉しそうにお腹をなでるんだよなー奥を突かれてるときにぐって圧されるの好きなんだよなーとか思い出しながらお腹を撫でる。……あれ、こんな柔らかかったっけ。
    次の瞬間魏無羨の顔から血の気が引いた。そして冒頭に戻る。
    どうしよう、太った、太った。
    原因は明らか。食べ過ぎだ。だって藍湛の作る料理はどれも美味しくって、お菓子も美味しくって、残すなんて考えられなくて。太りにくい体質なんだとか笑っていた過去の自分を殴りたい。何が太りにくい体質だ、見事に太ってるではないか。どうしよう、このままだと藍湛に嫌われてしまうのでは。
    考えろ、考えるんだ魏無羨。どうすれば藍湛に気づかれずにダイエットができる?とりあえずは食べる量を減らそう。そう決心した魏無羨は、早速美味しそうな晩御飯を前に腹三分目で箸を置いた。
    これ以上この美味しそうなご飯の前に座っていたら手を出してしまうと早々に席を立とうとした魏無羨に藍忘機は真っ青な顔で止めに入った。
    「魏嬰。まだ全然食べていない」
    「うん、でもお腹をいっぱいなんだ」
    ひゅっと冷たい音が聞こえて魏無羨は藍忘機を見て、固まった。藍忘機は忙しなく目を泳がせている。
    「何がよくなかった……エビチリは魏嬰の好物のはず……香辛料もいつも通りだしエビも新鮮なものを選んだ……そういえばサラダのトマトが少し柔らかかった……もしかして傷んで……」
    「あー!なんか急にすっごくお腹空いてきた!もうちょっと食べよっかなー!」
    この世の終わりと言わんばかりの表情でブツブツと呟き続ける藍忘機に、魏無羨は慌てて席に戻り箸をとった。
    「魏嬰、無理はしないで。美味しくないのなら」
    「藍湛の料理が美味しくないわけないだろ!」
    どうやら食事の量を減らすのは失敗のようだ。ならば次は運動。そうだ、ダイエットといえば運動。魏無羨は食後、早速筋トレをしようと動画サイトで再生数の多いものを適当に選ぶと画面の中の女性と同じ動きを始めた。
    「魏嬰、何を?」
    「筋……トレっ……んっ……これ結構きつ……」
    ついでに豊かすぎる尻の肉も落とそうと尻痩せを謳っている動画を再生する。おすすめ一覧に出てきた育胸マッサージとやらも気になるがそれは藍忘機の見ていないところでやろう。まずは尻だ。
    汗を流しながら四つん這いになって右足を膝を曲げた状態で上げたり下げたりしていると、じっと魏無羨の様子を見守っていた藍忘機が近づいてきた。汗でしっとりした魏無羨の太腿を掴み、ぐいと引っ張ってくる。
    「藍湛、何するんだ!」
    「足が上がりきっていない。手伝おう」
    手伝おうとか言いながらも藍忘機の手は妖しく魏無羨の肌の上を滑り、汗で蒸れるホットパンツの中へと潜り込もうとしてくる。魏無羨は慌てて足を下ろすときゅっと内股に力を入れて、それ以上邪な動きができないようにと藍忘機の手を太腿で押さえ込んだ。しかし悲しいかな、力は藍忘機の方が上。そしてそういう雰囲気に持ち込むのも藍忘機の方が上手かった。
    藍忘機の大きくて骨ばった指先は魏無羨の柔肌を揉むようにしながら奥へ奥へと潜り込む。逃げようにも背後から覆うように抑え込まれ、汗で後れ毛の張りつく項を何度も優しく啄まれると身体の力が抜けてしまう。極めつけにお尻によくしった熱いものが押しつけられるともうだめだった。魏無羨の上半身を支えていた腕はかくんと折れ、腰だけを高く上げた情けない格好になってしまう。だめなのに、それなのにお腹の奥は切なく泣いて、お尻は強請るように浅ましく熱を摩った。
    「魏嬰。運動を手伝おう」
    藍湛が言うと親父みたいな台詞でもなんかいい感じに聞こえるな、なんて茹だった頭で考えているとはたと閃いた。
    騎乗位って俺主導でできるし、何より腰振るし結構疲れるし、めちゃくちゃいい運動になるのでは?!
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