Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    Lei

    @PkjLei

    妄想や幻覚を捏造たっぷりで書いてます

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 54

    Lei

    ☆quiet follow

    👹に料理を作ってやりたいショタ🦊の話

    手料理「今日は俺が作るよ!」
    ふんすと鼻を鳴らしながら包丁を持つミスタに、俺は不安しかなかった。普段の食事は全て俺が作っているので、本当に出来るのだろうか。手伝いレベルしかしてないので、1人で全部作るのは到底無理だと思うのだが。
    「ヴォックスはここで座ってて!」
    リビングの椅子に私を押しやると、ミスタはトテトテとキッチンに向かった。まぁ何かあったら止めればいいかと思い、見守ることに決めた。

    手伝いをする時のために買ってやったオレンジ色のエプロンを身につけたミスタは尻尾をゆらゆら揺らしながら、冷蔵庫から食材を取り出していた。人参にナス、豚肉を取り出しているので恐らく炒め物か何かを作るのだろう。ゴトゴトと音を立てながら作業台に置いたミスタは、次に米を取り出した。作業台が高すぎるので買ってやった踏み台を取り出したミスタはボールに米と水を入れた。そしてそのまま炊飯器に入れようとするので、慌てて止めに入った。
    「まて、ミスタ。米を洗いなさい」
    「え?米って洗うもの?」
    キョトンとした顔でこちらを見るミスタに、ため息が出そうになった。
    「いいか、水が濁らなくなるまで洗うんだ。分ったかい?」
    「はーい」
    「いい子だ」
    返事をしてがしゃがしゃと米を洗い始めたミスタを見て、一息つく。この調子では、これからの調理過程も心配は尽きないだろう。米を炊飯器に入れスイッチをつけたミスタは、一仕事終えたような顔をしていた。
    「待っててねダディ。美味しいの作るから」
    にっこり笑うミスタはとても可愛らしいが、手に持っている子供用の包丁が恐ろしい。
    「あぁ、ミスタ‥‥お願いだから、使わない時は包丁を置いてくれ‥‥」
    「ん?これから使うんだよ!」
    そう言うと人参を手に取ったミスタは、何を思ったのか人参を縦にして切り始めた。
    「待て、待ってくれミスタ。その切り方は危険すぎる」
    「え?そうかな…」
    「少なくとも俺はそんな切り方はしていなかっただろう?」
    「そうだっけ?」
    頭の上に?を浮かべていそうなミスタに、こらえていたため息が出てしまう。もう見ていられなくなって、代わりに私が野菜を切ることにした。
    「いいか?こうやって切るんだ」
    人参のヘタと先を切り落とし、ピーラーで皮をむく。火が通りやすいように小さめに切る。茄子は水で洗ってからヘタを切り、こちらも一口サイズに切ってやった。
    「ありがとうダディ!」
    「良いんだよ。炒める時は気をつけなさい」
    うんと返事だけはいいミスタはフライパンを取り出して、油を引いて火をつけた。
    「これくらいでいい?」
    「丁度いいくらいだね」
    「良かった」
    ホッとしたように笑ったミスタは、豚肉を入れて炒め始めた。ジュージューという音がして、豚肉に火が通っていく。
    「全部の肉に火が通るまで炒めるんだよ。生の豚肉は危ないからね」
    「わかった!」
    本当に返事だけは良いんだこの子は。木べらで肉を炒める様子は不慣れだが、大変可愛らしい。心の中のアルバムに今日の様子をしまいつつ、着々と出来上がる炒め物を横から見守った。人参と茄子を一緒に入れようとするのを止め、塩コショウを恐ろしい量入れようとするのを止める。今日はなんだかミスタを止めることしかしていないなと思いながら、彼の様子を見守る。
    ピーと炊飯器が完成の音を鳴らす。
    「ご飯炊けた!」
    「そうだな。こら火を使っているのによそ見をするんじゃない」
    集中力が無くなってきたミスタがちらちらと炊飯器の方をよそ見するので叱れば、ミスタは慌てたようにフライパンに目をやっていた。
    「出来たよ!」
    全ての食材に火が通り味付けも終えたミスタが、今日1の笑顔でこちらを見てくる。
    「美味しそうだな」
    「でしょ!早く食べよう~」
    褒めてやれば、ミスタは尻尾をブンブンと揺らす。フライパンは大きすぎてミスタがよそるには難しいだろうと判断し、米をよそるように頼む。ミスタはそれにうなずくと皿を出して米を盛り付けた。それを受け取り、炒め物をよそる。
    「いい感じにできた~!!」
    出来上がった料理に嬉しそうに飛び跳ねるミスタ。野菜を切るなどの大事な工程は俺がやっているのだが、それを突っ込むのは野暮というものだろう。
    「ミスタは料理上手だな。今度は2人で一緒に作ろう」
    「うん!ダディに教えてあげるよ!」
    全くもって調子のいいこの子狐は。調子に乗るんじゃないよと軽口を叩きつつ、皿をダイニングに運ぶ。冷める前に食べなくてはな。
    向かい合って座る。先ほどから笑みを抑えきれていないミスタは待ちきれない様子だ。
    「ほら、落ち着いて。慌てて食べれば、火傷するぞ」
    「分かってるよ!いいからほら早く!」
    「はいはい。じゃあいただこうか」
    「うん!いただきます!」
    挨拶もそこそこにガツガツと食べ始めるミスタ。彼の様子を見守りながら、俺も口に運んだ。正直に言えば味はそこそこだ。しかしミスタが作ってくれたと思えば、この料理は特別なものだ。
    「美味しい?」
    「美味しいよ。ミスタは天才だな」
    「えへへ」
    こちらの様子をうかがうミスタに微笑んで感想を伝えてやれば、彼は嬉しそうに笑った。
    心臓に悪い調理ではあったが、まあこんな日があってもいいなぁと思った。しかしとりあえずミスタにはもっと料理の手伝いをさせなければと誓った1日であった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💘😭💕❤💖😭👍💖☺☺🙏💖💖🇱🇴🇻🇪🚑💘☺☺☺☺💖💖💖💖☺☺☺☺☺💞☺☺☺☺🙏💖💖💘☺☺☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    Lei

