Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    Lei

    @PkjLei

    妄想や幻覚を捏造たっぷりで書いてます

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 54

    Lei

    ☆quiet follow

    夢の中の👹に依存する🦊の話

    夢かうつつか夢を見る。ヴォックスと俺だけの世界にいて、真綿で包むような彼の愛情で甘やかされる夢。ぬるま湯のような幸せなその夢を見るようになったきっかけは、ヴォックスがアイクに愛を囁くのを見てからだ。もちろんアイクにそういう気持ちが無いことも、ヴォックスの恋人が自分であることも分かってはいるんだ。でも、それでも、俺にとってその光景は衝撃的で、ありえもしない夢を見てしまったんだ。
    その夢を1度でも幸せだと感じてしまった俺は、毎日その夢を見るようになった。そうすれば次第に、夢から醒めるのが怖くなった。いつ俺はヴォックスに捨てられてしまうんだろう、飽きられてしまうんだろう。そんな恐怖が起きている間つきまとう。そうすると現実のヴォックスと話すことが怖くて、彼から逃げるようになった。なんだかんだ毎日繋いでいたVCの頻度が少なくなって、次第に仕事で必要な時以外はしなくなった。
    「忙しいのかな?」
    度々ヴォックスの方から連絡は来ていたけれど、適当な嘘をついて逃げ回った。怪しまれてるのは分かっていたし、聡いシュウからは話聞くよって言われた。それにも、申し訳なさを感じつつも、断りをいれて、どんどん皆との関わりを絶っていった。

    「愛しているよ」
    「いい子だ」
    「お前だけだよ」
    俺の希望の言葉だけを言う夢の中のヴォックス。俺の幻覚ということは分かっているけれど、一度愛されて弱くなってしまった俺にはこの幻覚が必要なんだ。夢から醒めた時、ヴォックスからの別れの連絡が来ているんじゃないかと怯えながら目を開ける。そう思うなら、ちゃんと現実の彼を見るべきだと冷静な自分が言う。うるさい、うるさい、うるさい。そんなこと分かってるんだ!でも、どうする?現実を見て、自分じゃない誰かを愛するヴォックスを目の当りにしたら?その時俺は正気を保っていられるのか?無理だ。彼に捨てられたら、俺は多分死んでしまう。
    頭を抱えてベッドで丸まって荒い息を吐いていれば、ピンポーンと間抜けな呼び鈴の音がする。誰だよと思いつつ、のろのろと立ち上がって玄関に向かう。
    「はーい!?」
    イラついて荒めの声で返事をしながら扉を開ければ、夢では死ぬほど見ている男が立っていた。
    「ずいぶんなお出迎えだな」
    「ヴぉ、っくす?」
    「最近ろくに話してないだろう。いい機会だから遊びに来た」
    土産もあるんだと紙袋を差し出してきた彼に、俺は視界が真っ暗になる。なんで?話って何?もしかして別れ話?
    「ごめん、これから仕事だから帰ってもらってもいいかな?」
    「ふむ。なら近くで時間をつぶしているので、終わったら連絡してくれないか?」
    「というか、話すことないでしょ」
    話をするのが怖くて、暗に帰れと告げる。それに気づいたのか、眉をあげるヴォックス。
    「様子が変だぞ?」
    「変って何?普通だよ。それより忙しいんだ、帰ってくれよ」
    もう何を言われるのか分からなくて怖くて、まともに立っていられない。自分で自分を守るように抱きしめて、ふらふらと後退する。もう嫌だ、さっさと寝て夢の中のヴォックスに会いたい。彼は、俺が望まないことは言わないから…
    心配そうな顔をしてこちらに近づくヴォックスを拒否するように、扉を閉める。ドンドンと扉を叩く音と、自分を呼ぶヴォックスの声。
    「もう、おれのことは、ほおっておいてよぉ‥‥」
    情けない自分の声は、ヴォックスには届かない。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭😭😭😭😭😭💕🙏👍🙏😭😭😭🙏👏🙏😭😭😭😭😭😭😭💖💖💕💞💕💞💘🌠👍😭😭😭😭😭😭😭😭❤❤❤❤❤❤❤😭💖💖💖😭😭😭🙏😭
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    Lei

    DOODLE🦊の方が一枚上手な🦁🦊
    傾国ミスタ・リアスという男は自己評価が低い。様々な才能に溢れているのに、仲間たちやリスナーからの褒め言葉をちっとも受け取ろうとしないそんな男だ。しかし厄介なことにミスタは、ミスタ・リアスという外見が性的な意味で惹きつけるということだけは理解しているのであった。
    天使の輪が光つややかなミルクティーブロンドの髪に、白く真珠のように透き通った肌、空をそのまま落とし込んだような瞳、つんとした綺麗な形の唇は艶々と魅惑的である。彼はこの外見が人々を魅了することは理解している。それを活用することが特にうまい。それが本当に厄介なのだ。今自分が置かれている状況がいい例だ。
    「ねぇ、ルカ?俺と良いことしようよ」
    どこでミスタのスイッチが入ったのかは分からないが、今自分はミスタに誘惑されていた。ツーっとミスタの細く長い指が怪しく俺の太ももをなぞる。こそばゆい感触に背筋がぞくぞくするが、顔に出ないように必死に堪える。何をするんだと非難を込めて睨んでも、ミスタはただ微笑むだけだ。そして今の彼のほほえみはそれだけで、男をうんと頷かせてしまうくらいの力があった。だがしかし、ここで頷けばマフィアのボスとして、1人の男としての沽券に関わる。嫌だと首を振れば、駄々をこねる子供をなだめすかすような目で見られた。
    1088

    Lei

    DOODLE🖊が死んだ後の👹の話(👹🖊)
    またいつか出会うまでアイクが死んでから何もする気が起きなかった。2人で暮らしていた家は、片づけもせずそのままの状態だった。アイクはいないのに、アイクのいた痕跡だけが残る家は寂しくて静かだった。そんな2人が暮らした家で、1人で何もせずに過ごす。リビングのソファーでただ座って1日過ごす。埃がつもりはじめているのは分かっていたけれど指一本動かす気にはなれなかった。このままではいけないことくらい、400年以上も生きた自分には分かっていた。しかし愛するものを失った衝撃は、自分を惰性でしか生きられなくした。

    そんな消えない喪失感を抱えたまま過ごしていたある日のこと、死んだはずのアイクから手紙が届いた。ピンポーンと呼び鈴が鳴り、アイク・イーヴランド様からのお手紙ですという配達員の声にソファから慌てて立ち上がった。そうやって受け取った封筒の中には綺麗だけど少し癖のあるアイクの字で“ちゃんとご飯を食べなさい”と書いてある一筆箋が入っていた。最初は意味が分からなかった。だけどアイクが言うならしょうがないなと思って、久しぶりに料理をした。食材を買いに、近くのスーパーに買い物に行った。そうして作ったのはアイクが好きだったハンバーガー。パンは出来合いの物だが、パティはちゃんと作った。アイクが死んでから、人外であることをいいことに食事を取っていなかった。久しぶりの食事は美味しかったが、それでも一緒に食べる相手がいないことに胸が痛んだ。
    1996

    recommended works