必殺目覚ましピピピ、と目覚まし時計が眠りを妨げる。
光ノはんん、と顔をしかめながら伸びをする。
カーテンの向こうからは眩しいほどの太陽の明るさが朝をお知らせしていた。
隣で眠る彼は、アラームが鳴ろうが、ベッドが揺れようがお構いなくまだ夢の中。
暑いから、といって上半身裸で布団に入るのは、光ノからすれば目に毒なのでやめてほしいのだが。
起きないうちに、うつ伏せで爆睡している彼の引き締まった身体を見つめる。
細見なのに、以外と筋肉もしっかりついていて。
男らしいフォルム。
細すぎず、太すぎない二の腕から伸びる腕、自分より大きな手。
枕で潰されている頬と薄い唇。
彼に愛された昨晩のことを思い出して顔が熱くなる。
ブンブンと顔を振って、ベッドを後にした。
顔を洗って、服を着替えて。
温めなくても良いロールパンと、ケトルで沸かしたお湯に、インスタントのココア。
テーブルに並べて、もう一度寝室へと戻る。
「リアス、朝ですよ」
声をかけてみるが、反応がない。
「リアス、起きてください」
トントン、と身体を揺すってみる。
「・・・・・・」
ゴロンと寝返りをうつリアス。
「ココア、冷めちゃいますよ」
彼の寝起きの悪さは今日に限ったことではないのだが。
今日は午前中から出かける予定を立てていたので起きてもらわないと困る。
「・・・奥義、ですかね」
リアスがどうしても起きない時に使う、最終手段。
光ノはふぅ、と深呼吸一つ。
寝返りをうって仰向けになったリアスに跨がる。
顔の横に手をついて、ぐっと近づく。
「・・・リアス・・・」
ふわ、と髪の毛が彼の頬に触れる。
「・・・ぶぇっくしょい!!!!!」
盛大なクシャミ。
「ハッ!何?!」
パチリと目を開くリアス。
目の前にはニヤリと笑う、光ノの顔。
「おはようございます。朝ごはん出来てますよ。」
「お前!また!髪の毛で顔くすぐっただろ!」
「リアスが起きないのが悪いんです。」
リアスが腕をあげて光ノの髪の毛を手で纏める。
そのまま後頭部をぐっと押した。
「わっ」
ぶちゅ、と重なる唇。
それはだんだんと甘く、深く変わっていく。
ゆっくりと離れる顔。
今度はリアスがニヤリと笑って光ノを見つめていた。