    DOODLE🦊の方が一枚上手な🦁🦊
    傾国ミスタ・リアスという男は自己評価が低い。様々な才能に溢れているのに、仲間たちやリスナーからの褒め言葉をちっとも受け取ろうとしないそんな男だ。しかし厄介なことにミスタは、ミスタ・リアスという外見が性的な意味で惹きつけるということだけは理解しているのであった。
    天使の輪が光つややかなミルクティーブロンドの髪に、白く真珠のように透き通った肌、空をそのまま落とし込んだような瞳、つんとした綺麗な形の唇は艶々と魅惑的である。彼はこの外見が人々を魅了することは理解している。それを活用することが特にうまい。それが本当に厄介なのだ。今自分が置かれている状況がいい例だ。
    「ねぇ、ルカ?俺と良いことしようよ」
    どこでミスタのスイッチが入ったのかは分からないが、今自分はミスタに誘惑されていた。ツーっとミスタの細く長い指が怪しく俺の太ももをなぞる。こそばゆい感触に背筋がぞくぞくするが、顔に出ないように必死に堪える。何をするんだと非難を込めて睨んでも、ミスタはただ微笑むだけだ。そして今の彼のほほえみはそれだけで、男をうんと頷かせてしまうくらいの力があった。だがしかし、ここで頷けばマフィアのボスとして、1人の男としての沽券に関わる。嫌だと首を振れば、駄々をこねる子供をなだめすかすような目で見られた。
    1088

    Lei

    DOODLE🖊が死んだ後の👹の話(👹🖊)
    またいつか出会うまでアイクが死んでから何もする気が起きなかった。2人で暮らしていた家は、片づけもせずそのままの状態だった。アイクはいないのに、アイクのいた痕跡だけが残る家は寂しくて静かだった。そんな2人が暮らした家で、1人で何もせずに過ごす。リビングのソファーでただ座って1日過ごす。埃がつもりはじめているのは分かっていたけれど指一本動かす気にはなれなかった。このままではいけないことくらい、400年以上も生きた自分には分かっていた。しかし愛するものを失った衝撃は、自分を惰性でしか生きられなくした。

    そんな消えない喪失感を抱えたまま過ごしていたある日のこと、死んだはずのアイクから手紙が届いた。ピンポーンと呼び鈴が鳴り、アイク・イーヴランド様からのお手紙ですという配達員の声にソファから慌てて立ち上がった。そうやって受け取った封筒の中には綺麗だけど少し癖のあるアイクの字で“ちゃんとご飯を食べなさい”と書いてある一筆箋が入っていた。最初は意味が分からなかった。だけどアイクが言うならしょうがないなと思って、久しぶりに料理をした。食材を買いに、近くのスーパーに買い物に行った。そうして作ったのはアイクが好きだったハンバーガー。パンは出来合いの物だが、パティはちゃんと作った。アイクが死んでから、人外であることをいいことに食事を取っていなかった。久しぶりの食事は美味しかったが、それでも一緒に食べる相手がいないことに胸が痛んだ。
    1996

    recommended works