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    Lei

    @PkjLei

    妄想や幻覚を捏造たっぷりで書いてます

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    Lei

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    ずぶ濡れになった🦊を甘やかす👹の話

    ぬれぎつね最悪だ。なんで俺は今日こんなについてないんだろう。
    依頼が終わって外に出れば、雨が降り始めていた。これくらいなら走れば大丈夫だろうと思ったのに、どんどんと雨の勢いは増していってずぶ濡れになってしまった。更に横を通った高級車が、盛大に水をかけていって白のズボンは泥で汚れてしまった。踏んだり蹴ったりで、暴れたくなっちゃうけど、それをしても惨めな今の現状が変わるわけでもない。走る気も無くなって、とぼとぼと歩いて帰る。家には俺一人だし、もう今日は帰ったらさっさとシャワーを浴びて寝てしまおう。起きていてもいいことない。

    扉を開けても暗闇があるのだと思えば、寂しさもやるせなさも増す。はぁとため息をつきながら、ガチャガチャと乱暴に鍵を開ける。手がかじかんでいつもより時間がかかる。それにいらだって、舌打ちしてしまう。やっと開いた鍵。バンと扉を開ければ、予想に反してリビングから光が漏れ出していた。
    「な、んで?」
    「ああ、帰ったか。ちょっとそこで待っていてくれ」
    お玉を手に現れたヴォックスは、俺に声をかけると洗面所の方に消えていった。合鍵は渡してあるけれど、俺がヴォックスの家に行く方が多くて。彼が俺の家に来るのなんて数えるほどしかなかった。そんな珍しい彼の来訪が、まさか今日だなんて。踏んだり蹴ったりで荒んだ心では、際限なくヴォックスに甘えてしまいそうで怖い。ぽたぽたと髪から滴り落ちる水滴がうざったい。
    「ほら、軽くふいてやるから動くんじゃない」
    わしゃわしゃと大型犬相手のように、頭全体をフワフワのタオルで拭かれる。ふんわりと香る柔軟剤の匂い。少し痛いくらいの力だけど、拭われるたびに俺の黒い気持ちもごしごしと消されていくような気がする。
    「ほら。シャワー浴びて来い。ちゃんと暖まるまで出てくるなよ」
    ある程度拭かれれば、浴室に押し込められる。汚れ切った服を適当に籠に投げ入れて、浴室に入る。頭からお湯を被れば、冷え切っているから火傷しそうなほど熱く感じる。なんだかどっと疲れてしまって、浴室を出れば服を着る気にもなれなかった。せめてもとパンツだけを身につけて、リビングに向かう。せっせとキッチンで何かを作っているヴォックスはこちらを見ると、眉をしかめた。
    「せっかく暖まっても服を着なきゃ意味ないだろう」
    「めんどくさいんだもん」
    ぐでーとソファに座れば、やれやれと言った様子でヴォックスがこちらにやってくる。
    「ほら、ばんざーいだ」
    ヴォックスの指示に従って腕を上げれば、もこもこの部屋着を着せられる。そのままズボンと靴下もはかせてもらった。フワフワであったかくて、ほわほわとした気持ちでいっぱいになる。
    「ほら、これでも飲みなさい」
    そう言ってヴォックスが持ってきたのは、大きめのマグカップに入ったホットミルク。一口飲めば、はちみつの優しい甘さが体に染み渡る。腹の底から暖まっていくのを感じる。
    「おいしい‥‥」
    「それは何よりだ」
    俺の向かいに座って、ヴォックスも同じものを飲む。ゆるゆるとした会話に、家に着くまでの荒んだ気持ちは綺麗さっぱり吹き飛んだ。

    ホットミルクを飲み終えれば、とたんにやってくるのは急激な眠気。勝手に下がってくる瞼を、どうにか押し上げようとする。
    「眠いのか?」
    これまた眠気を誘うような、甘く蕩けてしまうヴォックスの声。もう無理だなと思って、彼に腕を伸ばす。俺の願いをくみ取ってくれたヴォックスは、俺を抱き上げて寝室に向かう。
    そっとベッドに寝かせられ肩まで布団をかけられる。ポンポンと叩かれれば、俺の意識はたちまち夢の世界に旅立っていく。ああこういうのを“幸せ”って言うんだろうな。そんな気持ちでいっぱいになって、俺は瞳を閉じた。
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    Lei

    DOODLE🦊の方が一枚上手な🦁🦊
    傾国ミスタ・リアスという男は自己評価が低い。様々な才能に溢れているのに、仲間たちやリスナーからの褒め言葉をちっとも受け取ろうとしないそんな男だ。しかし厄介なことにミスタは、ミスタ・リアスという外見が性的な意味で惹きつけるということだけは理解しているのであった。
    天使の輪が光つややかなミルクティーブロンドの髪に、白く真珠のように透き通った肌、空をそのまま落とし込んだような瞳、つんとした綺麗な形の唇は艶々と魅惑的である。彼はこの外見が人々を魅了することは理解している。それを活用することが特にうまい。それが本当に厄介なのだ。今自分が置かれている状況がいい例だ。
    「ねぇ、ルカ?俺と良いことしようよ」
    どこでミスタのスイッチが入ったのかは分からないが、今自分はミスタに誘惑されていた。ツーっとミスタの細く長い指が怪しく俺の太ももをなぞる。こそばゆい感触に背筋がぞくぞくするが、顔に出ないように必死に堪える。何をするんだと非難を込めて睨んでも、ミスタはただ微笑むだけだ。そして今の彼のほほえみはそれだけで、男をうんと頷かせてしまうくらいの力があった。だがしかし、ここで頷けばマフィアのボスとして、1人の男としての沽券に関わる。嫌だと首を振れば、駄々をこねる子供をなだめすかすような目で見られた。
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    Lei

    DOODLE🖊が死んだ後の👹の話(👹🖊)
    またいつか出会うまでアイクが死んでから何もする気が起きなかった。2人で暮らしていた家は、片づけもせずそのままの状態だった。アイクはいないのに、アイクのいた痕跡だけが残る家は寂しくて静かだった。そんな2人が暮らした家で、1人で何もせずに過ごす。リビングのソファーでただ座って1日過ごす。埃がつもりはじめているのは分かっていたけれど指一本動かす気にはなれなかった。このままではいけないことくらい、400年以上も生きた自分には分かっていた。しかし愛するものを失った衝撃は、自分を惰性でしか生きられなくした。

    そんな消えない喪失感を抱えたまま過ごしていたある日のこと、死んだはずのアイクから手紙が届いた。ピンポーンと呼び鈴が鳴り、アイク・イーヴランド様からのお手紙ですという配達員の声にソファから慌てて立ち上がった。そうやって受け取った封筒の中には綺麗だけど少し癖のあるアイクの字で“ちゃんとご飯を食べなさい”と書いてある一筆箋が入っていた。最初は意味が分からなかった。だけどアイクが言うならしょうがないなと思って、久しぶりに料理をした。食材を買いに、近くのスーパーに買い物に行った。そうして作ったのはアイクが好きだったハンバーガー。パンは出来合いの物だが、パティはちゃんと作った。アイクが死んでから、人外であることをいいことに食事を取っていなかった。久しぶりの食事は美味しかったが、それでも一緒に食べる相手がいないことに胸が痛んだ。
    1996