【曦澄】そんな馬鹿な「おめでとう。懐妊ですって」
「は……?」
江澄は固まった。
母上はそんな品のない冗談を口にするような人ではなかったはずだ。
このところ体調が優れず、食欲もなく。それでも倒れるようなことがあってはならないと半ば無理やり食事をしていたのだが、とうとう吐き気が強くなって戻してしまった。貧血の症状まで起こして倒れてしまい、目が覚めたのが当に今。
仙師のくせに体調不良で倒れるとは何事かときつい叱責を食らうものとばかり思っていたら、予想の斜め上なことを言われた。
というか、妊娠って。何を言ってるんだろう、この人。
そんな思いで目の前の母親をまじまじと見つめる。
「ちゃんと医師が見立てたんだから間違いないそうよ。知らないけど」
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