不可思議な感情銀河団の図書館から借りた本を抱えて廊下を歩いていた時、すれ違った拍子に人とぶつかった。本がばらばらと床に落ち、慌てて相手はしゃがんで本を拾い始める。
「あ、すみませ……げっ、ウォロさん」
「げっ、とは何ですか」
こちらの顔を見上げてようやくぶつかった相手に気が付き、あからさまに嫌そうな顔をした少女をウォロは睨みつけた。
以前は纏わりついては調査調査とうるさかったこの娘は、最近ウォロのことを敵視している。そうなったのは、ちょうど彼女と調査量の対決をした頃からだっただろうか。余程負けたのが悔しかったのだろうかと思うと少し愉快だった。
「なんの本借りたんですか。どうせ神話の……」
ショウはそう言って本の表紙を見て、首を傾げた。
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