鉄人シボさんとトシクニくん(or小さいム様)「起きろ、黒死牟」
少年の声が頭上から聞こえる。うっすらと目を開けると、深い群青色の瞳が視界を支配する。その瞳の持ち主である少年が珍しそうに自分を覗き込んでいるのだ。
「黒死牟、早く起きろ。今日からお前は僕のボディーガードだぞ」
黒死牟、少年は自分をそう呼んだ。実際に目を開けた自分を見て、やや興奮気味のようだ。
「お父様の手紙通りだ! 黒死牟、お前は僕を守る為に生まれたアンドロイドらしいな!」
少々不可解な言葉を使う少年という印象だったが、黒死牟の中に、その少年を否定する言葉は存在しない。
「いかにも……初めまして、俊國様」
「僕を知っているのか!?」
「はい……」
黒死牟の胸の上に乗り、お父様はどうした、どうしてお前は生まれたのか等、矢継ぎ早に聞いてくる。
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