思い内にあれば色外に現る「さて、そろそろログアウトした方がいいな。君は今日ログインしてから随分経つのだろう」
デュエルディスクの中に収まった相棒が、こちらを見上げてそう言った。
鼻の奥がツンと痛くなる。また泣いてしまっては、きっとさらに揶揄われることになるだろう。ソウルバーナーは涙腺が弛まぬように、ぎゅっと眉間に力を入れて耐えた。
不霊夢は良い意味でも悪い意味でも相変わらずで、再会の瞬間に思わず声を上げて涙をこぼした相棒を茶化したかと思えば、先ほどからずっとそれをネタに弄ってくるのだ。「君がそんなに私を恋しく思っていたとは」「寂しい思いをさせて悪かった、よしよし、今夜は一緒に寝てやろう」云々。
当然ながら不霊夢は消えていた間の記憶はないようだった。再会を喜んではくれているものの、ソウルバーナーのその態度を少し面白可笑しく感じている節がある。
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