チャイナ服──集会所本部、昼下がりの縁側にて。日向ぼっこの最中の九尾の狐と犬神が、たわいも無い会話を行いだした──
「一松兄さん!」
「なに十四松」
「一松兄さんのその服ってさ!チャイナ服なの?」
「何それ」
「獣国の服」
「獣国って六獣が最高神の座についてるお隣の国だっけ。…人の間じゃいまなんて呼ばれてるんだろうね」
「知んない」
「おれも。…服の話戻るけど、おれはこれ狩衣みたいなもんだと思ってたわ」
「たしかに!でも垂れみたいなやつの装飾、獣国っぽくない」
「…まあ、言われてみればそうかも」
「でもやっぱりほとんど狩衣だから、獣国の服ではなさそう」
「そっか残念」
「ところで十四松、ちゃいな服なんてどこで覚えてきたの」
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