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    himinyunko

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    himinyunko

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    やっぱり🧡の一人称視点 ❤🧡要素あり
    最後2つ選べなかったので、2つ載せました。

    牙の話 「ヴォックスてさァ、牙小さいよな。」

     鬼ってもっとでかくて鋭い牙なのかと思ってた、ちょっと可愛いかも、って言いながら俺はきょとり、と目をまるくした鬼を見た。黒い髪も、ゴールドの瞳も、あァ、人間じゃねぇんだなって思うくらい綺麗だ。俺は目の前の男ほど語彙力はねぇし、知識もねぇから、ヴォックスというモノを構成するすべてを褒めるとき、ただ、綺麗だ、素敵だなんて馬鹿の一つ覚えみたいに言ったり、思ったりすることしかできねぇけど。この男は、きっと、色々な言葉で飾られるのが似合うと思うんだよなァ。ふと、目の前の男がわらった。瞳が色も相まって三日月みてぇだ。そういえば、ヴォックスは爪も尖ってなかったな。俺は誘われるようにわらっている鬼に近づいた。牙も爪も攻撃的じゃあねぇし、むしろ俺の爪のほうが危ない、それにこんなに綺麗なんだから、鬼って案外とっつきやすいモンなのかも、




    ①「馬鹿だなァ、ミスタ。獲物に爪や牙を見せるものか、危険を察知したら逃げてしまう。」

    そうだろう?と鬼が優しく頬を撫でながらつぶやいた。黒い髪がカーテンのように垂れる、逃げ場を塞ぐように。眼前に顔がさらされる。
    鬼は、嗤っていた。
    馬鹿な狐が自ら近づくのを、ずっと待っていた。





    ②「私のかわいいお馬鹿さん、獲物に牙や爪を見せやしないよ。だって逃げてしまうじゃあないか、なぁ、ミスタ?」

    鬼がわらって言った。あ、そっか俺、まんまと嵌っちまったんだな、ヴォックスの罠に。やっと気づいたよ、お前、ずっと嗤ってたんだな。
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    ❤❤👏👏👏
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    Arasawa

    DONEハピエン前提で、愛する女に嫌われ逃げられてる七海が好きな人にオススメの話です。

    前回のお話
    https://poipiku.com/3203356/10482794.html
    七海の出戻りが解釈違いな元カノの話 2『七海が毎日高専に来てるんだよねぇ』
    「……ふーん」
    『休日だって顔を出して毎日毎日誰かさんのことをハチ公みたいに待ってるよ。未練タラタラだねぇ』
    「だから何」
    『おー、機嫌悪う』
    「わざわざ電話で言う?」
    『来なくなったんだから電話しかないでしょ?ん?そういえば来なくなった時期って七海が来始めた時期と一致してるけど……ハッ!まさか七海が待ってる人って……』
    「うるさい」

    白々しい推理を披露する同期の電話をブツ切りして深くて長い溜息を吐いた。
    七海と顔を合わせたくなくて、結局あれ以来一度も高専に足を運んでいない。悟の言うことが真実だとしたら、それはそれで結局腹が立つ。未練タラタラなくらいどうだって言うんだ。絶対にあの時の私の方が未練タラタラだったし、生死に関わるレベルでメンタルに支障をきたしていた。休みの日まで顔を出している?暇すぎるんじゃないのか。今度高専に用があるから七海が休みの日に行こうと思っていたのに、どうしたらいいんだろう。……次遭遇してしまった時に、ガツンと言えばなんとかなるのかも。いや、でも結構ハッキリ言ったと思うんだけど。
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